NHKアニメ「ログ・ホライズン」監督&プロデューサーインタビュー!監督が最初にハマったのは、デミクァス(笑)

2014年03月13日 12:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

―――視聴者は意外と細かいところまで見てますからね。

石平監督:そうなんです。ステータス画面などはチェックされるだろうなと思っていましたが、書面の貼り込みまでキャプチャーされてチェックされてるというのは予想していなかった。そこはていねいにやっておいてよかったです(笑)。

そこでミノリ画伯のメモがちょっと話題になったらしいんです。 ミノリは性格よし、気立てもよし、頭の回転も早く一生懸命に頑張る子。パーフェクトすぎて嫌われるのではと懸念し、じゃあ欠点を作ろうと。“字が汚い”という案もあった けれどそれはかわいそう過ぎるということで、“絵が下手くそ”という設定にしようと。ミノリの描いたシロエの似顔絵があまりにも…なレベルなのですが、あれはサテライトの中のまったく絵心のないスタッフに描いてもらった絵です(笑)。その辺も視聴者の楽しみのひとつになってるんでしょうね。作業は多くなってしまうけれど、こちらとしても発見される喜びがある。


―――これだけキャラクターが豊富なので、視聴者も誰かしらに感情移入できるんでしょうね。

石平監督:キャラクターが抱えている悩みがそれぞれなので、自分と近しい悩みをもってるキャラがいるのかもしれませんね。
 

―――アフレコ現場は和気あいあいとした感じですか?

石平監督:そうですね。シロエ役の寺島拓篤さんが本当に座長という感じで、真ん中にどっしりといてくれる。原作も相当読み込んでくれているので、初めて参加する人にも詳しく説明してくれたりして。直継役の前野智昭さんとアカツキ役の加藤英美里さんはめちゃくちゃゲーマーなので、ゲームの話になるとすごい。

ログホライズン そこで、にゃん太役の中田譲治さんはニコニコしながらうんうんとうなずいてますね。年少組は役柄ほぼそのままという感じで、そこにキャリアのあるルンデルハウス=コード役のカッキー(柿原徹也さん)を混ぜたのは、“大地人”としての異質さを表現したかったからなんですね。予想以上にいい感じにまとまったのでよかったなと思います。


 

―――ゲームに詳しくない人にもやさしい作りですよね。例えば“dボタン”(データ放送)でゲーム用語の解説が読めたり。そのコマンド操作がゲーム感覚に似ていて面白いと思いました。
 
苗代P:NHKではずっとデータ放送をやっているんです。ゲームの世界がアニメになるというのはNHKでは初めてのことなので、用語の解説にはうってつけだなと。デザインも、アニメの世界観に合わせたテイストです。ポップアップ表示が視聴の妨げになってしまう心配もあったのですが、今回はゲーム世界に飛び出る用語解説がハマったラッキーな例だと思います。実際のアクセス数で見てみても、ふだんは天気予報や朝ドラや大河ドラマなどが高いのですが、「ログ・ホライズン」もかなり割って入ってきていて、本当に親和性が高かったんだなという実感もあります。


―――ゲームの世界に閉じ込められるって、よく考えるととても怖いことですよね。そういう風に考えていくと、ゲームに没頭することの恐怖みたいなことまで考え始めてしまいます。

ログホライズン 石平監督:「この世界に来て死ねなくなった」「じゃあ生きるって何?」ということが、逆に提示されていると思います。ほとんどの登場人物たちがゲーマーなので、その子たちがどうやって周りとつながっていくのか。むしろゲームという無限にある命だからこそ、どう人と向き合って、どうコミュニケーションをとっていくのかというお話なんです。



苗代P:もともとの原作小説ファンは少し年代が高いようですが、アニメではローティーンの視聴者層の人気も高いんですよ。ゲームに詳しくない小学生にも人気がある理由としては、ベタな表現ですが、友情や他人への思いやり、人と人とのつながりな どを感じてもらえているのかなと。Eテレのコンテンツではありますが、お堅くなり過ぎず、あくまで娯楽として面白い演出に落とし込んでもらっているので石平監督には感謝していますね。
 

―――海外からの評判も上々と聞きました。

石平監督:そうみたいですね。でも、まずはお膝元で楽しんでもらわないことには先がない。だから絵文字も混ざってはいるけど、文字は漢字とカタカナのみなんです。最初は「英語表記どうだろう?」という意見もあったのですが、「日本のサーバーでやっているから基本的に日本語の表記じゃないとおかしい!」というところに落ち着きましたね。物語自体の組み立ても日本人らしいので、正直そこまで海外でウケるとは思っていませんでした。

苗代P:海外からの反応に関しては、正規に配信されているところだと、英語版だったら北米だけじゃなく、北欧やカリブ海でも見られていたり、地域的な広がりはすごいなと思います。たとえば、フランス語版の評判を聞くと、他のアニメ作品だとファンの8割を男性がしめるらしいのですが、「ログ・ホライズン」は男女比が半々で、女性層にも人気があるらしい。本当に幅広い層に受け入れられているみたいです。
 

―――最後にファンの方へメッセージをお願いします。

石平監督:原作を読まれている方に関しては、「あれをどうするの?」というところを楽しみにしていただいて。原作を知らない方には、「いったいこの後どうなるの?」と、なかなか意外な話になっているかと。今後はゴブリンの戦争とは違う意味での戦い、「戦闘だけが戦いではない」という話になってくるので、引き続き見応えのあるものに仕上がっています。またアカツキとシロエ、並びにそこに横やりを入れてくるような人物がいつつ、実はこっそりとシロエを見ている人がいたり。また、青い鎧のメガネの人とお姫様がどうなるのか。そんな人と人との関係性にいろいろな展開があるので、ぜひお楽しみに。

ログホライズン ログホライズン ログホライズン


―――ありがとうございました。

(取材・文・写真/山崎佐保子)


■番組情報
毎週土曜日Eテレ午後5時半~ 放送。
※今シリーズは、3月22日放送の25話まで。
 4月5日(土)~ 再放送スタート。

(C)橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP

画像一覧

関連作品

ログ・ホライズン

ログ・ホライズン

放送日: 2013年10月5日~2014年3月22日   制作会社: サテライト
キャスト: 寺島拓篤、前野智昭、加藤英美里、中田譲治、山下大輝、田村奈央、松井恵理子、柿原徹也、原由実、高垣彩陽、久野美咲、逢坂良太、梶川翔平、雨宮天、佐藤奏美、村田太志、高橋未奈美(旧名義)
(C)橙乃ままれ・KADOKAWA/NHK・NEP

関連シリーズ

ログイン/会員登録をしてこのニュースにコメントしよう!

※記事中に記載の税込価格については記事掲載時のものとなります。税率の変更にともない、変更される場合がありますのでご注意ください。