アニメとのバランスを考えながら、いつものように破綻させてみました ──東京カランコロンは、サウンドの妙がクセになる!

2015年06月05日 18:000

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Bメロあたりから、破綻し始めている感じはあるかもしれないです(笑)


──歌詞を書かれたのは、いちろーさんですね。

いちろー もともとマンガ好きですし、原作はめちゃめちゃ読みましたね。せんせいが歌うことを念頭に、作品のテーマに沿った、物語性のある歌詞にしたいと考えました。とにかく、詞も曲もアニメとのフィット感は強く意識しましたね。バンドのアイデンティティーを出したいという気持ちはもちろんあったんですけど、そこにとらわれすぎて、アニメを見る人をがっかりさせてしまうようなものには絶対にしたくなくて。同時に、東京カランコロンのファンの方が聴いても違和感なく聴けるような曲にしたいという思いもあって、バランスには気を使いました。

──「スパイス」は最初はポップにきれいに始まって、だんだん東京カランコロンらしさがあふれ出てくるような印象がありました。イントロやAメロは、アニメのことを考えて、あえて抑えているのかなと。

せんせい ふふふふふ(笑)。

いちろー たしかにBメロあたりから、だんだん破綻し始めている感じはあるかもしれないです(笑)。

 

──その破綻こそが東京カランコロンの魅力で、ものすごくクセになります。

いちろー スタジオで何回もセッションしながら練っていくこともあるし、ギターに関してはおいたんが家で考えてきたアイデアを元に、まとめていくという感じですね。いい感じに僕らの特徴を出せるように、いつも考えています。

──一方、メロディは印象的なものが多いし、耳なじみがよくて。

せんせい 性格が正反対で、男女の違いもある私といちろーさんの2人が曲を作れて、歌うことができて。それが東京カランコロンの強みだと思います。お互いに絶対譲れないものがあって、時にはぶつかり合うこともあるんです。それを他のメンバーが端から見てる(笑)。


いちろー 「スパイス」に関してはスムーズでしたね。

──「スパイス」のBメロは、シンプルにドレミファソラシドと音階が上がっていくメロディなんですよね。あえて、それを使ったんだと思いますが。

いちろー サビが最初にあって、Bメロはどうしようとみんなで持ち寄った中に、ドレミファソラシドがあって。他にはもうちょっとオシャレなものもあったんですけど、自然にシンプルなものに落ち着きました。「少年ジャンプ」で連載されている作品なので、アニメを観るのも男の子の方が多いと思ったので、オシャレを狙うよりもわかりやすく力強いほうがいいのかなと。

──エンディングの映像を見た感想は?

いちろー キャラクターたちが裸でびっくりしました。想像以上のものが来たなと。

せんせい たしかに(笑)。

 

いちろー 僕らの今までのPVにはアニメーションはなかったので、新鮮でしたね。それに子供の頃からアニメを見てきたので、スタッフロールといっしょに自分たちの曲がTVから流れているというのは感動的でした。オンエアバージョンは、89秒で終わる瞬間にぴったり「スパーイス!」という歌詞が重なるよう考えて作ったので、絵がついたら、なるほど! と思いました。

せんせい 幸せで美味しそうな感じがよかったです。感動しました。

 

料理つながりで、カップリングでは「お料理行進曲」をカバーしました


──カップリング曲には驚かされました。TVアニメ「キテレツ大百科」(1988年~1996年放送)のオープニングテーマ「お料理行進曲」のカバーです。

いちろー 料理というテーマで絞って、何かカバーをやりたいなと。いろいろ探していく中で、ドラムのかみむー氏からポロッとこの曲の名前が出て。アニメソングだし、僕らは世代的にもちょうどなので、いいかもしれないと。

せんせい 小学生の頃よく見ていたアニメでした。

 

いちろー しかも「お料理行進曲」はもともと男女混声の曲なんですよね。改めて聴くとすごくいい曲で、森雪之丞さんの歌詞がメロディにきれいに乗っているんです。原曲にわりと忠実にカバーしてみたんですが、ぴったりハマって、すばらしい!と思いました。


