ホビー業界インサイド第22回:プラモデルを作らなかった層にもアピール! バンダイ「ハコルーム くまのがっこう」シリーズの秘めた可能性

2017年04月30日 12:000
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プラモデル商品の「女性市場開拓」へ


── 女の子に向けてプラモデルを開発するのは、ちょっと冒険的な気がしますが?

三澤 流通の方からも「女の子がプラモデルを作るの?」と聞かれました。そこで小学1年生から4年生ぐらいの女の子たちに、テスト的に「妖怪ウォッチ」のプラモデルで遊んでもらったのですが、取説がなくても15分ぐらいで組み立てられました。私たちが思っているより、女の子たちは抵抗なくプラモデルを組み立てられるんだな……と実感しました。
とはいえ、市場全体が「プラモデルは男の子のもの」というイメージを強く持っているのは確かです。なので、「その場で作って、そのまま持って帰れる」体験会を大規模にやろうと思っています。

── 組み立てに、工具は必要なのですか?

三澤 素手でパーツをちぎれるタッチゲートを採用しています。「妖怪ウォッチ」のプラモデルなどと同じ仕様ですね。ゲート跡も、ほとんど残りません。

── 素材は、ABS(アクリロニトリル・ブダジエン・スチレン)なんですね。

三澤 はい、ほとんどのプラモデルはPS(ポリスチレン)ですが、ハコルームはお家のパーツを組みかえて遊ばせるので、強度のあるABSを素材に選びました。オモチャとして遊んでもらうことが、第一ですから。

── すると、色を塗ることは推奨せず、組みかえ遊び重視なわけですね?

三澤 組みかえ遊びはファーストステップと考えていて、塗ってもらったりアレンジしてもらいたいなとも思っているんです。壁の内側にも、年季のはいった感じのモールドが入っていますから、ちょっとスミ入れするだけで雰囲気が出ます。家具類も鉄っぽいデザインで統一していますから、ちょっと汚し塗装をするだけで本物感が増すと思います。ABS素材は弊社の推奨商品であるガンダムマーカーは使えませんが、アクリル絵の具などで塗ることができます。色塗り禁止ではなく、手を加えても楽しめる奥行きは残しています。アレンジしごたえのある商品になっているはずです。


── 発売は4月22日ですが、反響はいかがですか?

三澤 小学生向けのプロモーションは、4月から一気に展開しますので、まだ子供たちの反応は見えていません。ですが、大人の方たちからの良い反応が、少しずつ増えてきていますね。大人のプラモデルファンや、弊社で「オトナ女子」と呼んでいる、大人になってもキャラクター好きで、キャラクター雑貨やオモチャを買われる女性たちの間で盛り上がっているようです。

── 完全に女の子向け、女性向けですね。

三澤 男の子も、遊びたい子は遊んじゃうでしょうね。「妖怪ウォッチ」や「ポケモン」のプラモデルはホビー事業部の製品ですが、「ガンダム」シリーズにくらべると、だいぶ女の子が入ってきたと聞いています。ホビー事業部も、「プラモデルが女の子にも浸透してくれたらうれしい」と言ってくれているので、プラモデル商品の女の子向け市場の開拓が、ハコルームで出来るとうれしいです。

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