サンライズメカ×美少女「サン娘」はどのように誕生したのか? プロデューサー&著者へ直撃インタビュー!

2017年02月22日 12:000

「レイズナー」「ザンボット3」「ガンダムSEED DESTINY」──
登場作品を選んだ理由と今後について


──登場作品として「無敵超人ザンボット3」「蒼き流星SPTレイズナー」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の3作品を選んだ理由を教えてください。


池谷 なるべく各年代から登場させたかったのと、あと“リアルロボット”と“スーパーロボット”のバランスを取りたいという理由から、まずはこの3作品を選びました。「ザンボット3」が1970年代、「レイズナー」が1980年代、「ガンダムSEED DESTINY」が2000年代ですね。

1985年に放送された「蒼き流星SPTレイズナー」


私は1980年代の作品がストライクな世代でもあるので、主役はぜひこの年代からと思っていました。その中でも「レイズナー」が好きだったし、主役というのも新鮮なんじゃないかな、と思って選びました。

「無敵超人ザンボット3」。1977年放送。サンライズ(当時は日本サンライズ)にとってのオリジナルアニメ第1作目だった


「ザンボット3」は今年(2017年)40周年を迎える作品ということもありますし、サンライズの歴史のなかでもすごく象徴的な作品でもありますから、スーパーロボットを登場させるならまずはザンボット3だろうという思いがありました。

2004年放送の「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」。2002年に放送された「機動戦士ガンダムSEED」の続編にあたる



「ガンダムSEED」に関しては、今の若い方だと最初に観たガンダム作品が「ガンダムSEED」という方がとても多いですから、「サン娘」にガンダム系の作品を登場させるのであればまずは「ガンダムSEED」だろうと。


金田一 僕が参加した段階ではすでに登場作品は決まっていましたけど、プロデューサーの作品愛を強く感じましたね。特に「レイズナー」(笑)。実際「レイズナー」に関してはいまだに熱心なファンが多い作品ですし、「ザンボット3」も古い作品ではあるものの、「スーパーロボット大戦」シリーズでよく登場することもあって、作品を観たことがなくても必殺技とスタイルは知っているという方が多い。「ガンダムSEED」は2000年代の作品ということで、若いターゲット層も楽しめる。そのあたりを考えると、とてもいいバランスですよね。


池谷 キャラクターの性格設定や作品の世界観については金田一さんにお任せしている部分ではあるのですが、そうやって選んだ作品の、メカだけではない、雰囲気まで含めた特徴をうまく各キャラクターに盛り込んでもらえているのですごく助かっています。
たとえば主人公のまあちですけど、「レイズナー」はSPTが軽快な動きをする特徴的な作画になっているんですが、そのイメージがまあちのキャラクター性の一部に取り込まれていると思うんです。そういった部分をキチンと描いてもらえるのはすごくありがたいですね。

──ところで、「ガンダムSEED DESTINY」からはインパルスガンダムがサン娘として登場したわけですが……。なぜインパルスガンダムを選ばれたのでしょうか? 

池谷 単純に僕がインパルスガンダムが好きというのもあります。インパルスガンダムは見た目はシンプルなんですけど、その中できちんと違いが出ているすごくいいデザインですから。

九鳳胤栞。Dアームは「ガンダムSEED DESTINY」物語前半でシン・アスカが搭乗したインパルスガンダムをモチーフとしたデザインになっている。原作同様シルエットシステムを生かして戦う


──今後の展開や登場作品についておうかがいしてもよろしいでしょうか?


池谷 現在第一章がクライマックスですが、次の章でももちろん新しいサン娘が登場します。その子の題材は1980年代リアルロボット作品ですね。一応、あともうひとり、90年代作品のサン娘はすでに登場が決まっていますね。そちらは第一章でちらりと登場するかな……。


金田一 一応、ストーリーについてはすでに結末まで考えていますが、そこまでどのようにお話を展開させていくかは、まだまだこれから詰めていく段階ですね。

──では、これからいろいろなサン娘が登場する余地もある……ということですよね。ちなみに、ぜひ登場させたい作品は何がありますか?


金田一 そうですね。「機動戦士Vガンダム」か「伝説巨神イデオン」が登場するといいですね。どちらも登場するととんでもないことになりそうですけれど(笑)。あとは「魔神英雄伝ワタル」の龍神丸とかも面白いんじゃないでしょうか。


池谷 私は「新世紀GPXサイバーフォーミュラ」のアスラーダとか、「無限のリヴァイアス」の「黒のリヴァイアス」といった方向性はどうかなと思っています。サンライズロボットというか、より広い意味でのメカになりますけど。

──それは、もし登場するとなったらどのようにデザインされるのか非常に気になります(笑)。今後は登場作品を予想するなんていうのも楽しみのひとつになりそうですね。

金田一 この作品って、サン娘たちとは別にちゃんと元ネタとなった作品が同じ世界に存在していて、レンタルショップなんかにいけばちゃんとそれらの作品のDVDなんかがおいてあるんです。つまり、この世界にもちゃんとそれぞれの作品の作り手の方たちが存在しているということですから、そういった方たちが自分の担当した作品のサン娘と会う、なんていう展開もありえるかもしれませんよね。ぜひそういう外伝とかやってみたいですけど(笑)。


池谷 それは大変そうだなぁ(笑)。

──それでは最後に読者の方へひとことお願いします。


池谷 今後も新しいサン娘が追加されますし、新しいモードなんかも追加されていきます。ぜひそういう部分を楽しんでいただきたいのと、あとは女の子たちの会話も気軽に楽しんでもらえるものになっていますので、ぜひ多くの方にご覧いただければと思いますね。


金田一 現在の連載分までですと、少々シリアスなお話が続いていますが、キャラクターが増えてくるにつれてワイワイガヤガヤとにぎやかな部分も増えていきます。もちろん熱いバトルもありますので、日常の楽しさと熱いバトル、両方を期待していただければと思います。ぜひ楽しみにしてほしいですね。

──本日はありがとうございました。

 

「サン娘 ~Girl's Battle Bootlog 」


・著者:金田一秋良

・イラスト:射尾卓弥
・作品ページ:http://www.yatate.net/sunmusu/sunmusu-main.html
・第1回:http://www.yatate.net/sunmusu/sunmusu01.html


〈あらすじ〉
七星まあち、16歳、高校一年生。夢は『みんな楽しく学園生活を送ること』という、どこまでも前向きな女の子。
私立聖陽女子学園の入学式の朝、まあちは校内の桜並木の下でレイという少女と出会う。このどこか浮世離れした銀髪の少女はまあちにこう問いかける。
「あなたの夢は何?」
この出会いがまあちの学園生活に不思議な彩りを加えることになった。
「SUN-DRIVE」という見覚えのないアプリ。
「nフィールド」という奇妙な空間。
「フラクチャー」という得体のしれない物体。
そして、「サン娘(むす)」というたくさんの仲間たちとの出会い。
サンライズロボットの力を得た彼女たちの戦いが始まる──


(c)サンライズ
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放送日: 1985年10月3日~1986年6月26日   制作会社: サンライズ
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