富野由悠季、自身が監督を務める新作アニメ(過去作リメイク)を発表! 米ハリウッドとの提携作品の第1弾として

2014年01月21日 17:010

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富野由悠季さんが監督を務める新作アニメーションが発表された。タイトルは未定。

 

 

「機動戦士ガンダム」総監督・富野由悠季、1月21日に記者会見を実施! 米ハリウッドとの提携作品について

 

これは、1月21日にアニメ「機動戦士ガンダム」の原作者/総監督として知られる富野さんなど多くのクリエーターが所属するプロデューサー集団・株式会社(※3つの"風"で構成された漢字、読み:オオカゼノオコルサマ)が実施した記者会見で明らかになったもの。


記者会見には、同社の木場カオリ社長と富野由悠季さんのほか、「日本の漫画やアニメを原作とした映画作品をハリウッドから世界市場へ送り出す」ことを目的とした共同事業のために同社が業務提携する米ロサンゼルスのLegacy Effects社より、4人の創業者(John Robert Rosengrantさん、Shane MAHANさん、Lindsay MCGOWANさん、J. Alan SCOTTさん)が参加。また、日本のクールジャパン政策との絡みで、経済産業省商務情報政策局の文化情報関連産業課課長・佐合達矢さんが出席したほか、政治家の麻生太郎さんと鴻池祥肇さんからは祝辞も。


木場社長は、日本アニメ業界の現状(製作委員会方式や映画製作の仕組み)に言及し、日本のアーティスト/クリエイターが世界で活躍できる(ハリウッドなどの世界的作品にも参加できる)システムや世界市場からの利益を原作者/クリエイターにしっかり還元していくシステムを構築することを会社の目標として説明。

富野由悠季さんは、提携作品の第1弾について発表。第1弾作品は実写映画ではなく、富野由悠季さんが監督を務める新作アニメーション作品となる。権利関係の問題が調整中であるため、現時点で具体的な作品名は出せないが、過去作のリメイクとなる可能性が高いという。制作スタッフは未発表。ただ、有名クリエイターが続々と参加を表明しているとのこと。富野さんは、昨年11月までLegacy Effects社が日本アニメや富野監督作品についてリスペクトを持っていることをまるで知らなかったと前置きし、この会見がLegacy Effects関係者の来日にあわせて急遽前倒しで開催されたものであるために具体的なタイトル発表まで至らなかったことを謝罪しつつ、以下のとおり語った。



・富野由悠季コメント
僕自身の今日までのキャリアでいえば、TVアニメ発で作品を発表してきましたし、第1作目についていえば、まったくの新作でやるというリスクを犯すわけにはいきませんので、過去のものからリメイクする可能性を考えて今日まで1ヶ月半ほどオオカゼのスタッフにはがんばってもらいましたが、権利関係の問題をクリアするまでには至っておりませんので、今日ここで僕の口からお話することはできません。…が、ここまでお話すればどういうものが製作されるのか想像がつくのではないかと思っています。

僕は「ガンダム」で映画を作りましたが、TV版を再構築したものなので、新作を作ったと思ったことはありません。ただ、他のアニメ監督や映画監督と違って、いろいろな手法でやらせてもらいました。だから、今回も"俺だったらこうやれる"という自惚れがございます。リメイク映画で成功したというものはあまりないので、"成功させるためにはこうするんだよ"と示したい。

(新作映画は)死ぬまでにやりたいなと思いながらも、権利問題とともに資金集めに苦労し、この10年は自暴自棄になっていました。でも今回、だまされたと思って乗ってみました。まず、とりあえず作ってみせたいですし、企画として1~2本ほど考えています。例えばそれが「ガンダム」であっても"俺だったらこういう作り方ができるぞ"と少しは思っています。そして、「ガンダム」でいえば、今は僕の知らない「ガンダム」がいっぱいありますけれども、僕はそういうのに混ざりたくありません! じゃあ何なのか?ということで勢いに任せてしゃべると怒られますので (中略) どうしてこうなったかというと、みんな、Legacy Effectsの連中……こいつらの都合に合わせたかったから。当初予定していた3月末から2ヶ月も繰り上がればこう(=タイトル発表ができない状況に)なるでしょ!! ということです。以上。



また、今回の提携で重要なことは"富野作品の映画化"ではなく、"2社をベースに日本の映像コンテンツが世界に出て行くこと"と強調し、「そういった作品の制作基盤を東京とハリウッドに作っていきたい」「その第1手として僕が便利だったからここに立たされた」「アニメファンや関係者、日本の誰もが"富野がハリウッドとやれる"とは信じていなかったでしょう」「新しい制作現場を手に入れたい」「Legacy Effects社との提携は新型の戦闘機にでも乗る気分」「87歳までの間にもう1本や2本、新作が作れるのではないかと信じていますし、そのためのフィールドとしてはとても良いものだと思っています」とも。ちなみに、"87歳"という年齢については、現在91歳のアラン・レネ監督を目標にしてのことだという。

Legacy Effects社は、「富野監督と日本のチームと事業提携をすることができ非常に興奮しています」「原作者と監督のビジョンを守りながらサポートし、キャラクターたちに命を吹き込ませていきたい」「各チームのアイディアを取り込み、実写映画とアニメ間のギャップをなくしたい」とコメントしている。

このほか、両社は、岩波書店の児童文学作品も実写映画化する予定。日本の既存ファンを裏切ることのないよう、コンセプトワークを日米共同で行い、脚本や映像の制作は米国サイドで行う。


なお、Legacy Effects社は、「アバター」「アイアンマン」「Xメン」「パシフィック・リム」などのハリウッド作品に特殊スーツや特殊メイクを提供している世界トップクラスのSFXスタジオ。7月25日に公開される新ハリウッド版ゴジラ「GODZILLA」でも制作を務めている。


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