ホビー業界インサイド第4回:「ぷちサンプルシリーズ」の“地味な濃さ”にホビーの真髄を見る! リーメント・開発本部インタビュー!

2015年10月31日 10:000
ホビー業界インサイド第4回:「ぷちサンプルシリーズ」の“地味な濃さ”にホビーの真髄を見る! リーメント・開発本部インタビュー!

架空の80年代風“魔女っ子アニメ”を設定


──企画するとき、実物に取材したりされるんですか?

五月女 そこが難しくて、あまりそっくりに作りすぎると怒られてしまうので、デザイナーさんには“怒られないサジ加減で、それっぽく”作っていただくことが多いです。1年ほど前に「80’sなつかしわが家」という商品を出しまして、テレビに映る絵を差し替えられます。そのとき、80年代に放送していたかのような魔女っ子アニメのキャラを、オリジナルでデザインしたんです。

──しかも、その魔女っ子キャラのコップまで作ってありますね!

五月女 ええ、「80年代当時に小学生だった女の子」を主人公に想定して、その子が好きだった魔女っ子キャラのグッズを、あちこちに散らしています。別のシリーズに、おばあちゃんとお茶を飲んでいるアイテムがあるんですけど、そこにも同じ魔女っ子キャラのマグカップが入っています。すると、シリーズを通じた統一感が出るんです。この魔女っ子アニメは、80年代からシリーズを重ねて今も続いている設定なので、今後の製品にも出てきます。

──買われているのは、何歳ぐらいの世代の方たちなんでしょうか?

後藤 20~30代が中心ですが、ぷちサンプルのようなノン・キャラクター物だと40代、50代のお客さまもいらっしゃいます。


──ぷちサンプルの写真コンテストを開催してらっしゃいますよね?

後藤 はい、まだ食玩ブームだった2005年~2007年にかけて、「ディスプレイ・コンテスト」を計5回、2006年には「収納・整理法コンテスト」を開きました。やはり、いっぱい買ってしまうと、どうしまったらいいのかわからない方もいらっしゃるので、そのお手本となるような内容のコンテストですね。あとは、川柳コンテストです。


──川柳ですか(笑)。

後藤 ぷちサンプルで、ある情景を作っていただいて、そこに川柳をつけるコンテストです。2008年~2009年にかけて、計4回実施しました。1回500~600通は応募があります。

──やはり、女性の応募が多いのでしょうか?

後藤 作品を見ていて特徴的なのは、女性の応募者は一般家庭のキッチンや居酒屋、回転寿司屋など実際にある情景を、リアルに表現しています。男性はキャラクターフィギュアを使い、想像力を生かして日常の色々なシーン(風邪で寝込んでいたり、パソコンを打っていたりなど)を作られています。女性は身近な雰囲気の作品、男性は凝った作品が多いですね。

──「こういう商品を出してほしい」というリクエストは?

後藤 来ますね。たとえば、いま会社勤めされている女性から、「10年前の小学生のころ、「ぷちサンプルシリーズ」に憧れ収集していたが、どうしても、お小遣いの関係で当時欲しかった○○○シリーズが買えなかったので、再販をして欲しい」との要望が良くあります。

──昔の商品を、そのまま再販することはできるのですか?


後藤 不可能ではありませんが、現在の工員の給与は、当時の7~10倍になっておりますので、同じ彩色の工程で商品化をすると、多分1,000円以上になるのでは……と思います。

五月女 昔ほど工程をかけられなくなった部分がありますので、どうやって値段に見合ったクオリティを維持していくのか、いろいろ工夫しています。工場に対する要求も厳しくなるので、たまに渋い顔をされてしまいます(笑)。


クレームの来ないラインで勝負


──企画は、どこから発想するのですか?

五月女 いま何が流行っているかリサーチもするのですが、弊社の「ぷちサンプルシリーズ」の場合、“ごく普通のもの”が好まれます。決して、“憧れのもの”だけが求められているわけではありませんので、なるべく多くの方たちに共有できるテーマを選んでいます。また、可動フィギュアを使ってジオラマを作れるアイテムが好まれているようなので、そこも意識しています。吹奏楽部を舞台にしたアニメが始まると聞くと、なんとなく、その流れと連動できるように考えます。


──季節感は、重視しますか?

後藤 発売時期に合わせて、ある程度は重視していますが、年間販売できるようにパッケージなどを工夫しております。たとえば、「ほっこりこたつ」は、パッケージをリバーシブル(表:冬用、裏:夏用)にしています。

五月女 「じいちゃんばあちゃん家」は秋口の発売なので、これからの季節に向けて、石油ストーブを入れてあります。だけど、あまり冬に偏りすぎないよう、蚊取り線香も入れました。

──もともと、ぷちサンプルというシリーズは、どこから発想したのでしょう?

後藤 合羽橋で販売している「食品サンプル」を好きな社員が、「食品サンプルをミニチュアで出せないか」と言い出したのがキッカケです。最初はカツ丼やおそば、デザート、回転寿司など食品ばかりでしたが、「ぷちスーパー」というスーパーで販売している食品や日用品のミニチュアを発売したところ、爆発的に売れました。食品や日用品パッケージのデザインを本物らしくしたり、商品名をパロディ風にしたり、実際にパックや箱から商品が取りだせたり……と本物っぽく作ってみたら、それがお客さまにウケてしまったんです。

五月女 パックとかトレー、梱包材やダンボールなど、リアルな生活ではゴミになるような物まで再現したんです。


後藤 「産地直送便」は、ダンボール用にガムテープ、送り状、冷凍、生ものなどのシールを付けました。この商品は、実際にJA様の許可をいただき販売しました。また、「デパートショッピング」というシリーズでは、メーカー名や商品名をそのまま使うわけにはいきませんから、ちょっと名前を変えて、それっぽく商品化しています。

──クレームが来たりしないんですか?

後藤 一度だけ、大手ファッション・ブランドからクレームが来ました。しかし、ブランド名を使っているわけではないので、きちんと説明して納得していただきました。それと、お菓子メーカーの方が展示会にいらして、「ああ、これか」「うちのお菓子とそっくりのミニチュア出してるところ」「よく似てるね」と、笑顔で会話したこともありました。ですから、世の中から怒られないギリギリの部分で勝負しているんです。

──いま、「ぷちサンプルシリーズ」は1年に7~8種のシリーズが出ていますが、今後は?

後藤 毎月リリースしていくと、財布の中身を気にする方もいらっしゃいますので、今後もこのペースで、ゆっくり発売していきたいと思います。



(取材・文/廣田恵介)

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