9月から新章突入「超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ」監督、脚本、プロデューサー対談!

2014年08月21日 17:300

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少人数体勢での3DCGアニメーション制作方法と監督の役割。




――ここで森監督のコメディ遍歴もうかがってみたいのですが。

森:そんなにありませんよ(笑)。TVのバラエティも人並みに見ていた程度ですから。僕は日常の中で起こる地味なことというのがすごく好きで、笑いに関しても一発芸的に笑わせるよりも頭の記憶から消えていたようなセリフがフッと出てきて「そこでこれを言ってくるの?」みたいな笑いに面白みを感じるんです。この作品にも百葉箱のネタが出てきましたが、まさにそれです。僕自身は笑いのセンスに自信があるわけではないので、人を笑わせるっていうのはすごく特別な能力のある人がやるものだと思っていました。「Peeping Life」も奇跡的に生まれたようなものなんです。


――それをショートアニメならできるかもしれないと思って?

森:出会っちゃったんですね。大学4年のときに演出の勉強になるだろうと思って即興芝居をやるワークショップに行ったら、そこがエチュードのお芝居の中から物語を生んでいく演出法で、やってみて単純に楽しかったんです。それが「Peeping Life」の原点になりましたし、そこで知り合った人たちに出演してもらいました。彼らとワイワイしゃべっている中で生まれていって、そこから少しずつ自分の中で笑いというものが仕事になっていった感じですね。なので今回の作品での笑いは僕の中で新しいステージだと思いますし、非常に勉強になりますね。


――森監督が社長を務められている「FOREST Hunting One」のアニメーション制作体制についても教えてください。

森:今作の場合で言うと、絵コンテは2人体勢でお願いしましたが、僕からはあまりカッチリしたオーダーはなくて、上がってきたものに対して必要なものがあればこちらでもんで映像化するぐらいの感覚ですね。僕としては関わる人すべてがクリエイターになってほしいなと思うんです。宮﨑駿監督のような、1人のビジョンのためにみんなが手足になって作り上げるというよりも、全員のイマジネーションでひとつのものを作るほうが楽しいなと思います。監督としては50%の道筋しか立てないで、あとは受け入れる感じですね。

高山:そうすることで監督が引っ張りつつ、周りの人もクリエイションの充実感を得られているような感じですね。バトルシーンを丸々1人に任せたりとか、監督としても新しいスタイルで作っている気がします。

森:僕らは学生も入れて10人で、この作品以外にも「Peeping Life」の制作ラインもあるので人数としては厳しいんです。でも週1本の達成目標があるので、普通のやり方をやっていてもダメなんですね。だから口パクのタイムシートも使わないし、細かな手間もかけない。セクションごとの監督も立てず、やり直しのきく3DCGのよさを存分に利用しています。見た目はセルアニメ調ですけど、むしろ方向性としては逆を行っていますね。

高山:森監督はスタジオ出身でなく、ご自身で賞を取ってスタジオを作られているので、ルールにとらわれ過ぎることがないんです。ユーザー目線で見たときに「面白いからこれでいいじゃん」って言い切れるのがすごいんです。

森:あまりにクリエイターがこだわり過ぎちゃうとエゴになると思うんです。見ている人にとっては3DCGでも何でも関係ないんですよね。要は内容で、そこにこだわるあまり納品が間に合わなくて、声優さんが絵の乗ってないフィルムで声を当てるってのも変な話ですし。長期的にやる必要があるので1人に負担がかかって倒れられても結局ダメになってしまうので。アニメの作り方すべてをデザインする感じですね。


――その中でもバトルシーンは密度感の高さが目立ちました。

森:最初は下手でしたよ(笑)。でもそこで任せることですね。一度スタッフをバトルシーンの担当だと決めたらもうそこで自由に頑張らせるんです。僕らとしては全然格好いい出来になっていたと思うのですが、はじめて声がついた時に担当のアニメーターが「声に負けています!」って言ったんです。彼はオンエアの度に技量のなさにヘコんで、そこにまた向上心が出てくるという循環になりました。




――日常芝居はいかがでしたか?

