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谷口悟朗が「どうしても、もう一度仕事をしたかった」声優とは?
──オレンジのCGについて谷口さんはどうご覧になりましたか?
谷口 すばらしいです。もっと中に入って指導しなくちゃいけないかなと腹をくくっていたんですけど、基礎的な打ち合わせだけで私が要求するところをかなりクリアしてきました。第1話で瀬名さんと黒騎さんがそれぞれ警察手帳を出すカットがあるんですけど、そこのところの溜めとか芝居の持っていき方が2人で違うんですよ。実はこのカット、手違いでこちらが指示出しをする前に制作されてしまって、どうしようかなと思ったらバッチリで。瀬名ならこういう感じ、黒騎ならこういう感じとオレンジさんなりに芝居付けをして上げてきてくれたんですよ。
──きちんとキャラクターの性格を考えて、お芝居をつけてきたんですね。
谷口 そうですね。それができたのはその発想が彼らにあったからです。手描きが上かCGが上かという話ではなく、何をするために技術があるのか、そこの根本のところがきちんとできているというわけです。特にこの作品ではウェアを着ると、特撮でいうところの、着ぐるみアクターさんの状態になります。つまりウェアを着ていない時と、着た時できちんと同じ人物に見えないといけないわけです。それがきちんとできているという点で、オレンジさんはすばらしい着ぐるみアクターさんであると言えます。これは同時に役者さんにも言えることで、ウェアを着て出動する人たちについては、着た後はほぼ表情が見えなくなってしまうので、声ですべて表現するつもりでやってくれと最初に説明しました。
──キャストのお話が出たところで、谷口さんから各キャストのみなさんに期待したことを教えてください。
谷口 まず誤解しないでいただきたいのですが、キャスティングに関して私1人に最終決定権があるわけではなくて、意見を持ち寄ったうえで最終的にそうなったという形です。そのうえで順番に説明させていただくと、黒騎さんについてはガサツだけど根っこに知性とやさしさがあってただの乱暴者ではない、というのが基本だったんですよ。その声質を求めた時に島﨑信長さんが一番いいのではないかと。島﨑さんは「俺、ツインテールになります。」でもアイムズさんや荒川さんと仕事をされていて、評判だったんです。その組み合わせで瀬名さんを当てるには誰がしっくりくるかなと考えたときに、櫻井(孝宏)さんが思い浮かびました。私が彼の声を好きなんでしょうね(笑)。2人のキャリアが違うので、同じステージに立てるかどうかはわからないけど、ひとまずここはチャレンジでやってみましょうと。協会さんについては何人か候補を挙げた時に音響監督の明田川さんから鳥海浩輔さんが、バランス・年代的にも近いからいいんじゃないと。舩坂さんに関しては、最終的に3人ぐらいの候補に絞り込んで、チーム内バランスから大川透さんにお願いすることになりました。
──女性キャラクターのキャストについてはいかがでしょうか?
谷口 (花咲里)あさみさん役の小澤さんですが、前の作品の「純潔のマリア」でネコという名の猫の役をやっていたんですよ。台詞はほとんど「にゃー」だったんですが、いろいろやろうとしていたのが印象に残ってて、必死になって頑張る感じが向いているんじゃないかなと、小澤亜李さんに。(星宮)はるかさん役の石上静香さんは、私は初めてお仕事するのですが安定感は知っていましたし、明田川さんが彼女の引き出しはわかっているだろうからお願いしますと。(天野)円さんに関してもバランスのところで他のキャストに対して悪目立ちせず、かつ埋没しきらないということで大西沙織さんでした。そしてけっこう困ったのが(山吹)凛さんでした。他の女性陣はキャリア的にも若い子で組んでいけばいいんだろうなと思ったんですけど、凛さんも若い子で組んでしまうとみんな横並びになってしまうんですよね。とするとある程度中堅以上の枠で、そういった声が出せる方。そのうえで、凛さんは隊長になりきらない人という意味で怖くないというか、しっかりしてんだかしてないんだかよくわからない声が欲しかったんです。そのときに倉田雅世さんが思い浮かびました。
──ダイハチ以外の方々についても教えていただけますか?
谷口 作品スタート段階で政治家秘書の稲城(光太郎)さんは、政治家側で主人公側の味方に立ってくれる人物。政治の世界で主人公側の味方になってくれるルートを持つ人がいてくれないと、主人公たちが身動き取れなくなる危険性があったので、そんな人を1人置いておきたかったんです。1回聞いただけで覚えてもらえて、なおかつ味方なんじゃないかと思わせる声質の方。それが緑川光さんでした。あと、私がどうしてももう一度仕事をしたかったのでお願いしたのが、ミュトスさん役の花江夏樹さんでした。「純潔のマリア」の時も一緒に仕事をさせていただいたんですけど、とても面白い声質で私はすごく好きなタイプの声ですね。もしもミュトスじゃなくても、何らかの形で仕事をお願いしていたと思います。
──この作品はBD/DVDにディレクターズカット版が収録されますが、放送フォーマットとの違いはどんなところにありますか?
谷口 本当はこの話数はここまでのボリュームが欲しいとか、シリーズとしては本当はここまでやっておきたいという部分までを描いたのがディレクターズカット版です。だから放送版は一話完結として見てください。通して見るなら、シリーズをより意識したディレクターズカット版を見ていただいたほうがわかりやすいと思います。
──本作は7月より第2クールが予定されています。そちらを楽しみにしている読者に向けて展開の見どころを教えていただけますか?
谷口 まず、誤解なきように言うと、本作品は分割2クールではありません。第一シーズンと第二シーズンです。ただ、誤解がおもいっきり広まってしまったので、現在 荒川さんが調整中です。一応、第二シーズンは黒騎さんをもう少し中心に持ってきて見やすくしようと思います。それと、キャラクターの何人かは立ち位置とか立場とかが変わっていくかもしれません。その時にこれまでばら撒いていた事情などを回収するかもしれません。ただ、楽しめる要素やお楽しみの根っこは変えるつもりはありませんので、第一シーズンで楽しめた人はまたお付き合いいただければ幸いです。
(取材/文・日詰明嘉)
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