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現在大ヒット上映中の、スタジオジブリ制作の劇場版アニメ「かぐや姫の物語」だが、衝撃的な事実が明らかとなった。本作では、主人公のかぐや姫に次ぐ第二の主人公として、かぐや姫を育てる「翁」の存在が非常に大きく、その「翁」の声を、2012年にお亡くなりになった地井武男さんが担当していることでも話題となっているが、何と、その地井さんが演じる「翁」に、影の代役がいたことが判明。それが、俳優でタレントでもあるあの三宅裕司さんだったというのだ。
制作期間が8年にも及ぶ超大作の「かぐや姫の物語」であるが、地井さんの声をプレスコで収録したのは2011年夏のこと。しかし、2012年6月に残念ながら地井さんはお亡くなりになり、公開を間近に控えた2013年夏、セリフの変更や息づかいの声を調整するためにキャストのアフレコ収録の時期を迎えたという。当初、制作陣は過去に地井さんが出演した作品や番組から音声を抽出し組み合わせる手法を検討するもうまくいかず、温かみのあるあの声の再現方法を模索していたが、そんな時、やさしさを含んだ独特のかすれと高い声をもつ三宅裕司さんの名前が高畑勲監督から上がったという。
その依頼を受けた三宅さんは、突然の依頼に当初「地井さんが真剣に強い思いで取り組まれ、さらに映画として遺作となった作品に自分の声を重ねるなんて…」ととまどいもあったというが、しかし、作品の完成を見届けられなかった地井さんの無念さを思うとともに、当時ご自身も大病での入院から復帰できたことや、生前にさまざまな場面でやさしい声をかけてくれた地井さんへの感謝の気持ちが重なり、とまどいは大きな使命感へと変わっていったという。役を引き受けた三宅さんは、一部代役ということに観客がとまどい地井さんの熱演に集中できなくなることを恐れ、自分の名前を一切公表しないことを望んだというが、ジブリ側からの「エンドロールは観終わった人がみるもの。映画の記録として三宅さんの名は残したい」という提案と希望により、エンドロールにだけ「三宅裕司(特別出演)」と名前を載せることになった。その後、エンドロールを観た観客から「どの役柄で?」と問い合わせが多く寄せられたことから、この度情報を公開することになったものだ。
アフレコ当日は、夕暮れの竹藪の中でかぐや姫を必死で探すシーンで「どこへ行ってしまったんだよー。おーい、姫よー」というセリフや、姫が月へ帰ってしまいシクシクと泣くシーンの息づかいなど計6シーンを熱演。高畑監督は三宅さんの声を聞くやいなや「誰が聞いても違和感がない。地井さんそのものだ」と大満足。1発OKが相次ぎ、アフレコはたった10分で終了したという。
なお、アフレコを終えた三宅さんのコメントと、それを受けての地井さんの事務所のコメントは以下の通り。
・三宅裕司さんコメント:
地井さんにはずいぶんお世話になっていましたので、これで恩返しができたかなという気持ちが強いです。その気持ちが大きくて今回の件も引き受けさせていただきました。
・地井武男さん事務所コメント:
三宅さんのお力添えで仕事をまっとうできたことに安堵し、感謝しております。