森:これは分量と時間の勝負なだけで、フレームレートも8枚なので「Peeping Life」に比べたら全然楽なんですよ。頭身も小さいし、1カット数秒しかないのでキャラクターを動かすのもそれほど大変ではありませんでした。「Peeping Life」では、モーションキャプチャーもたまにしか使わず、1カットを延々と手付けでアニメーションさせていくのでそれに比べたら(笑)。「つかさ」はゼロから想像して作れるので、楽しみながらやれるのもよかったですね。

高山:東京でやっている人たちを見ると、このぐらいのCGでこの期間だったらこのくらいの人数がいるよねという"常識"があるんですよね。それが福岡という環境だからかもしれませんが、森監督が"常識"を作っているので、この人数でできてしまう。弊社で一緒に仕事しているラレコさん(「やわらか戦車」、「目玉焼きの黄身 いつつつぶす」)とかと近い感じですね。FLASHアニメーションを駆使して、とりあえず自分で出来るところはどんどん作っていってから、自分の作品作りをフォローしてくれるヒトをさがしていく感じです。森監督は既存のアニメ制作パターンにとらわれず、チーム化するときの省力化のセンスが素晴らしい。ゴールのイメージが見えてるから大胆なスタッフ編成が出来るんだと思います。


――さて、夏休み明け9月2日からは続きの第14話が放送されます。今後の見どころについて教えてください。

細川:第13話でつかさが修行の旅に出ていますから彼がどこまで強くなって、そしていつギガントで勝つようになるかが見ものです(笑)。

森:新しいキャラもどんどん出てきます。これがまた濃いんです(笑)。

細川:森さんのおなじみの"あのキャラ"も出てくるんでしょ?

高山:それはまだ言っちゃダメなやつだから(笑)。


――では、オンエアを楽しみに待ちたいと思います(笑)。最後にひとつうかがわせてください。森監督にとって本作は「Peeping Life」に並ぶ代表作になったと思います。クリエイターとしてそのことをどのように受け止めていますか?

森:ありがたいことに「Peeping Life」を代表作として見てくれるイメージが強くて、同時に「次は何を出すの?」と言われるのがけっこうプレッシャーではありました。そこでは似て非なるものを求められる。「つかさ」という違う作品でありつつも、僕らのアイデンティティが入っているものを生み出せたのはありがたいなと思います。そこにホッとしている気分もありますし、それはこのドリームチームが集まったことで生まれたという思いを持っているので、今後もモノ作りは自分のエゴに走ることなくその都度チームを信用して、カッコよくいえばオープン・イノベーションして今までにない作品を生み出していきたいなと思います。DVDも第1巻が発売されましたが、2巻以降(3巻・5巻)には特典として『超爆裂異次元恋愛白書 メロメロシューター みるこミル子』というミル子を主人公にしたショートアニメが付きます。こちらもぜひ続けて見てほしいですね。



(取材・文/日詰明嘉)



※森監督とのチャットイベントを開催。
→NHKアニメ「ギガントシューター つかさ」森りょういち監督とファンの交流チャットレポート!!


ニコニコ生放送 「超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ」
第1話~13話 振り返り一挙放送!
2014年8月31日(日) 時間:17:00~ (約2時間)
http://live.nicovideo.jp/watch/lv189435432

【スタッフ】
 ストーリー原案・監督:森りょういち
 シリーズ構成・脚本:細川徹
 アニメーション制作:ファンワークス、FOREST Hunting One
 製作:ギガントプロジェクト

【キャスト】
 面道つかさ:山口勝平
 小出ミル子:徳井青空
 沼田マナブ:橘田いずみ
 堂本あたる:愛美
 桐谷.M.キリト:山口智大

【第2巻DVD情報】
 発売日:2014年9月17日(水)
 収録分数:本編54分(8話~13話) + 特典映像1分(「超爆裂異次元恋愛白書 メロメロシューター みるこミル子」)
 価格:\1,850(本体)+ 税
 封入特典:ヴァイスシュヴァルツPRカード「ギガントシューター つかさ」1枚

【発売予定】
 第3巻 2014/11/28発売予定
 第4巻 2015/01/21発売予定
 第5巻 2015/03/18発売予定

>>「ギガントシューター つかさ」をAmazonで確認

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関連作品

超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ

超爆裂異次元メンコバトル ギガントシューター つかさ

放送日: 2014年4月1日~   制作会社: ファンワークス/FOREST Hunting One
キャスト: 山口勝平、徳井青空、橘田いずみ、愛美、山口智大
(C) FHO/ギガントプロジェクト

Peeping Life

Peeping Life

発売日: 2009年6月18日
キャスト: 伊佐山裕大、サノシュンスケ、清水明子、清野由佳理、坪谷光昭、牧田智子、松本剛、森りょういち
(C) FOREST Hunting One/ BROSTA TV /CoMix Wave Films

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