前へ進むしかない。そういう時代なんだと思います──angelaのニューアルバム「ONE WAY」は、今まで以上に力強く

2015年05月20日 00:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

挿入歌を作るのは、主題歌よりも得意かも


──9曲目の「バイバイオーライ」は、TVアニメ「COPPELION」の最終回のみに使われたエンディング曲です。

KATSU 実はオープニング曲の「ANGEL」よりも早く、「COPPELION」のために最初に作ったオープニング用の曲が、「バイバイオーライ」なんです。でも、原作にある、新宿で主人公たちが新たなスタートを切る場面が、アニメでは最終回になりますと聞いていて、「バイバイオーライ」はむしろそのシーンで流れてほしいなと。それで、オープニング曲提出の期限まで少し余裕があったので、もう1曲作らせていただいたんです。


──それが「ANGEL」で、「バイバイオーライ」は希望通り、最終回で使われたと。
KATSU 最終回用エンディング曲というのは発注になくて、こちらが勝手に思い描いたことだったので、うれしかったですね。「COPPELION」は3.11を機に一度アニメ化が中断した、現実の日本社会の状況と切り離せないテーマを扱った作品なので、震災後しばらくしてからの制作再開がうれしくて。こんな時代だからこそ作る価値があるアニメだと思っていたので、主題歌作りにも力が入りました。


atsuko 普通は、発注されてもないのに、「この曲を最終回に使って」とは言えないです。でも、GoHandsさんとは「K」でもごいっしょさせていただいてましたし、信頼していただけたのかなと。KATSUのすごいところは、ダメ元で相手に自分の希望をストレートに伝えられることです。

KATSU それは全て作品のためだから。


atsuko 作品をより良くすることだけを考えているんだよね。

──曲で作品を盛りたてたいという熱意ですね。「その時、蒼穹へ」は「蒼穹のファフナー EXODUS」の挿入歌で、第9話のいいシーンで使われましたね。

atsuko 一騎と総士が大活躍するシーンですね。もともとあのシーンで使うことを前提に書いた曲で、音響監督の三間(雅文)さんが編集して、素晴らしい使い方をしてくださいました。本来はボーカルが入っている部分をあえて抜いたり、サビに行く前に2人のセリフをタイミングよく挿みこんだりしているので、私たちが作った時とは曲の印象が違って聞こえるんです。自分たちの曲のはずなのに、オンエアでは全く新しい曲を聴いているようで、衝撃的でした。

KATSU 挿入歌は使われるシーンに合わせて作ることが多くて、僕らはかなり得意だよね。主題歌よりも得意です(笑)。

 

atsuko テーマがより限定されていて、ピンポイントで合わせた詞と曲が作れるので。「その時、蒼穹へ」は、OPの「イグジスト」とEDの「暗夜航路」を作った後で、自分の中のファフナー因子が活性化されていたということもあって、すごく作りやすかったです。


「ソイヤ」に日本人の遺伝子が刺激されました


──11曲目の「二十四節気恋唄」が、アルバム唯一のオリジナル曲ですね。和風の曲で、季節を表す日本古来の言葉がたくさん使われています。
atsuko 久しぶりに書いたオリジナル曲で、なぜこうなった? という感じですよね(笑)。実は私は去年から「アニぱら音楽館」という番組に出演していて、そこでいろいろな曲をカバーする機会をいただいているのですが、最近はボカロ曲を歌うことが増えまして。今まで、みずから進んで聴こうとは思わなかったボカロ曲に対して、自分なりの理論ができ上がっていったんです。それを試してみようと思いました。


──atsukoさんならではのボカロ理論とは、どのようなものですか?

atsuko メロディは同じラインの繰り返しが多いとか、歌詞には西洋、東洋問わず、文学を題材にした難しめの言葉が多いとか、そこに生々しい恋愛のイメージが入ってくるとか。難しい言葉を使っていても、サビの歌詞を同じにすることで、メロディとともにスッと頭に入ってくるんですよ。これは効果的だなと思って、ボカロ曲をangelaがナマで作ったらどうなるだろうと思いました。


──そこでテーマにしたのが、日本の四季だったと。

atsuko いろいろ調べて、情緒溢れる言葉を知ることができて勉強になりました。1年の季節の流れを恋愛に重ねて、KATSUに和風のアレンジをお願いして。「ソイヤ」という掛け声を入れたいと言ったら、ダサいからイヤだと断られました(笑)。

──え、でも入ってますよね、「ソイヤ」。しかもけっこうな量が。
atsuko そうなんです。レコーディングの時にその場にいたスタッフみんなをマイク前に集めて、KATSUが「じゃあ、ソイヤ録るよ」と。ダサいと言いながら、ノリノリでした(笑)。

