ホビー業界インサイド第21回:あまりに広大で自由な「ゲームズワークショップ」の高密度なミニチュアと世界観に、ホビー業界の沃野を見た!

2017年03月18日 12:000

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厳然な決まりはなく、プラモデルとしても高品質!


── ですが、ゲームで遊ぶ場合、ルールは守らないといけないんですよね?

大友 いちばん重要なのは、「ルールはフレームワークに過ぎない」ということです。お互いが楽しめないのであれば、ルールはその場で変えてしまっても構わないんです。「どうすれば君たちが楽しめるのか、それを基準に広げていっていいよ」が、基本理念です。

── 僕の場合、ゲームではなくてミニチュアの有機的な造形、プラモデルと同じキット状態で売られているのが好きで、たまに買わせていただいています。それでもOKですか?

丹野 はい、ご来店のお客様には「どんな物が気になりましたか?」と必ず聞くようにしています。かっこいいミニチュアを組み立てたい、シタデルカラーに興味がある……など、お客様の求めてらっしゃる要素はさまざまです。ボードゲーム好きの方も、モデラーの方もいらっしゃいます。

大友 間口が広いので、どんな方が何をしたいのか、必ず尋ねています。どなたでも歓迎するし、中に入ってミニチュアなどを手で触ってください……と、フレンドリーに接するのがゲームズワークショップのスタイルなんです。

── いちばん売れているミニチュアは、どれですか?

大友 「スペースマリーンタクティカルスカッド」というセットですね。ミニチュアの出来もさることながら、「ウォーハンマー40,000」世界のキャラクターで人気があります。人類側の代表というか、盾となり矛となり人類を守り続ける存在である……というバックグラウンドがあるんです。ミニチュア1つひとつに、必ずキャラクターとしてのバックグラウンドがあります。その設定の解釈を広げてもいいですし、自分で設定をつくってもかまいません。


── 僕の目からは、「とてもよくできた、不思議なテイストのプラモデル」に見えてしまうのですが……。

丹野 ええ、私もまさしくスケールモデルの延長線上から、この世界に入りました。もちろん、プラモデルとしての出来ばえに驚かされたし、「こんな深い世界があったのか!」と世界観にハマってしまいました。まだまだ、モデラーの方たちにも知られてしかるべきだと思い、いまの仕事に就きました。これらのミニチュアはゲームの駒として触ることが前提なので、細いパーツでも柔軟性があって折れにくい。折れにくいがゆえに、細い造形ができる……というプラスの流れができています。シタデルカラーも、触ることを考慮しているので、塗膜が頑丈なんです。模型として見ても、よいことづくめですね。


── 普通のプラモデルだと、考証どおりに塗るべきだとか、エアブラシできっちり塗装すべきだ等、なんとなくルールができていますよね。

大友 その設定通りに塗りたい方は、それでいいんです。だけど、「僕は赤で塗りたいんだ」というお客様がいらしたら、「どんな赤がいいですか?」と聞くようにしています。その方の好みに応じてお勧めさせていただくので、他の人と同じ完成品にはならないんです。また、シタデルカラーを購入して、他社のプラモデルに塗る方もいらっしゃいます。その場合、「○○を塗りたいのでしたら、この色とこの色を使ってはいかがですか?」と提案できます。モデラーの方は「あっ、別のプラモデルに塗ると言ってもいいんだな」と安心してくださいます。なので、何がしたいのか、どんどん遠慮なくおっしゃってほしいですね。

(そこへ、日本支社長のジェームス・ロング氏が登場)

── ジェームスさんは、どんな仕事をしているのですか?

ジェームス スタッフマネージメントと新店舗の開拓、他のお店に製品を卸すことなどです。

── どういうキッカケで、日本支社長になったのでしょうか?

ジェームス いちばんわかりやすく言うと、奥さんが日本人だから(笑)。8年ぐらい前に、私はアメリカでゲームズワークショップの店舗マネージャーを担当していました。奥さんが「日本に帰りたい」と言うので、「じゃあ、一緒に日本へ帰ろうよ」という流れで、日本支社長になりました。私自身、ゲームズワークショップが大好きで、自分の趣味としてペイントしています。奥さんも、たまに家でミニチュアにペイントしていますよ。

── アメリカのファンに比べて、日本のファンはどう違いますか?

ジェームス アメリカのファンは、とにかくゲームをしたがります。ミニチュアを買うのも、ゲームをプレイするためです。だけど日本のファンは、ミニチュアを1つひとつていねいに作って、きれいに塗る。そこがいちばん大きな違いですね。It is Great!! とてもExcitingですよ。



(取材・文/廣田恵介)

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  • 日本支社長のジェームス・ロングさん

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