架空の90年代アニメをプロデュース&主題歌を歌唱! 19年ぶりのCDリリースで注目を集める声優・岡本麻弥ロングインタビュー
実力派クリエイターと生み出した主題歌&挿入歌
―― 楽曲についても作曲を担当している加藤慶さんは、まだ20代の若いクリエイターですね。
岡本 まだ26歳だそうです。彼は90年代アニメの世代ではありませんが、すごく面白がって参加してくれました。今回は「90年代アニメ風」と言っても、古臭いものを作ってとお願いしたわけじゃないんです。30代から50代の方にはもちろん楽しんでほしいけど、やっぱり10代、20代の若い方にも楽しんでいただきたいんです。このあたりは、加藤さんにも「こういう感じで」とお伝えして、世代を問わずカッコいいと思えるテーマソングを作ってもらえたと思っています。
――「Rise and Fall」はアップテンポでイントロからギターをバリバリとかまして、メロディも上下に動きが激しくて、ライブでも聞いてみたい感じの楽曲です。
岡本 せっかくいい曲を作っていただいたので、ライブはやりたいですね! ただ「Rise and Fall」は、テンポは速いし、息を吸うところもなくて大変な歌なんです。そのおかげですごくカッコいいんですけれど……曲はRiseで、私の気分がFallです(笑)。この曲は、作詞家のRUCCAさんとの出会いも素晴らしかったです。とてもきれいで広い内なる世界を持っていらっしゃる方なんですけど、できてきた詞がすごいカッコいいじゃないですか。もう、ありがたくて……。
―― 「宇宙の風 靡(なび)かせて」といったフレーズは、さすがだと思いました。
岡本 私とドラゴンで作った設定だけで、よくこれだけのものを作ってきましたよね。反対に歌詞の内容を生かして、ストーリーも作ろうかなと思いました。
―― 挿入歌「カゼノオト」はご自身の作詞ですね。
岡本 こちらは劇中挿入歌でかつキャラクターソングということもあって、Dさんから「この部分だけこういう風に」っていくつも修正指示がきたりしました。ただ、歌詞って一か所だけ変えるのが難しいんですよ。しかも、私は譜面を読めないので、「一体全体これはどこに入るの?」って苦労しました。でもその結果、手前みそでちょっと恥ずかしいんですけど、レコーディングの帰りにRUCCAさんが「カッコよくて、すごくよかったですね」って褒めてくださいまして、ホッとしました。
―― ゆったりとした曲調にファンタジックな詞という不思議な世界観の楽曲です。
岡本 実は、わりと泥臭くなるように「火」とか「水」といった言葉を入れています。今、ネットの時代になって、何が正しいかってすごくわかりにくい時代だと思うんです。だから、「光」と「闇」、単純な黒か白かAll or Nothingじゃなく、その間にある事象として「雷」とか「風」とか「火」とか「水」とか、自然に存在するものをあえて入れました。そこに人が生きていくっていうのはどういうことだろうって、そういう思いも込めています。
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