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「モノクロ」は、歌詞にちょいちょい出てくる、心の闇が好きなんです(笑)
──収録された2曲は、いつ頃レコーディングされたのですか? 戸松 「Two of us」はゲームの曲なので、制作はかなり早く、今年の春先でした。なので、「Two of us」ありきで、もう1曲を決めていったんです。私はロックが歌いたいなと思っていたので、スタッフさんから、候補曲として「モノクロ」が上がってきた時は、うれしかったですね。レコーディングしたのはツアー中で、かなりタイトなスケジュールでした。
──「モノクロ」を最初に聴いた時の印象は? 戸松 ここまでゴリゴリなロックを歌うのは初めてなんじゃないかなと。それに、歌詞がかっこよくて、好きになりました。今まで私が歌ってきたアップテンポの曲は、希望に満ちあふれているものばかりなんですけど、「モノクロ」は、ネガティブとは言いませんが、希望ばかりじゃないんですよね。歌詞の中に、ちょいちょい「心の闇」みたいな部分が含まれていて、それがすごくいいなと思って(笑)。大人になればなるほど、歌詞が心に刺さる気がします。
──たしかに、大人の苦味を感じさせる歌詞ですよね。 戸松 未来イコール、キラキラした希望、というだけじゃない、モヤモヤした、つかみどころのない気持ちがあって。明日はどうなるかわからないけど、立ち止まるわけにはいかないから進むという、経験を踏まえた感じが好きですね。飲み物にたとえるならブラックコーヒーで、カフェオレじゃないんです(笑)。大人ならではの心の叫びを表現できたらいいなと思いながら、歌いました。
──「モノクロ」というワードは、歌詞の中には入ってないんですよね。 戸松 全部がそうというわけじゃないんですけど、私の曲のタイトルは、基本的に歌詞の中に出てくる単語を拾わないようにしているんです。「モノクロ」の場合は、レコーディング現場で決めました。歌入れが終わった後で、ディレクターさんが、みんなを集めて、「ひとり1個ずつタイトル案を出して」と。その時に私が「モノクロ」と言って、それが全員一致で採用されました。
──戸松さんが名づけたんですね。なぜ、「モノクロ」だったのでしょう? 戸松 歌っている時は、頭の中に景色を思い浮かべることが多いんですけど、この時は色のない景色だったんです。それに、シンプルな、ひと言でポンと表すタイトルにしたいなと思って。この曲の、つかみどころのない、モヤっとした感情を、「モノクロ」という言葉が一番よく表してくれるんじゃないかなと思いました。
──歌っている時の感覚そのままの言葉だったということですね。つかみどころがないとおっしゃいましたが、ボーカルは、とても力強いものになっていました。 戸松 今までで一番力強いボーカルになったかもしれないです。ツアー中ということで、ソロモードがフル稼動していて、ウォーミングアップ完了という感覚があって。曲のリズムやノリ方を体にしみこませたら、後は勢いで歌いました。きれいに歌うことは考えずに、声がかすれていても、それがむしろ味になるということで、最初から最後まで通して何度も歌って。ライブのような臨場感のあるボーカルになったと思います。
──今、ソロモードとおっしゃいましたが、スフィアとソロとでは、感覚はかなり違うのでしょうか? 戸松 ソロの時は自分をどう見せるのかを考えるんですけど、スフィアは全員をどう見せるかを考えるので、そこの違いが一番大きいかもしれないですね。4人でひとつみたいな考え方なので。今はソロ、今はスフィアと、スイッチが切り替わる感じです。特に今回は、ツアーが終わってのソロ活動再スタートなので、新たな自分を見せたいという気持ちが大きかったです。
──それがロックサウンドに乗って飛び出したのが、「モノクロ」なんですね。 戸松 今まで歌ってきたロックとは世界観も歌い方も感情の入れ方も全然違って。新たな一歩だし、8年間歌ってきた経験があったからこそ、歌えた曲だと思います。私も、こんなにパンチの効いた、苦味のある曲を、等身大の気持ちで歌えるようになったんだなと、感慨深かったです。
──初回生産限定盤のDVDには、「モノクロ」のMusic Clipが収録されています。どんな映像になりましたか?
戸松 ほぼゼロというくらい、笑顔がないMVになりました(笑)。今までのMVでは、明るい表情を作ってきたんですけど、今回は険しい顔が圧倒的に多いんです。未来への光を探し求めて苦悩する白の戸松遥と、それに光を照らして未来に導く、キリッとした黒の戸松遥が出てきて、対照的な2人を演じ分けるのが楽しかったですね。監督さんをはじめ、18歳の頃からずっとお世話になっている映像のスタッフさんたちが、「戸松っちゃんも、こんな表情ができるようになったんだね」っておっしゃってくれました。今までにない戸松遥を、映像でも感じていただけたらうれしいです。