──原曲に忠実とは言いながら、しっかり東京カランコロンらしい、変なサウンド感も出ていると思います。

いちろー そうですね。出しちゃいました、出ちゃいましたね(笑)。


せんせい 原曲が面白い展開をするので、それに引きずられて、こんなフレーズを入れたらもっと面白くない? と。


いちろー 包丁で野菜を切る音とか、フリー素材を探してきて入れたり。メンバーでやいのやいの言いながら、どんどんアイデアを放り込んでいきました。原曲を知っている人には、笑って聴いていただければと(笑)。

せんせい 逆に原曲を知らない人は、これを機会に聴いてみてほしいなと。「お料理行進曲」をダブルで楽しんでいただきたいです。


──アニメつながり、料理つながりでまとまりのあるシングルになったと思います。今後も、アニメ主題歌には挑戦していきたいと思いますか?

いちろー もちろんやっていきたいですね。今までも、ずっと待っていたんです、アニメの話が来ないかなって。こんな感じであと2,3発は来てほしいなと(笑)。次はオープニングをやってみたいですね。

せんせい 欲張りやろ(笑)。

いちろー いや、せっかくなのでアニメでアッパーな曲もやってみたいなと。

 

──それに、いちろーさんもメインボーカルを取りたいですよね。

いちろー それできたらヤバいですね(笑)。

恒例?の、ハイレゾプレーヤーで遊んでいただくコーナー


──アキバ総研のインタビューでは、いつも?アーティストの方にハイレゾプレーヤーとハイエンドのイヤホンを体験していただいているんです。

いちろー 普段使っている再生環境では、僕はハイレゾは聴けないんです。イヤホンは、音がよくて安いヤツを使っています。すぐに洗濯とかしてダメにしちゃうので。

(視聴して)

これはいいですね。マスタリングの時に、スタジオで確認のために聴くレベルの音です。

 

せんせい (視聴して)確かに全然違う。めっちゃ楽しいね、これで聴いたら。


──アニメーションの場合、CDよりも映像のBlu-rayのほうがビット数が高かったりするんです。そういう現状もあって、ハイレゾへの感心は高まっていますね。

いちろー アニメ好きな人は、音圧とか音の粒とか、気にする人がわりといるということですか?

──そうですね。それからボーカルのリアルさとか。映像が二次元なので、声の生々しさにはこだわりたい方が一定数いるみたいです。

いちろー ハイエンドな機種で聴くと、意外にハイファイ感がないというか、音がやわらかいんですね。普段は演奏をチェックするためにわりと硬めの音を出す機種を使っているんですが、今回聴かせていただいた音のリアルさには、驚かされました。

 

<東京カランコロンプロフィール>

せんせい(Vo. Key)、いちろー(Vo. Gt)、おいたん(Gt. Cho)、佐藤全部(Ba)、かみむー氏(Dr)による5人組バンド。2009年5月より、現メンバーで活動を開始。2012年、ファーストミニアルバム「ゆらめき☆ロマンティック」でメジャーデビューを果たす。現在までに、3枚のアルバム、2枚のミニアルバム、3枚のシングルをリリース。「スパイス」は彼らの4thシングルとなる。

 

■TVアニメ「食戟のソーマ」エンディングテーマ

「スパイス」

レーベル:avex trax/6月10日発売

 

・初回生産限定盤ワンコインシングル(CD ONLY) 500円+税


・「食戟のソーマ」描き下ろしジャケット盤(CD+DVD) 1000円+税


・東京カランコロンジャケット盤(CD+DVD) 1600円+税

 

〈収録曲〉

01. スパイス

02. お料理行進曲

03. スパイス Instrumental(「食戟のソーマ」盤のみ収録)

※「食戟のソーマ」盤のDVDには「食戟のソーマ」ノンテロップED映像を、東京カランコロン盤のDVDには、「東名阪でワンマ ソツアー~友達になりたい!~ 3月12日渋谷WWW」をそれぞれ収録



(取材・文/鈴木隆詩)

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食戟のソーマ

食戟のソーマ

放送日: 2015年4月3日~2015年9月25日   制作会社: J.C.STAFF
キャスト: 松岡禎丞、種田梨沙、高橋未奈美(旧名義)、石上静香、花江夏樹、小野友樹、大西沙織、櫻井孝宏、茅野愛衣、内田真礼、村田太志、小林裕介
(C) 附田祐斗・佐伯俊/集英社・遠月学園動画研究会

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