「ゼーガペインADP」、下田正美監督インタビュー【予習編】

2016年10月14日 18:000

インタビュー

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とにかく、「1回目は頭をカラッポにして」見るべし！

──「ゼーガペインADP」は、とりあえず、この1本で完結はしていますよね？

下田　そうですが、「ADP」を見たあと興味をもってくれたら、テレビシリーズも見てほしいです。それが本来の企画意図ですから。さらに「ADP」から、また別のルートへ進むかも知れない。自由に、イメージを広げられる作品になっていると思います。

──いろいろな要素が入りすぎて、お皿から料理がこぼれている作品ですね。

下田　すみません、「中華なら中華、和食なら和食、どれかにしろよ」って、やりすぎバイキング状態ですよね（笑）。だけど、その過剰さは、僕らスタッフのサービス精神のあらわれなんです。映画的な余白というか、ゆったり感、ダレ場が必要だとわかってはいるのですが、「ゼーガペイン」の世界の“ありとあらゆるもの”を、全部とり入れたかった。

──その欲求が、下田監督の作家性だと思うんです。

下田　僕は作家性なんて意識せず、10年前に脚本家の皆さんが書いてくれたセリフを拝借して、どう配置するのか、スタッフの皆さんの描いてくれた原画やCGをどう組み合わせたら面白くなるのか、ワクワクしながら組み立てました。10年目にして、そんな贅沢な機会を与えられたので、思いきり遊ばせてもらったんです。ですから、皆さんも楽しく遊んでください……という気持ちです。

──「ゼーガペインADP」を見るにあたって、注意するポイントはありますか？

下田　少しだけ情報量が多いので、まず、1回目は頭をカラッポにして見てください。テレビシリーズを見ていた人たちなら、リセットは得意なのでは？　もし2回目を見る機会があれば、それぞれのキャラクターに視点をフォーカスして見てみてください。たとえばキョウだけに注目すると、彼が何を考え、周囲のキャラクターたちがどう動いているのか、よくわかると思います。欲をいえば、3回目にトライしてほしい。3回目を見れば、さらに内容が体に入ってくるでしょう。そんな面倒で奇妙なパズルを作ってしまって、すみません（笑）。僕自身、「ゼーガペイン」のファンのひとりです。だからこそ10年も応援してくれた仲間……セレブラントたちに、単なる総集編じゃ申し訳ないわけです。10年も待たせたのだから、これぐらい見せなきゃ！　俺も見たかったんだよ！　そういう作品をつくったつもりです。