いかさんがともに歩んできた新旧ボカロ曲を収録!
──収録曲をみると、最近の人気ボカロ曲が収録されるいっぽう、「*ハロープラネット。」のようなちょっと懐かしいボカロ曲も収録されていますね。どのようなコンセプトで選曲したのでしょうか?
いかさん 今回のアルバムは、自分が20歳に出す1枚としてターニングポイントになると思っていて、まず今までの自分の活動を振り返ってみようと思ったんです。今までの音楽活動って、もちろん現実というのはわかっているんですが、どこか夢のようだとも思っていて、それをみなさんにも体感してもらいたかったんです。それで「タイムトラベル」というタイトル通り、これまで自分とともに歩んできた「ニコニコ動画」の曲を皆に伝えたいという一心で、いろんな時代の曲を詰め込みました。
──自分の歴史を振り返ってみて、発見はありましたか?
いかさん 改めてボカロ曲は偉大だなと思いました。作家さんがみんな個性的で、全体として「素敵な世界、かつ楽しい」という印象を改めて受けましたね。その中でも、特に「*ハロープラネット。」をアルバムに入れられたのは個人的にもうれしかったです。ほかにも自分の活動を振り返ったアルバムということで、今回のアルバムには、いかさん曲はもちろん、たこさん曲、いくらさん曲、いかさん&たこさんの1人2役曲、そして1人8役曲を詰め込んでいます。
──1人8役! どの曲をどのキャラクターで歌うかは、どのように決めているのでしょうか。
いかさん やはりどの声だとその曲が映えるか、を考えて決めています。たとえば「*ハロープラネット。」はかわいらしい印象がある曲なので「たこさん」が歌ったり、「エイリアンエイリアン」は元気なイメージなので「いくらさん」が歌ったりと、けっこうざっくりな感じではあるんですが、その曲の一番いいところを引き出せる声を、と考えています。
「時間」をテーマに大好きなクリエイターに書き下ろしてもらった新曲
──今回、4曲の書き下ろし曲が収録されますが、どんな楽曲ですか?
いかさん 書き下ろし曲は「時間」をテーマに、いろいろな曲を書いていただきました。各曲ともキーワードがあって、ワンダフル☆オポチュニティ!のマイナスPさんの曲のキーワードは「夢現∞タイムトラベル」です。ワンオポさんには、1枚目、2枚目ともに表題曲を書いてくださっているので、今回も外せませんでした。みきとPさんの曲は、ざっくりとしたイメージが「黄昏時」です。前から「黄昏時」というテーマの曲を入れたかったので、満を持しての収録となりました。ぷす君の曲は、自分がぷす君のバラードが好きということもあり、「100年の恋」という時間的にスケールの大きなキーワードで、バラードを書いてもらいました。そして164さんには冬の曲を書いていただきました。これがめちゃめちゃいい曲なんです。個人的に大好きです(笑)。今回、「アサガオの散る頃に」や「幽霊屋敷の首吊り少女」など、夏を彷彿させる曲はあるのに冬の曲がないので、ちょっとバランスをとりたいというのがあって、「冬の曲をお願いします!」とお願いしました。テーマを考えたときに、冬のアップテンポな曲なら「絶対に164さんだ」と思ったんです。ずっと昔からボカロ曲に浸ってきた自分としては、大好きなクリエイターの皆さんに書いていただきたいと考えた結果、この人選に落ち着きました。
──そして、本作のリリースイベントは多数開催される予定ですが、「ささやき会」なるイベントも開催されるとか……。
いかさん 実際に皆さんの耳元でささやきます。ほかにこういうイベントをやっているという話は聞かないので、これはもう自分が先駆者になるしかないなと。だって声優さんのささやき会とかあったら、自分も行きたいですから(笑)。
──ささやいてもらえる言葉は、こちらからリクエストできるんですか?
いかさん もちろんです! メガホンを反対にして、音が収束するようにささやきます。
──これも挑戦といえば挑戦ですね(笑)。
いかさん 2017年も挑戦していきます! ちなみにこのささやき会は、いろんな声で対応いたします。前回やったときは「いかさんorたこさん」「言ってもらいたい言葉を20文字で」という紙を事前に配って対応したんですが、それでも時々無茶ぶりをする人がいるんですよね。中二病な台詞をお願いされたり、「いかさん」「たこさん」って書いてあるのに、二重線を引いて「いくらさん」と書いて出してくる人もいたり……。でも可能な限りお気持ちに応えていきたいと思います。
──サービス精神旺盛ですね。
いかさん それが自分のいいところだと思っていますので(笑)。