「サーキットデビュー! ホットショット解体新書 その2」 アキバ総研編集部

2008年04月15日 13:000

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「サーキットデビュー! ホットショット解体新書 その2」 アキバ総研編集部「アキバ総研編集部」連載コラム第7回(文:アキバ総研担当 文系プログラマー)



2008年3月某日、前回のコラムで組み立て終わったラジコン「ホットショット(HOTSHOT2007)」をサーキットデビューさせるため、千葉県にあるラジコン専用オフロードサーキットにおじゃましてきました。ラ ジコン用のサーキット(特にオフロードサーキット)は郊外にある場合が多く、東京都在住の筆者は必然的にラジコンの日="超"早起きの日となります。朝が 苦手で毎日苦労している筆者ですが、この日だけは目覚めも爽快で・・・、ということには全くならずorz 半分トリップ状態で朝食を胃に流し込みます。ラジコ ンは走らせるために必要な準備が多い(バッテリーの充電、ハンダ付け等)ので事前にしっかり準備しておきましょう。じゃないと筆者のように寝不足で頭クラクラ しながらプロポを握ることになりますよ!

ワンBOXのオーナー♪
今回は総勢4人でミニバン2台(筆者のステップワゴンと友人のエアウェイブ) に分乗して行ったのですが、ラジコン用の機材だけでラゲッジスペースがいっぱいになりました。筆者の感覚では2泊3日のキャンプと同じくらいの荷物量で す。これだけでも子供向けのホビーではないと分かって頂けると思います。ラジコンやってみたいと思ってる方、ワゴン持ってる友人を大切にしてあげて下さ い。エライぜオーナー♪・・・(泣)

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左:広大なスペースを誇るステップワゴンのラゲッジル
ームが、ラジコン用機材だけで満杯に(笑)

右:サーキットに到着!

約2時間のドライブでサーキットへ到着。気持ち良さそうに熟睡していた相棒を起こして早速サーキットの下見へGO!今回は初めて 来たサーキットだったので常連さんっぽい人達に挨拶をしてコースの情報などを仕入れてみます。初めてのコースではこれが大切です。毎回結構緊張しますが サーキットにいる皆さんはフレンドリーな方が多いので勇気を出して声をかけてみましょう。今回も知って得するコースの特性などを色々と教えて頂きました。


みんなの視線を独り占め
200803hotshot5.jpgコースの特徴を教えてもらったり、実際に自分で歩いてみて路面の状況など一通りのチェックを終えたら、いよいよサーキットデビューです。当日 は3月とは思えないほど暖かく、デビューのドキドキ感と春を感じさせる陽気( + 寝不足)でテンションも上がってきます。正直、組みあがったばかりのピカピカのホットショットを泥まみれにするのは少々惜しい気もしますが、泥まみれにしてこそバギーカーと自分を納得させ、いざコースへ!

ホットショットを走らせ始めると、ギャラリーや他車オーナーの視線が集まりだします。その内、コースも貸しきり状態となって、みんなの視線を一人占め。プレッシャーです、変な汗が出てきます・・・。頑張れ、俺!



テスト走行開始
今回は「ジャンプ」、「直線」、「悪路走破性」、「旋回能力」の4項目を中心にテストしてみました。
それでは20年振りに復活したホットショットの華麗なる?走りをご覧下さい。
毎度お馴染みのピンボケですが、本職で無いので許して頂きたい。


・ジャンプ
まずはオフロードの醍醐味「ジャンプ」。

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20年の時をも超えるタイムマシンのような大ジャ~~~ンプ・・・、あ、あれ?

飛行姿勢は比較的安定しているのですが距離が全く伸びません。現役マシンが軽々と飛び超えていくジャンプ台も、「よっこらせ」という感じです。明らかに車 重に対してのモーターパワーが足りない + サスストロークが短めのため、ジャンプというよりちょこっと飛んでドカッと落ちる、というイメージです。昔、少年誌に「飛距離も抜群だ!」みたいなことが 書かれてあったはずなんだけど・・・、おかしいな(^^;。別のマシンだったのか?はたまた筆者の記憶違いか??


・直線
まぁ普通・・・というか、お、遅(汗;
筆 者が小学生の頃、誰もが経験したお約束のシチュエーション(=スピードが早すぎて上手くコントロール出来なくて友達のマシンを壁にぶつけて険悪な雰囲気 に・・・)が嘘のようです(笑)。(まぁ小学生から進歩してなかったらそれも問題だが)。根本的にはモーターのパワー不足なんでしょうが、なんせ初のシャ フトドライブ4WD機構なので駆動ロスも多いのでしょう、きっと。

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直線の伸びは、う~ん・・

・悪路走破性
フロント、リアともモノショック(※) + サスストロークが足りないということに加えてショックアブソーバーの性能もあまり良くないようで、路面の凹凸を吸収しきれていません。ホットショットはどちらかと言うとフラットダートなコースの方が得意そうです。
※前後足回りにショックアブソーバーを1本づつしか持たないサスペンションの仕組み。詳しくは前回コラム参照

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車体が跳ねまくり!

