「楽しんで喪黒福造を演じたい」春アニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」、喪黒福造役・玄田哲章インタビュー!

2017年03月03日 11:510

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ストレスや大小さまざまな悩みを抱えた現代人。そんな人々の「ココロのスキマ」を埋めてくれる、謎のセールスマン・喪黒福造(もぐろふくぞう)。そんな彼らの紡ぐブラックなストーリーが特徴の「笑ゥせぇるすまん」が、4月よりTVアニメ「笑ゥせぇるすまんNEW」として帰ってくる。



「笑ゥせぇるすまん」は、「怪物くん」「忍者ハットリくん」など世代を超えた人気作を多数生み出した藤子不二雄Aさんによるマンガで、1968年ビッグコミック(小学館)に「黒イせぇるすまん」として登場した後、1989年にはバラエティ番組「ギミア・ぶれいく」内で「笑ゥせぇるすまん」と改題しアニメ化。そのブラックなストーリーと謎のセールスマン・喪黒福造(もぐろふくぞう)の特徴的なキャラクター性で大人から子どもまで人気となった。
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本作で喪黒福造を演じる声優・玄田哲章さんは、2016年4月に逝去された声優・大平透さんから引き継ぐ形で喪黒福造役を演じる。生前・大平さんは「喪黒福造の後任は玄田さんで」と語っていたとのことで、文句なしの大抜擢となる。
そんな太平さんとの縁から実際に演じてみての感想。そして本作の見どころなどを大いに語っていただいた。

 

故・大平透さんとの縁


──最初にオファーが来たときの感想を教えてください。

玄田哲章(以下、玄田) ドッキリだと思いました(笑)。大平透さんとは、僕が「科学忍者隊ガッチャマン」という作品でスタジオに入った時にお会いしたという縁がありまして(※大平さんは南部孝三郎というメインキャラクターを演じていた)、まさか40数年の時を経てこういうことになろうとは、まったく考えてもみませんでした。

──生前、大平さんは喪黒福造役を、玄田さんに引き継いでいただきたいとおっしゃっていたそうですが。

玄田 寝耳に水というか、そんな話が私の知らないところであったということは後で聞きました。大平さんは人物として本当に好きでしたし、見事に演じられた過去のキャラクターも光っているというところを尊敬していました。ただそういうことに(役を引き継ぐことに)なるとは思っていなかったので、光栄に思っています。今回は、やはり声のトーンや独特の笑い声、「ドーン!」というところなど、なるべく大平さんの演技に近づきたいと思っています。

先輩のイメージを守りつつ、新たな「喪黒福造」を演じたい


──喪黒福造にはどういうイメージを持っていましたか?

玄田 近寄ってこられると怖いよね、真っ黒だし(笑)。セールスマンだからスッと懐に入る話術はあるんだけど、いったい何を話しかけてくるのかと構えてしまいます。藤子不二雄ⒶA先生もよくキャラクターを考えたなと思いましたね。

──実際に演じてみた感想は?

玄田 演じるということは罠をしかけたり、自分のほうから能動的にしかけたりするということ。その大変さと快感がありますよね。いち視聴者として見ている時も楽しかったけど、演じることで楽しめる快感もあると思っています。今、僕の中では「喪黒福造を演じるなら、楽しんでやりたい」という気持ちがどんどん湧き上がっています。やっぱりどんなにうまく演じようとも、(大平さんの演じていた)あの雰囲気が消えると視聴者としてはがっかりしちゃうと思うので、今回の「笑ゥせぇるすまんNEW」は、懐かしいテイストと新しいテイストがうまく交差してくれるといいなと思いますね。僕もまだ完成した映像を見てないから不安もあるのですが、楽しくやっていますよ。

──役作りをするうえで気をつけたことは。

玄田 先輩がキャラクターを作り上げ、大きな話題を呼んだ作品ですので、そのイメージを大事にしたいということですね。イメージを壊さないようにしつつ、私なりの演技、自分の味を出したいと思います。

──玄田さんが演じる喪黒福造、ここに注目してほしいというポイントを教えてください。

玄田 毎回出てくる相手に、「約束は守ってくださいね」「守らないと大変なことになりますよ」っていうニュアンスで忠告するところは大事にしていますし、「それみたことか!」という「ドーン!」のところも決め手になると思います。そして、やはり最後の笑い声は何とも言えない余韻を残しながら……というところも気をつけて演じています。僕も、まだ大平さんが残してくれたイメージに助けられながら演じていますけど、もしもっと長くこの役をやっていければ「僕の喪黒福造」が覗けるような気がします。僕がちゃんと喪黒福造になって、生きられるようになれば、そこで初めて「僕のリアクション」が出てくると思うんですよね。だから、これからですね。なんとかそうなれるようにがんばっていきます。

──ちなみに収録スタッフの皆さんとのお仕事はどんな雰囲気ですか?

玄田 レールの上の範囲内ならどんなに自由にやっても構わないけど、ちょっと逸れたら元に戻してくれるって言うんですよ。だから本当に自由にやらせてもらっています。特に何も言わず、やさしいから「これでいいのかな」って思っています(笑)。

 

玄田さんの抱える「ココロのスキマ」とは?


──本作で描かれる、現代ならではの「ココロのスキマ」とはどんなものがありますか?

玄田 「NEW」の世界ではいわゆるブラック企業を軸にしたような、今の時代にあった話題を取り上げたエピソードもありますし、20年、30年前と違った今のことを取り上げるストーリーはいろいろと出てくるんじゃないでしょうか。それはそれで面白いと思うし、王道の、いつも通りの人間の持っているスキマの話もあるので、きっとみなさんを満足させることができると思います。

──本作には働き盛りの世代のキャラクターも多く登場します。同世代の視聴者へのコメントをお願いします。

玄田 40代っていうのは、本当にいい年代ですよね。仕事も遊びも充実できる、人生の中で最高の時期じゃないですか。だから、やっぱり過ちをおかさないようにしていただきたいですね(笑)。人間は完璧じゃありませんし、いたるところに罠がありますから。その罠にかからないように、青春してほしいなと思います。

──何年経っても色あせない本作の魅力はどんなところにあると思われますか?

玄田 おっしゃる通り色あせないですね。また見たいっていう人も多い作品で、「期待してますよ!」みたいに言われることが多いです。そのプレッシャーに潰されそうなくらい、いろんな人から期待されています。でも僕も本作が古いという印象を受けないんだよね。何か不思議な魅力のある作品だし、キャラクターだし。1話があまり長い話でもないから(本作は15分×2本の30分番組)、スッと気軽に見られるんだよね。そこもいいところだと思います。

──ちなみに玄田さんが埋めてもらいたい「ココロのスキマ」はありますか?

玄田 たとえば芸能人は歯が命って言うじゃない。それで喪黒福造も歯が白いじゃない。だから、僕もそんな歯にしてくれたらいいなと思うけど、……そこからどうやって地獄に落とされるんだろうね(笑)。

 

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笑ゥせぇるすまん NEW

笑ゥせぇるすまん NEW

放送日: 2017年4月3日~2017年6月19日   制作会社: シンエイ動画
キャスト: 玄田哲章、江口拓也、阿澄佳奈、関俊彦、斉藤壮馬、宮田幸季、金谷ヒデユキ
(C) 藤子スタジオ/笑ゥせぇるすまんNEW製作委員会

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