KATSU 楽しくなっちゃって、曲のいろいろなところに入れちゃいました。実は編集でカットしてカットして、それでもあれだけの量の「ソイヤ」が残ったのが完成版です(笑)。

atsuko ダサいと思いつつも、やっているうちにトランス状態に入っていくんですよね。これは祭における日本人の盛り上がりと同じような気がしました。遺伝子レベルで、「ソイヤ」に刺激されたのかもなと(笑)。

KATSU そうそう、盆踊りは、今で言うダンスフェスなんだと(笑)。


atsuko さらにニコニコ動画感を出したいと言ったら、KATSUがすごいアイデアを出してきたんです。


KATSU ニコ動に「シドニア」を和太鼓で叩いている動画がアップされていて、それが衝撃的にかっこよかったので、この人に「二十四節気恋唄」にも和太鼓をいれてもらいたいと。ネットを通じてコンタクトを取って、快く引き受けていただきました。


atsuko すごくいい感じになりました。


KATSU 今回のツアーには台湾、香港も入っているので、日本の文化を発信してきたいですね。

画像一覧

関連作品

蒼穹のファフナー EXODUS

蒼穹のファフナー EXODUS

放送日: 2015年1月9日~2015年4月3日   制作会社: ジーベック
キャスト: 喜安浩平、石井真、松本まりか、佐々木望、福圓美里、新井里美、白石稔、白石涼子、梶裕貴、島﨑信長、小野賢章、石川由依、田中正彦、土師孝也、篠原恵美、葛城七穂、小林沙苗、石川静、高瀬右光、ゆかな、諸星すみれ、てらそままさき、遠藤綾、小松美智子、京田尚子、大友龍三郎、置鮎龍太郎、中村悠一、岡本信彦、森田成一、潘めぐみ、宇乃音亜季、佐々木りお、鈴木達央、浅倉杏美、世戸さおり
(C) XEBEC・FAFNER EXODUS PROJECT (C) Copyright King Record.Co.,Ltd. All Right Reserved.

劇場版「K MISSING KINGS」

劇場版「K MISSING KINGS」

上映開始日: 2014年7月12日   制作会社: GoHands
キャスト: 浪川大輔、小野大輔、小松未可子、津田健次郎、櫻井孝宏、堀江由衣、福山潤、中村悠一、杉田智和、沢城みゆき、宮野真守、佐藤聡美、梶裕貴、森田成一、名塚佳織、下野紘、興津和幸
(C) GoRA・GoHands/k-project (C) Copyright King Record.Co.,Ltd. All Rights Reserved.

シドニアの騎士

シドニアの騎士

放送日: 2014年4月11日~2014年6月27日   制作会社: ポリゴン・ピクチュアズ
(C) 弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

シドニアの騎士 第九惑星戦役

シドニアの騎士 第九惑星戦役

放送日: 2015年4月10日~2015年6月26日   制作会社: ポリゴン・ピクチュアズ
(C) 弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-

劇場版 モーレツ宇宙海賊 ABYSS OF HYPERSPACE -亜空の深淵-

上映開始日: 2014年2月22日   制作会社: サテライト
キャスト: 小松未可子、下田麻美、花澤香菜、戸松遥、金元寿子、小見川千明、伊藤静、松風雅也、藤原啓治、堀江由衣、三宅健太、水原薫、松岡禎丞、佐藤利奈、日笠陽子、三森すずこ、安野希世乃、内田真礼、野村香菜子、巽悠衣子、佐藤聡美、赤﨑千夏、西明日香、高森奈津美、茅野愛衣、南條愛乃、伊瀬茉莉也、松本保典、安元洋貴、甲斐田裕子、能登麻美子、小山力也、飛田展男
(C) 2011 笹本祐一/朝日新聞出版・モーレツ宇宙海賊製作委員会 (C) Copyright King Record.Co.,Ltd. All Rights Reserved.

COPPELION

COPPELION

放送日: 2013年10月2日~2013年12月25日   制作会社: GoHands
キャスト: 戸松遥、花澤香菜、明坂聡美、鈴村健一、堀江由衣、坂本真綾、小山力也、茶風林、佐藤友啓、中村浩太郎、中博史、田中正彦、能登麻美子
(C) 井上智徳・講談社/コッペリオン製作委員会 (C) Copyright King Record.Co.,Ltd. All Rights Reserved.

劇場版 シドニアの騎士 KNIGHTS OF SIDONIA

劇場版 シドニアの騎士 KNIGHTS OF SIDONIA

上映開始日: 2015年3月6日   制作会社: ポリゴン・ピクチュアズ
(C) 弐瓶勉・講談社/東亜重工動画制作局

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。