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放送中のTVアニメ「キャプテン・アース」より、監督インタビュー原稿と第7話の先行場面写真が到着したのでご紹介しよう。
「キャプテン・アース」は、ボンズが制作を手がけるオリジナルのロボットアニメ。先に登場したボンズのオリジナルロボットアニメ「STAR DRIVER 輝きのタクト」と同様に、監督は五十嵐卓哉さんが、シリーズ構成は榎戸洋司さんが務める。ロボット「アースエンジン」などのメカデザインも「STAR DRIVER 輝きのタクト」のコヤマシゲトさん。鈴村健一さんと坂本真綾さんの夫婦共演でも注目を集めている。このほかのスタッフやストーリーは作品詳細にて。
5月17日に第7話が放送になるが、監督・五十嵐卓哉さんとシリーズ構成・榎戸洋司さんへの公式インタビュー原稿が到着。物語の山場となる第7話の見どころ、第6話までの注目ポイント、企画立ち上げの秘話など貴重なエピソードが満載となっている。
なお、5月16日19時からは第6話までの振り返り一挙配信が行われるので要チェック。
→TVアニメ「キャプテン・アース」、第6話までの振り返り一挙配信が決定! 森川智之ナレーションによるダイジェスト映像も公開
――現在、第6話まで放映は進んでいるわけですが、手応えはいかがですか?
五十嵐:僕はコンテ――映像のもとになる設計図のようなモノを描くわけですが、それがフィルムとして完成するまでの間に、どんどんパワーアップしていく感じを、制作中もずっと感じていたんです。参加してくれたスタッフのモチベーションが、フィルムにしっかりと定着しているというか。しかもその手応えがまた、次のエピソードを動かす原動力になる。そういう印象を強く受けていて……。
ただ放送が始まると本当にあっという間ですね。最近はずっとドキドキしていて、動悸が止まらないです(笑)。
――監督的に、一番力の入ったシーンというと、やはり第1話の打ち上げのシーンでしょうか。
五十嵐:そうですね。企画の立ち上げのときに榎戸さんと話していたのは、地球から打ち上げられたロボットが、合体すると同時にどんどん解き放たれていく。そういうイメージが最初にあったんです。しかもそのイメージが、『キャプテン・アース』の序盤のストーリーの流れと重なるような印象があったんですね。ダイチたちがだんだんと集まってチームを結成することになる流れが、アースエンジンが合体する様子とどこかリンクしている。「そういう構成になるといいね」という話を、榎戸さんとはしていました。
榎戸:監督の話にもでてきた通り、今回の企画はまさにアースエンジンの合体シーンから始まったんですけども、僕が個人的に気に入ってるのは第4話、クレープ屋さんのトレーラーからマシングッドフェロー天狼星が出てくる場面なんです。最初、監督は「難しいよ」とおっしゃっていたんですけども、無理を言ってやってもらったんですよね。
――モコがガシンとレバーを引くと、クレープ屋のトレーラーから人型ロボットが出てくるという……。
五十嵐:なんとなく勢いみたいなものなんですかね(笑)。ガチャンと行くと何かが起こる、みたいな。
榎戸:南の島を舞台に戦闘をやるとなったら、やっぱりトロピカルな意匠のクレープ屋さんのトレーラーからロボットが出てきてほしいな、という(笑)。よく見てもらうと、天狼星のコクピットは、モコが第1話でアブリアクションするために乗り込んだコックピットと同じタイプのものです。カラーリングは異なりますが、どちらもマシングッドフェローです。アバターには、一機ずつ、個体識別機能を備えた専用機があるんです。
――ひとまず序盤では、ダイチがキャプテンになるまでが描かれることになるかと思うのですが、彼のキャラクターを作り上げていくなかで、ご苦労されたところはどこでしょうか?
五十嵐:僕のアニメ人生――といっても、それほど長いわけじゃないんですが、そのなかでもダイチのような男の子を主人公に据えたことがなかったんです。これまでの僕の作品の主人公というのは、どちらかといえばグイグイ引っ張っていくようなタイプが多かった。でもダイチは何か特別な能力を持っているわけではなくて、ライブラスターが撃てたという以外は、ごく普通の男の子だと思うんです。しかもそういう彼のパーソナリティに反応して、周囲の人々が変化していく。そういう意味では「大変」というより、むしろ「新鮮」な感じを受けたんですね。
榎戸:彼のいいところって「直観に従って、とりあえず動く」ってところだと思うんです。深いレベルでバカじゃないというか。
それは西久保に関しても言えることなんですけど、ダイチはなんとなく「種子島に行かなきゃ」と思う。後付けでいろいろ動機は説明できるんだけど、そういうふうに最初に「なんとなく思う」というところが結構、重要かなという気がしていて。現実にこうして生活しているなかでも、直観的に「こういう仕事がやりたい」と思うことが大事というか……。大切であってほしいな、と。
五十嵐:言い方を変えると「偶然」ということだと思うんですけど。ダイチは、偶然から行動を起こすんですけど、それは後から考えると実は、すごく意味があったりする。「僕はこのために、これをやったんだ」と。そういうふうに自分で思えるところが、ダイチのいいところなのかなと思うんですよね。偶然をポジティブに必然だととらえる事ができる力……榎戸さんが言う「深いレベルでバカではない」というのは、そういうところかなと思っていて。ある意味、ちょっと楽観的なところがあって、しかもそういうダイチの姿を見て、周りの人たちが救われるところがある。
――ダイチとテッペイの関係に、そこは顕著ですよね。
五十嵐:そうですね。ハナもそうだろうし、アカリもおそらくそう。そこがチームとしての「まとまり」になってるんだろうな、と。
榎戸:アカリはすごくスキルの高い女の子で、たぶん種子島に来るまでは友達がいなかったんじゃないかと思うんです。友達を作ろうと思えば作れたんだけど、彼女が「友達になりたい」と思うような人間が周りにはいなかったんじゃないかな。「相手のレベルに合わせるなんて面倒なことをやってらんないよ」みたいな……。でも、ダイチやテッペイ、ハナを見たときに――コイツらの無茶苦茶さ加減は、もしかしたら自分といい塩梅なんじゃないかと思って、すごく嬉しかったんだとと思うんですよ。しかも、ダイチにはハナやテッペイのことを本気で心配して落ち込むくらい、友達思いなところがある。