・旋回能力
ほぼ昔の製品状態のままの復刻版なので、当然といえば当然なのですが、ホットショットの決定的な 弱点として昔から言われている、サスペンションの構造上、ダンパーが縮むとタイヤが前を向いていく(簡単に言うとカーブでタイヤが前を向いていってしまう)、という構造的問題も復刻版でしっかり受け継がれていました。なの で当然ドアンダー(ハンドルを切っても曲がらない、ということ)。

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なかなか曲がらない

いや~、みんながガン見する中での操縦はかなりビビリますね。まだまだプレッシャーを楽しめる長嶋さんの境地にはほど遠いようです…。


目指せサーキットの狼
一通り走らせてみての筆者の感想ですが、全体的に21世紀現代のマシンと比べると、どうしても走りに「重さ」を感じます。自重の重さ、モーターのパワー不足、タイヤのグリップの悪さなどが色々な要因があると思いますが、今日の結果から筆者が思うに

・各軸受部分をフルベアリング化する。
・モーターを(気持ち)パワーのあるものに変える(パワーがあり過ぎてもダメ)。
・タイヤをグリップ力の高いタイプへ交換。
・アンダーステア対策にフロントの足回りに手を入れる(要加工)。

などを行うと、結構走りが変わりそうです(あくまでも筆者の感想です)。

た だスピードが「遅い=扱いやすい」ということでもあるので、初心者の方は練習用マシンとしてノーマル状態でじっくり走らせてみても良いかもしれま せん。操縦に慣れてきてから自分流にマシンをチューンアップ(改造) していって下さい。そうすることでさらにマシンが扱いやすくなり自分のマシンに愛着が 沸いてきますよ。チューンの方法は車体の弱点を補う実戦的なものから外見重視のカスタムカーなど何でもOKです。自分流のセンスでマシンをチューンアップ をしていくこともラジコンの楽しみ方の一つです。ここら辺は実車の楽しみ方と全く同じですね。ぜひ皆さ んのアイデアを満載したオリジナルチューンマシンでサーキットのギャラリーを沸かせてみて下さい(笑)。

(余談ですが、ホットショット発売から1年後、4輪独立サスペンションやハイパワーモーター等を装備したフルオプション仕様車「スーパーショット」が発売され ました。ホットショットの弱点をカバーし、かつ見た目もとてもカッコ良い車だったのですが、キット単体で¥29800!と値段もかなり「スーパー」で余り売れなかったそうです。)

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筆者が保管していたスーパーショットのカタログ。「勝利の条件をフル装備」されても\29800は無理!(笑)

総評
なんか結果だけみてるとクソミソマシンみたいなことになってしまいましたが、しか~し、復刻マシンの楽しみ方はそんな「直線の伸びがどうした」とか「ステアリングの切れがどうの」とかではない!!(「じゃあ今回のコラムは何々だよ」というツッコミは置いといて・・・)。 復刻版マシンにはそれぞれの「味」があり、レースの順位やタイムを競うだけではない、走らせる「楽しさ」やオーナーとしての「悦び」を誰にでも感じさせて くれます。そもそも20年以上前のマシンに性能うんぬんを語る方がナンセンスですよね。昔お父さんにねだったけど「高い!」と一刀両断されて買ってもらえ なくて、お金持ち坊ちゃんの友人が得意気に走らすホットショットを指をくわえて見ていた元少年(少女)のそこの君!絶対「買い」です。もちろん今回のコラ ムで興味を持ってくれた方も「買い」ですよ(笑)。


最後になりますが、特にホビーの世界において 性能追求一辺倒の結果がユーザー離れと市場の低迷を引き起こしていくことは歴史の常です。「いかに早く走らせるか」のみを追求したマシンだけが増えてい き、新規ユーザーが入りづらい雰囲気を作りだすと、近いうちに再びユーザー離れが起きマーケットが縮小していくことでしょう。テレビゲームの世界で例える と、複雑高度で一部マニアにしか楽しめないゲームの氾濫によって離れていったゲームファンが、誰にでも楽しめるWiiの登場によって再びゲームの楽しさに気づいたように、誰でも気軽に楽しめる、走らせて楽しい復刻版ラジコンシリーズは子供から大人までどん な世代にもアピールできるラジコン界のWiiになれる可能性を持ったマシンであると思います。

200803hotshot18.jpgぜひタミヤ以外のメーカーさんも「楽しさ」を追求したマシンを増やして、ラジコン界を盛り上げていってもらいたいものです。昔思い入れのある方も、最近ラジコンを知った方もぜひこれを機会にラジコンの世界を楽しんでみて下さい!それではまた!!

ps.「スーパーショット」も復活させてね、タミヤさん。



P1000027.jpg■筆者紹介(アキバ総研担当者より)

名前:文系プログラマー 

オフェンスに定評のあるアキバ総研のシステム担当。プログラムよりもハッスルやラジコンに夢中な3○歳。


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