ワッキー貝山の最新ガチャ探訪　第3回「ゴジラとお米、かゆいところに手が届く!?　ガチャならではのニクい新商品」

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Vol.7　悲米　ブシロードクリエイティブ　200円

春一番のごとく、猛スピードでカプセルトイ業界に新風を吹き込みまくるブシロードクリエイティブの新作、いや新米登場である。

この「悲米」、口するだけでも悲しく切ないワードをお米の銘柄に見立てて、実際にそれっぽい袋を作ってしまったという商品なのだ。一瞬見逃してしまいそうな奇妙なネーミングを2度見して、ほくそ笑むという、出落ち系アイテムなのである。

「決まった金額で何ができる？」「税込み200円で何ができる？」など、カプセルトイのハードルを乗り越え、米袋をカプセルインする「悲米」の発想はなかなか出てくるものじゃありません。「あらゆる瞬間に着目し歪ませる」をコンセプトに動き始めた、低価格ハイクオリティレーベル「FOCUS ON」は、ただ商品を開発するだけでなく、ガチャのサンプリングなども敢行！　カプセルトイに対する力の入れようが尋常じゃありません。ガチャで何ができるかをとことん突き詰める挑戦をし続けているかのよう。その真剣さ、リスペクトです！

さて肝心の商品ですが、米袋と言っても実際に米を入れるわけにはいかない、ということでビーズが中に仕込まれており、触り心地はまるでお手玉のよう。米袋から伸びるゴム紐とも、どう付き合えばいいのやら。

それにしても……なるほど～。米袋に印刷された悲しい名称の数々は、確かにあらゆるものを歪ませてしまうほど面白く、ついつい笑いがこみ上げてきます。「孤独という名の大地に生まれ」というキャッチコピーが添えられた「うれのこり」なんて、本当にありそうなネーミング。ほかのラインアップよりも少し重めの100㎏（という設定）というのもウィットに富んでいます。実際には100kgもないけれど、どすっと重い（思い）がのしかかります。

これ以外には「かたたたき」や「たかのぞみ」「ゆめやぶれ」「きどくむし」なる銘柄が並びます。このガチャのすごいところは、普段は触れにくいデリケートな話題でも、「悲米」を使えば比較的容易に触れられるという点。これはすごい！ 笑うことによって悲しみも受け入れられる！ 言わば、悲米のおかげでネガティブな感情が真逆に切り替わり、ポジティブになるといったところである。冷静に考えると、わざわざお金を出して悲しい言葉が書いてあるプチ米袋（しかも米は入っていない）を買うなんて、無駄な行為にほかありません。無駄使いと思えばそれまでですが、もしかしたらこのトイに出会うことによって救われる人もいるかもしれません。時として、いらないものが必要なものになる人もいるのです。こういう出会いこそ、今も昔も変わらぬガチャの神髄ではないでしょうか？

さあ勇気を持ってハンドルを回そう！ そこには、今まで感じることがなかった素敵な出会いが待っているかもしれない！ いや～ガチャガチャって本当にいいものですね。

※今回紹介している商品は、現在は販売を終了している場合もあります。

＜プロフィール＞

ワッキー貝山

フリータレント兼ガチャガチャコレクター（カプセリスト）

7歳からガチャガチャを集めだし、10万個所有。「愛しのインチキガチャガチャーコスモスの全て」「素晴らしきインチキガチャガチャの世界―コスモスよ永遠に」「最終決定版！インチキガチャガチャの真相―コスモス、その愛」（双葉社）「日本懐かしガチャガチャ大全」（辰巳出版）などの関連本を出している。http://www.wakky4649.com

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