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―――描かれているゲーム自体、コミュニティのシステム作りが中心だったりするので大人向けな感じがありますね。
石平監督:「ドラクエ」のつもりで始めてみたら、「シムシティ」でした、みたいな(笑)。
―――確かに(笑)。今はゲームも多様化していて、いろいろな意味で“余白”のあるゲームが増えていますよね。そういったゲームにおける“自由度”の提示にもなっているのかと。
石平監督:そうですね。「ログ・ホライズン」の中に存在する「エルダー・テイル」というゲームを、実際にプレイしてみたいなと思わせるのもひとつの目標でしたね。
―――原作のイメージとアニメーションの間に違和感を感じさせない見事な演出でした。MMORPGもプレイしたことがあるのですが、「ログ・ホライズン」のメニューの広がり方やステータス画面には引き込まれました。
石平監督:脚本会議でもかなり時間をかけた部分ですね。「ログ・ホライズン」に関しては、自分ひとりではものごとを決めないようにしてるんです。桝田さんからも、ままれ先生からも、プロデューサーの苗代さんからも、なるべく幅広く意見を聞きつつ、原作でビジュアル化されていないものは「こんな感じかな?」と確認しながら進めています。
―――ままれ先生とは、脚本会議でどのようなやり取りをされているのですか? 原作チームと一体になって進めている感じですか? 石平監督:シナリオに関しては、事前に読んでもらってチェックバックとしてコメントをいただくこともあり、直接会うこともあるのでその席でいろいろお話ししたり。キャラクターの原案を描かれてるハラカズヒロ先生とも同じ感じです。「アニメはアニメだから」という作り方ではないですね。
―――それが、多くの原作ファンがアニメに違和感を抱いていない理由なのかも知れませんね。ちなみに石平監督は、どのキャラクターが一番好きなのでしょう? 石平監督:最初にハマったのは、デミクァスです。確実にオレもああなるだろうと(笑)。ゲームの中らしいけどどうせすぐ戻れるだろうからと暴れちゃうんだけど、暴れてみた結果帰れないことを知り愕然とするという。とりあえず何でも試そうとはすると思うので、あのデミクァスの感じは放っとけないというか。真面目な話でいくと、トウヤとミノリですかね。「エルダー・テイル」のほぼ初心者で、右も左も分からないままその世界に放り込まれてしまう。主人公はシロエだけど、トウヤとミノリは知らない側、つまり原作を読んでない人目線の主人公なので、なるべくていねいに拾うようにしました。本当はミノリの脱出する前の話とかもう1本くらい描きたかったんですけど、そこは泣く泣く削り……。そこは原作を読んでもらえると、「ああ、この時トウヤはこんなことを考えていたんだな」とわかってもえらると思うので、それはそれでいい相乗効果かな。
―――なるほど。 石平監督:あと若干チャレンジだったのは、4話までアクションして以降、ほぼアクションなしの会話劇だったことですね。しゃべってるだけで盛り上がるという、自分でもよくうまい具合にいったなと(笑)。手を替え、品を替え、モノローグの時に後ろに”幽霊”を置いてみたりしたんですけど、やはり原作のセリフが面白いのでそれは原作のよさなんだなと思います。
―――ちなみにシロエもメガネ、クラスティもメガネ、ヘンリエッタもメガネで、メガネネタがありますよね(笑)。 石平監督:シナリオ会議の時に出たネタで。これは桝田さんが言っていたのですが、シロエがメガネをずりあげた時に、視聴者が「あ、こいつ何かやるぜ」と思うようになったら面白いねと。それでメガネには全員それをやらせていて、さらにミチタカやマリエも“エアメガネ”をやるので(笑)。
メガネ = 策士