年末恒例!?　テクノボーイズ、1年間のお仕事、総ざらい　2016バージョン!!

オーソドックスな劇伴になった、「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」

──「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!」の劇伴も、同時期なのではないでしょうか？

フジムラ　そうですね。

松井　どの作品にも越えなければいけないハードルがあるんですけど、「プリズマ☆イリくヤ ドライ!!」は、それまで加藤達也さんがやっていた劇伴を僕らが引き継ぐことになったというのがありました。

石川　前の劇伴は聴くな、と制作サイドからは言われて。

松井　アニメのスタッフも「プリズマ☆イリヤ ドライ!!」になって変わったし、それまでのシリーズとは違うものを作りたいから、僕らに頼んだということだったので。でも、サウンド的にはテクノ中心というわけではなかったよね。

石川　劇伴としては、オーソドックス。

松井　この作品はトヲルが活躍していたイメージがある。

フジムラ　並行世界のテーマ曲みたいな、今まで担当したことがなかったタイプの曲を作ったりしました。使われる場面がわかっていたので、どうやったら印象に残るかなと、すごく考えました。

松井　僕は、1曲、加藤さんの曲をアレンジしてほしいという話があって。加藤さんのメロディを大事にしながら、テクノボーイズらしさを出すために、石川風にやってみたんですよね。それを本人に渡したら、「よかった。でもパクるな」と（笑）。自分の中で石川メソッドが確立した瞬間でした。

石川　パクられた腹いせに、彼（松井）が弾いたたどたどしいピアノを差し替えずに、そのまま残してやりました（笑）。


──TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND feat. 幸田夢波で、エンディングテーマ「WHIMSICAL WAYWARD WISH」も制作されています。

松井　石川が、今までと違うアプローチにしようということで、コーラスを厚めに作って、最初はコーラス担当の人を呼んで幸田さんとのいいミスマッチ感を打ち出そうかなと思ったんですけど、結局、幸田さんが全部歌ってくれました。

フジムラ　コーラスは量が多いから、レコーディングは時間がかかって。幸田さん、がんばってたよね。主旋も難しいのに、すごく練習してきてくれて。

松井　今までの幸田さんのイメージとは違う曲だけど、すごくハマってくれたと思います。

フジムラ　途中から、オンエアでは2番が使われたんですよね。

松井　そうそう。ストーリーに沿って歌詞を書いた意図が伝わって、うれしかったですね。

──他に、Chouchoさんが歌った第9話のみのエンディングテーマ「cuddle」もありました。

フジムラ　これはテクノボーイズではなく、作詞・松井洋平、作編曲・石川智久の2人でやることが大事でした。

松井　第1期第9話の特別エンディングテーマ「kagami」を、同じ座組で作っているんですけど、そのイントロのメロディを新曲に使ってほしいという要請があったんです。


石川　元々イントロのメロディなので、歌うことを想定しないで作ってますから、それをBメロに入れこむのは難しかったんですよね。

石川　初めてかな、歌モノに1週間も時間がかかったのは。

松井　映像もめちゃめちゃがんばっていただいて、とても美しいエンディングになっていました。