春アニメ実力ランキング1位「マジンボーン」はダークヒーロー物だった!宇田監督×鷲尾Pインタビュー 前編

2014年06月19日 12:000

「マジンボーン」グッズのプレゼントキャンペーン!7月16日まで!!


コミカルでハードな70-80年代テイスト


──本作には、どこか懐かしい感覚と、「最近のアニメにはあまりない」新しい感覚が同居しています。製作陣の狙いはどんなところにありますか?

宇田:「ダークヒーロー」でお話を作ろうと考えたときに、自分の中に浮かんだのは、石ノ森章太郎さんの作品です。その段階で、「ひと昔前の作風」は決まった ようなものだったかもしれません。逆に今は、そういうものはあまりないんですよね。僕らが子どものころは、アニメでも特撮でも、そういうヒーローものがいっぱいあったんです。「じゃあ、そういうものを、もう一度今の時代によみがえらせてみたらどうだろうね?」というのがありました。だから、 Twitterなどの感想で「90年代の匂いがする」と言われていたりするけど、僕らにしてみれば、「正解だけど、実は路線としては70年代、80年代なんだけどな」……って思います(笑)。




──コミカルさとシビアさの両方があるのも、そういう作風によるものですか?

宇田:テーマを煮詰めていくと、やっぱりハードな話になるわけなんです。それはもう、避けられない。中学生も観るアニメと考えると、時々キツイと思えるようなエピソードもないと、観る人の心をつかみきれないと思ったので。でも、最初からハードになりすぎるのもよくない。間口は広く取りたいと思ったので、1話は意識的にギャグを多めにしました。

鷲尾:あれはやっぱり、宇田監督のセンスですよね。日常って、そういうものじゃないですか。どんなに落ち込んでいても、つい笑ってしまうような瞬間って、必ずあるものです。そういうリアルな感覚を全部含めたうえで、「ああいうのってあるよね」「あの子、リアルだね」と自然に感じさせるのは、実はすごく細かいところまで、キャラクターの動きやセリフに神経を行きとどかせないと、できないことなんです。それをかたちにできる宇田監督は、やっぱりすごいなと思いますね。


──今のアニメを見慣れたアニメファンには、キャラの絵があっさりしすぎていると感じる人もいるようです。キャラクターデザインではどんなことを意識しましたか?


宇田:漫画家の村田雄介先生が描いたキャラクター原案を、アニメ用のキャラクターデザインにしてくれたのは、大西亮さんというアニメーターです。彼は『おおかみこどもの雨と雪』の作画監督をしている山下高明さんの弟子なんです。よけいな線を描かず、うまい具合に線を省略してくれた結果、あっさりしたキャラに見えているのかもしれないですね。でも僕は、線の数でいうと、そんなに少ないとは思っていません。あっさり風味に見えるもうひとつの理由は、カゲ(顔の凹凸、陰影を示す暗い色で塗った部分)が少ないことだと思います。最近、僕はアニメではよけいなカゲをつけないようにしているんです。これも、今の時代には背を向けたようなやり方なんですけど、あえてやっています。だから、第1話放送時の観た方の感想や印象、違和感といったものは、ある意味、想定内ではありましたね。



「マジンボーン」グッズのプレゼントキャンペーン!7月16日まで!!

画像一覧

関連作品

マジンボーン

マジンボーン

放送日: 2014年4月1日~2015年3月31日   制作会社: 東映アニメーション
キャスト: KENN、立花慎之介、吉野裕行、安元洋貴、三瓶由布子、折笠富美子
(C) BANDAI・東映アニメーション・テレビ東京

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。