声だけで作り上げた、白の世界──悠木碧3rdプチアルバム「トコワカノクニ」

2016年12月13日 12:000

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2012年の1stミニアルバム「プティパ」から始まり、独特の音楽世界を築き上げている声優・悠木碧。待望の新作が、ついにリリースされる。それが、3rdプチアルバム「トコワカノクニ」。楽器は一切使わず、みずからの声だけで音楽を作り上げた作品だ。全6曲という、言葉通りの“小さなアルバム”ながら、その内容は実に濃密。アルバムを貫く不思議な世界観と、凝りに凝ったレコーディングについて、語ってもらった!


ジャケット写真の私は、白のキメラです


──3rdプチアルバム「トコワカノクニ」は、我が道を行くアーティスト・悠木碧ならではの作品だと感じました。

悠木 声だけで音楽を作るというのは、ずっとやりたかったことなんです。アーティストと言いましても、本職は声優なので、声の表現を最大限に生かしたものを作りたくて。それに、人の耳に一番よく聞こえる音は、やはり人の声らしいんですね。だったら、声を楽器として使わない手はない! って思いました。

──それにしても、収録曲すべてを声だけ、というのはすごいです。

悠木 作曲家さんに、「声だけの曲を作りたいんです」とお伝えすると、それぞれに解釈が違って、重ねる声の量も変わってくるんです。作曲家さんの個性による世界観の広がりが面白いなと思って、シングルよりも多くの方とご一緒できるプチアルバムになりました。もうちょっと曲数を増やしてもいいのかなとも思ったんですが、声ってすごくパワーがあるものなので、曲数が多いと、聴いてくださる方々を疲れさせてしまうんじゃないかという懸念があって。

──それで6曲という曲数に落ち着いたんですね。

悠木 6曲ですが、聴き応えはフルアルバムに匹敵すると思います。5.1chの再生環境をお持ちの方は、ぜひ、初回限定盤のDVDに入っている5.1ch音源を聴いていただきたいんです。私の声がいくつも重なった、その厚みが、本当に近くで歌っているように体感できるので。私もスタジオで聴かせていただいたんですが、単純な言い方をしてしまうと、とにかくすごかったです(笑)。

──5.1ch音源、おすすめですね。でも、CDで聴いても、迫力は十分に伝わってくると思います。

悠木 実はCDの音源も、5.1chで再生したものをダミーヘッドマイクで再録音して、音が回り込んだり、近づいてささやいたりする5.1chの雰囲気に近づける工夫がされているんです。人の声って情報量が多いので、特に感動的なストーリーになっているわけでも、悲しいことを歌っているわけでもないのに、なぜか泣けてきて。圧倒されるというか、景色が見えるというか、すごいアルバムになったなと思っております。

──今、ストーリーとおっしゃいましたが、6曲を通して一貫した物語があるのでしょうか?

悠木 どの曲にも女の子と白のキメラが出てくるんです。1stシングルの「ビジュメニア」は、白いものばかりを収集する女の子の曲だったんですが、その子が別の世界に入りこんで、白のキメラと出会うというのが、「トコワカノクニ」です。実はジャケット写真で私が扮しているのが、白のキメラなんです。

──白のキメラとは、どんな存在なのでしょうか?

悠木 もともとはどこかの国の王子で、少しずつキメラ化が進んでいっているという設定です。人間的な感情もそれにつれて失っていって、動物に近い存在になっていって。でも、「ビジュメニア」の女の子にとっては、唯一の話し相手であって、キメラにとっても女の子は自分を一番かわいがってくれるのでラブラブであると。カップルなんです。

──ジャケット写真は、初回限定盤と通常盤で髪の色が違いますよね。通常盤はいつも通りの黒髪ですが、初回限定盤では、白のウィッグをかぶっています。

悠木 白のウィッグのほうは、キメラ化がより進行しているんです。「ビジュメニア」の女の子と出会ったのは、この状態になってからですね。女の子は白いもの以外は美しいと思えなくて、白いものだけを探求していたら、この世界に入りこみ、白い森で白いキメラとなった王子に出会うというのが、アルバム全体のストーリーになっています。でも、1曲目から時間軸に沿って出来事を追っているのではなく、世界観を構成するパーツを各曲ごとに表現しているという感じですね。

──「トコワカノクニ」というタイトルの意味を教えていただけますか?

悠木 端的に言って、かわいい音感だから、という理由だけで付けました。妖精の世界を表す、いい言葉はないかなと探している時に、「ティル・ナ・ノーグ」(ケルト神話に出てくる妖精の国)という言葉に行き当たったんです。それを日本語にしたのが「常若(とこわか)の国」で、音感が気に入って「それにしたいです!」と。

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