ホビー業界インサイド第17回:羊毛フェルトで作る“異素材”美少女フィギュアの魅力 土方クロネ・インタビュー

2016年11月12日 12:000

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“色っぽさ”、“セクシーさ”の必要


──土方さんの人形はイベントで販売しているそうですが、やはり女性が多いのですか?

土方 それが、男女半々ぐらいなんです。手芸コーナーにある材料で作っているので、女性が興味を持つかと思っていたので、男性で買われていく方がいらっしゃるのは、ちょっと意外でした。

──やはり、作品に色気があるからではないでしょうか?

土方 それは、意識して作っています。ただかわいいだけではありふれているけれど、女性の美しさ、魅力は身体の曲線です。骨盤も男性より自由に動くし、そのやわらかさを表現しようとすると色気が入ってくるし、自分でもセクシーさのある作品を作りたい。色っぽく作ろうとすると、ポーズに動きも出ますからね。

──土方さんならではの独自性は、どこから生じていると思いますか?

土方 独自性ですか……難しいですね。「こうしよう」と何かを強く意識して作ったわけではなく、いまの作風に流れ着いてしまった感じなんです。ただ、前作より良いものにしようと思って作っているのは、確かですね。お客さんから「もっと艶っぽく作ってよ」と言われてまつ毛を付けるようにしたり、「天使の羽根がついている人形を作ってよ」だとか、周囲からのリクエストもあります。ゲームやアニメが好きなので、今後も、そういうテイストのキャラクターを作っていきたいと思っています。動物のフェルト人形を作らなかったのは、趣味がそっち方面だったからでしょうね。


──ゲームやアニメのキャラクターが、かなりお好きなようですね。

土方 特に、女の子のキャラクターが大好きです。ゲームをするときも、女の子キャラしか選びません(笑)。とにかく自分が羊毛フェルトで作りたいのが、美少女っぽい、キャラクターっぽいかわいい人形だったので、それに尽きます。

──羊毛フェルトで美少女フィギュアを作る人は、ほかにほとんどいないと思うのですが、そのあたりはどう思ってらっしゃいますか?

土方 たとえばイラストなどで、絵を見ただけで「あっ、あの人の作品だ」とわかる場合があるじゃないですか。同じように、顔の作り方やデザインの雰囲気で「これ、クロネさんの作品だよね」とわかってもらえるテイストに、ようやくたどり着いてきたように感じています。本格的に人体を作っている人から見たら、「片方の脚だけ長すぎるんじゃないか」とか、おかしいところはいっぱいあるでしょう。「人体としてはおかしいんだけど、人形としては変じゃない」というレベルまで、やっと来られた気がしています。


(取材・文/廣田恵介)

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