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どんなテンションでも、ダラ~ッと見られる気楽さ
二村 夕焼けが舞台なので、コンセプトは“放課後感”でした。コストの関係で夏服しか作れなかったせいもあり、6月~10月ぐらいの情景を切り抜いた感じです。夏の夕暮れの気だるい感じや、ゆったりした時間の流れ……メリハリというよりは、ダラ~ッと見られる雰囲気を目指してましたので。 キャラクターの芝居にしても会話とは関係ないことをさせたいと思っていたのですが、そのせいか七海役の柴紅音さんからも「七海は塩対応(そっけない対応)ですね(笑)」とツッコまれたりとか。でも僕としては、コトブキも七海もネコテイストなので顔を見あわせて馴れ合うとかではなく、そっぽを向いたままの会話をさせたくて。塩っぽいやりとりでも、それがキャラクターのテイスト、味つけになればと考えていました。
──キャラクターの動きは、アニメーターさんの手づけなんですか?
二村 いえ、あれは制作したダイナモピクチャーズさんが、モーションキャプチャーの設備と技術を持っている会社でしたので、それを使わせていただきました。コトブキは足が短く頭身が低いのですが、さすがダイナモピクチャーズさんの技術でうまく動かしてもらえたので、ダンスも“まるで中に人が入っているように見える面白さ”も含めて楽しんでいただければと(笑)。
──コトブキの声は、はじめから山寺宏一さんに決まっていたそうですが、七海役の柴紅音さんは?
二村 柴さんはオーディションで選ばれた、まったくの新人の方です。ベテランと新人の方とのコラボですね。作品後半に向かうにしたがって、山寺さんとの呼吸も自然とマッチしていき、僕は安心してお任せしていました(笑)。
──2015年から1年以上続いている企画ですが、監督してみて、いかがですか?
二村 まず前提として、実在する場所をお借りした作品ですので、ご当地の方たちのご迷惑になったのではなくご協力できたのなら幸いです。また、監督面ではいただいた台本の会話劇を元に、芝居やオカズ等をいろいろ足しながら演出できたので楽しかったです。
──“109シネマズ”の映画館で、ご覧になりました?
二村 いえ、僕は基本、引きこもりなので、実はまだ映画館では見ていなくて(笑)。ただ、幕間作品を前提として、どんなジャンルの映画の前に上映しても邪魔にならないようなゆるい始まり方にはしたつもりですので、そう見えれば幸いです。 あわせまして、今作は前編DVDが発売中なのですが、いずれ発売する予定の後編DVDも含めて、まとめて一度に見ていただけるほうが、僕としては嬉しく思います。通して見ても総尺50分ぐらいの作品なので、「ちょっと一時停止して小休止」していただいても構わないような。朝起きたばかりでも、夜、お酒を飲みながらでも、どんなテンションの時でもダラ~ッと見れるような作品にしたいと思ってましたので、そんな感じで楽しんでいただければと。僕は“夏の夕暮れ”とか“放課後の雰囲気”って、そういうゆるさを含めて好きですので。
(取材・文/廣田恵介)
『夕やけだん団」DVD 一段
2016年3月23日発売
VTBF-170 3,200円+税
本編:24分/映像特典:8分
16Pオールカラー解説書付き
[出演] コトブキ:山寺宏一/七海:柴 紅音 豆腐屋さんのラッパ:山寺宏一/ネコたち:山寺宏一/落語家:山寺宏一/ボブ前田:山寺宏一/金魚屋やさん:山寺宏一/ニュースキャスター:山寺宏一/携帯着信音:山寺宏一/おじさん:山寺宏一/BOZU:山寺宏一/他:山寺宏一
[スタッフ] 監督:二村秀樹/キャラクターデザイン:村田蓮爾/脚本:藤沢文翁/美術監督:今野明美/モデラー:杉本 涼/アニメーター:岩田裕美/音楽:伊賀拓郎/音響監督:野崎圭一 (ドッグオンビート)/協力:109シネマズ、荒川区、台東区フィルム・コミッション、他/制作:ダイナモピクチャーズ/製作:フライングドッグと熊猫団
「夕やけだん団」とは 「夕やけだんだん」とは、荒川区と台東区の境目、谷中銀座の入り口にある、夕陽の綺麗な“階段”の愛称です。 そこには、多くのネコ(常連10匹程度を含む)が集まってくることでも有名です。 本作「夕やけだん団」では、夕やけだんだんから谷中銀座を舞台にして、カッコかわいいネコの「コトブキ」と、学校帰りに立ち寄る女子高生「七海(ななみ)」の会話を通じて、どこかホっとする、でも可笑しい、どこか下町的な、さらには毒舌も交ぜつつ、さまざまな「共感」「情緒」「笑い」を描いていきます。 ※「夕やけだん団」とは、夕やけだんだんに集まる人やネコのみならず、夕やけだんだんを愛する人々の総称(造語)です。
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(C) Y.D.D