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“キリ子”の声は複数ある
――キャスティングについてもお話をうかがえればと思います。シノンの声は原作を読んだときから沢城みゆきさんと決めていたそうですが、理由はどこにありましたか。「強い奴らを全員殺してやる」というセリフが一番似合いそうな声優さんだからです。そのセリフを真に迫って聴ける人で、最初に浮かんだのが沢城さんでした。ちょうどその前に沢城さんが主演した『
CANAAN』を見ていたのも理由のひとつかもしれません。原作を読み終わったときに「アスナはよくわからないんですが、シノンはきっと沢城さんだと思いますよ」って話したような気がします。
――収録のようすはいかがでしたか?アフレコ現場での沢城さんは、最初は少し探りながら演じている印象がありました。基本的に芝居はバランスなので、シノンがあまり強くなりすぎないように、キリトが勝てるように調整していってもらいました。沢城さんは基本落ちついた感じの声質なので、キリトたちと合わせる感じで、「今ちょっと年齢感上がってませんか?」みたいに言うこともしばしばでした。
女性的な声を演じることになった松岡(禎丞)君も「何種類か持ってきます」と自信ありげで、実際に声を聴いてホッとしました。Blu-ray/DVDのオーディオコメンタリーでは松岡君がその使われなかった何種類かの声を披露しているので、ぜひ聴いてみてほしいですね。リア充になっただけでは済まされない何かを経た2期のキリトを演じてくれたんじゃないかなと思います(笑)。
――1期では山寺宏一さんや子安武人さんなど、敵役にベテランを迎えることが多く、印象的なキャラクターになっています。そして、《ファントム・バレット》編の敵役であるデス・ガン(新川昌一)役には保志総一朗さんを起用されました。このキャスティングはどのように?
実は、新川昌一の弟の恭二役に保志さんがオーディションテープを送ってくれていたんです。
「何故保志さんが・・・?」と思いつつも、オーディションの結果、年齢的なバランスもあって花江夏樹さんを選ばせてもらったのですが、そのとき保志さんと花江さんって声質が似ているような気がして、兄弟でも大丈夫じゃないかと。そういう経緯でデス・ガン役をお願いしました。デス・ガンは声が加工されてしまうためビッグな人を使おうとは思っていなかったのですが、回が進めば声は元に戻っていきますからと説明して引き受けていただきました(笑)。敵役にベテランを置くのは作品を引き締めるためというのもあります。主役は基本的にオーディションで選びますが、山寺さんや子安さんはピンポイントで逆算して起用しました。これから始まる2クール目にも、そういう人たちが登場してくると思います。
――《マザーズ・ロザリオ》編のヒロインであるユウキの声は悠木碧さんが担当されています。 「悠木さんだからユウキにしました」、というのは本人にも言ったジョークですが(笑)。ゲーム版で先に演じてもらいましたが、まずオーディションをやらせてもらいまして、俺と川原さんの意見を元に起用させてもらってます。キャスティングの理由は声質とともに、テクニカルの面が大きいです。複雑なキャラクターなのでセリフも多くなり、しかも会話の中で見ている人を感動させなければならない。ボクっ娘が似合う声優はほかにもいたのですが、視聴者の感情にダイレクトに訴えかけるだけの技量を持っていなければ難しい。総合力を考えると悠木さんを超える人間があの時点ではいなかったというのが、彼女を選ばせてもらった理由です。ユウキは出番が多いかというと、そこまでではないかもしれません。でもそれでグッとこさせないといけないというのは難しいところです。存在感を出してもらいたいキャラクターですね。