ホビー業界インサイド第15回:株式会社アイジェットに聞く、3Dプリントサービスとの“賢いつきあい方”

2016年09月24日 12:000

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フルカラープリント、個人にとってのメリットは?


──アイジェットさんのフルカラー樹脂プリントは、樹脂製である点が強みだそうですね。

久米原 はい、従来の石膏製のものより丈夫です。“靱性(じんせい)”というのですが、少し弾性があるので、壊れにくい。色もシャープに出ますし、表面もなめらかです。だけど、3Dプリントは体積で値段が決まるので、サイズが大きいと、どうしても高価になってしまいます。だいたい、フルカラー石膏の5倍ぐらいの値段です。ですから、フルカラー樹脂でプリントされる場合は、なるべく小さなサイズのものをオススメしています。

──自分がモデリングしたフィギュアを、そのままフルカラー樹脂で出力して販売できれば、個人のフィギュア作家にはベストな気がするのですが?

久米原 それが理想でしょう。1個だけ出力すると、小さくても1万8千円ぐらいしてしまいます。しかし、30個発注すれば、1個4,800円ぐらいで出力できます。それでも、30個売ろうと思ったら、まず15万円ぐらい費用がかかってしまい、なかなかハードルが高いじゃないですか。ですから、3Dプリントでフィギュアを出力したい人たちが乗り合いのような状態で発注し、ひとり5万円ぐらいの負担ですむようなプラットフォームづくりを、いま考えています。 というのは、金型でしたら、まったく同じフィギュアを30個生産しないといけませんよね? 3Dプリントの場合、30種類の違うフィギュアを30個出力してもいいわけです。大量生産には向かないけれど、30個なら30個だけ作る“適量生産”に向いています。金型だと、最低でも数千個は生産しないと意味がないわけです。ある程度、市場を見越して生産し、ちょっとずつ在庫を売っていくビジネスモデルですよね。見越したとおりに売れなければ、在庫の山をかかえることになります。3Dプリントの場合、注文が来たら出力すればいいので、「売れるか売れないかわからないけど、とりあえずやってみよう」というトライができます。




(C) BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc.

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