ハリウッド監督が作ったミニシアター映画「ストーンウォール」日本語吹替版で、主演を演じた声優・梶裕貴の思い
この作品を入り口に吹替や映画にも興味を持って
──LGBTといわれる性的マイノリティの人たちが初めて声をあげた、“ストーンウォール事件”。自身もゲイであることをカミングアウトしている、ローランド・エメリッヒ監督が撮ったヒューマンドラマというところも注目ですね。
梶 この事件が起きるまで性的マイノリティの人たちは、アメリカ社会でも弱い立場として虐げられていたと、僕もこの映画を見て初めて知りました。1969年に起きたこの“ストーンウォール事件”をきっかけに、少しずつ状況は前進してきた。ダニーのような人たちが勇気ある行動を起こしたからこそ、今はそれぞれの人間が、あるべき姿で生きられる世の中になっているのかなと逆説的に思いましたし、それでもまだ性的マイノリティの人たちは、社会の中に壁を感じられているのだろうなとも思います。
──ちなみに梶さんは普段、映画館でどんな映画を見ていますか?
梶 「ストーンウォール」をきっかけに、吹き替えの映画を見る機会も増えましたが、最近は基本的に邦画を見ることの方が多いかもしれません。日本人の映像の役者さんがどんなお芝居をされているのかを学びたいですし、声の芝居にフィードバックできるところもありますから。
──ということは役者さんに注目して邦画を見ているんですね。
梶 正直そうなっちゃいますね。もちろん作品も楽しむんですけど、それ以上に役者さんに重点を置いて作品を選んでいます。たとえば、池松壮亮さんや染谷将太さん、菅田将暉さん。自分と同世代では山田孝之さんや小栗旬さんなどが出演されている作品は、見る機会が多いです。強いエネルギーを感じます。その人にしかできないようなお芝居をされている方を見ると刺激を受けますし、同時に自分もそんな役者でありたいなとも思いますね。吹き替えも見ますが、どうしても仕事のことを考えてしまうので…、結局は何でも仕事につながってしまいますね(笑)。
──最後に、「ストーンウォール」に興味を持ってくれた方に、見どころを教えてください。
梶 僕はアニメの声をやらせていただく機会が多い役者ではありますが、「ストーンウォール」を入り口に、作品の時代背景はもちろん、吹替や映画というもの自体にも興味を持っていただけたらと思っています。僕も初日の舞台挨拶で新宿シネマカリテさんに行くのが楽しみですし、これを機に「ミニシアターに初めて行く」という方も増えてくれるとうれしいですね。本作が、見る方の世界を広げてくれるような作品になってくれたらいいなと思います。
映画「ストーンウォール」
(c) 2015 STONEWALL USA PRODUCTIONS, LLC画像一覧
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