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重みと痛みを! フルCGによる格闘技アクション
──変身後のアクションシーンは、背景も含め、フルCGで描かれていますね。これは、初めての試みですか?
鷲尾:毎週レギュラーのテレビシリーズのアニメ作品でフルCGのパートを丸ごと作るというのは、東映アニメーションでは初めてですね。2D(二次元)の従来のアニメーションに、エフェクト(効果)としてCGを乗せるということは、日常的にやっていることなんですけれど。
宇田:アニメにCGが使われていること自体がウリになる時代では、もうないんですよね。だから今回も、CG作画を前面に押し出さず、むしろ「え? 2Dじゃないんですか?」と思えるぐらいのCGでいきましょうという話をしました。そうしたら、担当してくれたCGのディレクター陣がノリにのってくれて……。徹夜して大変な思いをしながら、いいものを上げてくれています。
鷲尾:『マジンボーン』のCGは、ほとんどがモーションキャプチャーを使っていない、「手づけ」のCGアニメーションなんです。2Dのセルアニメーションと同じ手法をつかって、アクションのテンポを変えて動きにメリハリをつけたりする作業を、手作業でやっている。CGスタッフが宇田監督と相談しながら、ものすごく綿密に細かく、毎週打ち合わせをしつつやってくれています。その結果、テンポがよく迫力があって、日常のシーンと違和感のないアクションが完成するんです。決めポーズを構えるスピードや、デフォルメ具合なんかを見ると、見る人が見れば、相当手を入れているというのがわかりますよ。
──変身後の翔悟たちのアクションは、現実の格闘技に近く、重くて、特撮に近い感覚があります。その一方で、非現実的な描写が可能なアニメとしては地味にも見えます。アクションの描写で意識したことはどういうことですか?
宇田:ひとつには、ストーリーの展開上、アクションに重みと痛みが欲しかったというのがあります。戦うということ自体が、イベントにならないようにしたかったんです。見栄えのする必殺技などを繰り出すと、どうしても「イベント」になってしまうので。そうならないようにしたかったんです。
──それはなぜですか?
宇田:主人公が「これでもか」っていうぐらい、悩んでばっかりの物語だからです。でも、悩むっていうこと自体は、生きていくうえでとても重要なんですよね。目の前で起きたことを、ただ受け入れるだけではダメで。本当にそれがいいことなのか、今、自分がすべきことは何なのか、やっぱりちゃんと考えて悩んで、そのうえで一歩踏み出さないと意味がない。アクションもその過程の一部ですから、華やかで軽くてはダメなんです。
鷲尾:最初の段階で、せっかくフルCGであれだけ自在に動かせるんだから、「人間の動きとして極限までやってみたらどうなるのか、見てみたい」という話は、2人でしましたよね。だから比較的、アクションとしては、人間の動きの中でできる範囲のものに近いことをやってますね。
宇田:それもあって、今回、CGアクションパートは2Dパートと分けて、特撮ものでも絵コンテを切っている(=映像の設計図を描いている)なかの★陽さんという方に、絵コンテを切ってもらっているんです。観ている方が特撮っぽいと感じたのなら、それも理由かと思いますね。
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