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EGOISTが挑戦する伊藤計劃の世界──【Project Itoh】全3作の主題歌シングルが登場

2015年11月09日 11:000

インタビュー

アニソン

アーティストインタビュー

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「Door」のボーカルは、ryoさんから「それ、いいね」と言われました

──2曲目に収録されているのは、「ハーモニー」の主題歌「Ghost of a smile」。こちらはやさしく女性的な曲ですね。

chelly　素直なラブソングだと感じました。曲だけを聴いた私の解釈では、主人公の「僕」は「君」と離れ離れになってしまったんですけど、それをあまり悲しんでなくて、ひょうひょうとしているんです。それで遠くにいる「君」を励ましているように思いました。

──今は近くにいない、大切な人を想った曲ですね。

chelly　愛する人が未来に進んでいけるよう、寄り添ってあげようとしているのかなと。詞の最後の一節がとても切なくて、主人公の心の奥が見えたような気がしました。繊細なバラードで、歌うのは難しかったです。

──ryoさんからは、どんな指摘がありましたか？

chelly　この曲に関しては、ボーカルそのものというよりも、レコーディングのやり方について、ryoさんのこだわりが出ました。いつもより広いスタジオで、声を空間に響かせるように歌ったんです。

──本来だったら大人数のレコーディングに使うようなブースに、たった1人で入って歌ったと？

chelly　そうですね。とても気持ちよく歌えて、感情がぶわっと出ました。その解放感がみなさんにも伝わればいいなと思います。

──主人公の「僕」の想いが空気に溶けて、「君」を包み込んでいるような曲だと感じました。

chelly　そう感じていただけたらうれしいです。「君」が吸っている空気そのものが「僕」なのかなと。ふわりとしていて、でも芯が通っている曲になりました。

──そして3曲目の「Door」は、10月に先陣を切って公開された「屍者の帝国」の主題歌です。

chelly　私自身、得意な曲調なので、他の2曲と比べても、自分の歌い方をしっかり作りこんでレコーディングに臨むことができました。現場では、ryoさんから「それ、いいね」と言っていただけることが多かったです。

──スローな、ムード満点のジャズナンバーで、19世紀を舞台にした「屍者の帝国」らしい曲だなと思いました。

chelly　楽曲に使われている音階や楽器も、舞台設定に合っていると感じました。詞は、屍者の側から生者に向けた内容なのかなと最初は思ったんですが、完成した映画を見たら、その逆の解釈も可能で。聴く人の判断にゆだねる部分が多い歌詞だとわかりました。

──「屍者の帝国」をご覧になって、いかがでしたか？

chelly　この作品は、伊藤計劃さんの序文を、円城塔さんが書き継いで完成させたストーリーなんですよね。原作を読んでから映画を見ると、よりエモーショナルになっていて感動しました。ドラマチックで涙を誘われたので、その最後に「Door」が違和感なく流れた時は、よかった！　と思いました。

──【Project Itoh】3作品すべての主題歌を担当したことについて、改めてどう感じていますか？

chelly　ありがたいことだなと（笑）。それを1枚のシングルとしてまとめて聴いていただけるのもうれしいです。3曲のうちの2曲は映画公開前のリリースとなりますので、曲を聴いてから映画をご覧になって、答え合わせをしていただきたいですね。

──そして、現在、全国ツアーの真っ最中なんですよね。

chelly　名古屋、東京、大阪が終わって、残すところは札幌と福岡になりました。ライブは本当に楽しくて。直前までは緊張するんですけど、始まるとファンの方々の温かさを感じてハイになります。回を重ねるごとに、私が帰ってくる場所はここだなと思えるようになりました。

EGOISTプロフィール

TVアニメ「ギルティクラウン」から生まれた架空のアーティスト。ryo(supercell)がプロデュースを手がけ、2000人を越える応募者の中から選ばれた歌姫chelly がボーカルを担当。「ギルティクラウン」の放送終了後に作品世界を飛び出し、「PSYCHO-PASS サイコパス」ED「名前のない怪物」、「All Alone With You」、「PSYCHO-PASS サイコパス2」ED「Fallen」をリリース。アニメ映画【Project Itoh】全3作の主題歌アーティストに選ばれた。現在、全国5都市を巡るライブツアーを開催中。

■6thシングル「リローデッド」
レーベル：Sony Music Records／2015年11月11日発売