ボーカロイドに関するアンケート調査結果が発表に! 好きな音楽ジャンルで第8位、初音ミク認知率95%、30代の4割はTVがキッカケ

2013年02月26日 16:420

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◆ 初音ミクの認知率95.0%
ボーカロイドの代表格である《初音ミク》の認知の程度を聞いたところ、「どのようなものか知っている」は56.4%、「名前は知っている」は38.6%と、それらを合計した認知率は95.0%に。年代別で見ても、10代から30代すべてで9割超と、広く認知されている。


◆ "ポスト初音ミク"は「Megpoid」?「IA」?若年層で認知が広がる
次世代にあたるVOCALOID3シリーズの中で、昨今注目を集めつつある《Megpoid(メグッポイド)》、《IA(イア)》、《蒼姫ラピス(アオキラピス)》の認知の程度を合わせて聞いたところ、声質の違いなどで複数のバージョンが発売されている《Megpoid》の認知率が23.7%、VOCALOID3で初登場し、透明感のある声質が話題となった《IA》の認知率が17.5%、スマートフォン(iOS)アプリも登場した《蒼姫ラピス》の認知率は12.3%となった。これらの製品(キャラクター)の認知率は音楽の作編曲を好む層や若年層で高く、今後、このような製品の中から"ポスト初音ミク"が誕生することもあるかもしれない。


◆ 初音ミクを知ったきっかけに年代差、30代は「TV」が4割強
初音ミクを知っている950名に、初音ミクの認知経路を聞いたところ、「動画共有サイト」が36.5%で最も多く、僅差で「TV」(34.2%)が続いた。動画共有サイトを介して初音ミクを見知った割合は10代(42.4%)や20代前半(53.2%)でより高く、TVを介して見知った割合は30代前半(41.7%)や30代後半(42.0%)で高くなった。この結果について、ボーカロイド技術の開発元であるヤマハ株式会社に意見をうかがったところ、「2010年に行なった街頭調査では、初音ミクを知っている方は6割半程度、30代では5割に達していませんでした。また、TVやラジオを見て知った、という方は当時1割もいませんでした」とのこと。動画共有サイトで若年層を中心に盛り上がりを見せた後、UGC(自主制作コンテンツ)の成長事例としてTVなどのニュースで取り上げられたことで、より認知を広めていった様子がうかがえる。


◆ 気に入った無料コンテンツ制作者への少額寄附意向56.5%、ボカロ曲ファンでは77.6%
全回答者(1,000名)に対し、気に入った無料コンテンツ制作者に対して、少額のお金を寄附してもいいと思うか聞いたところ、「積極的に寄附したいと思う」が4.5%、「寄附をしてもいいと思う」が52.0%と、合わせて56.5%は寄附の意向があることがわかった。また、ボーカロイド曲を好む層では、寄附の意向は77.6%とより高くなっている。楽曲の制作者やイラストや動画などの二次創作者、それらのファンなど、ユーザー(個人)が成長を牽引してきたボーカロイド曲の愛好者たちの中には、コンテンツの作り手を支援したい・してもよいと考えている方が増えてきているようだ。


◆ 4人に1人がボカロ曲制作やDTMに「挑戦したい」
作編曲に関連する機能やソフトについて、利用経験と今後の意向を聞いたところ、《携帯電話の着メロを作成する機能やソフト》では「使った経験がある」が20.5%と2割となったが、その他の音楽制作・編集ソフト・アプリでは、利用経験率は1割以下に。まだまだ音楽編集ソフトなどの利用が拡大しているとは言えない状況のようだが、今後挑戦したいと考える人は多いようで、《DAW/DTMソフト(音楽編集・作成ソフト)》では「経験はないが、今後挑戦したい」が23.3%、《ボーカロイドソフト(歌声合成ソフト)》では25.1%と、およそ4人に1人の割合となっている。また、ボーカロイド曲を好む層では、これらの利用経験、挑戦意向がより高くなっており、ボーカロイド曲が音楽制作に興味を持つ入り口になっていることがうかがえる。


◆ 3人に1人がゲーム感覚で音声合成のできるアプリの利用意向あり
スマートフォンやタブレット端末の音楽編集・音声合成アプリでは、「経験はないが、今後挑戦したい」とする割合が他の項目よりも高く、《スマートフォン・タブレット端末の音楽編集アプリ》では32.3%、《ゲーム感覚で音声の合成ができるアプリ》では32.5%と、およそ3人に1人の割合で挑戦したいと考えていることがわかった。直感的に操作できるアプリや、ゲーム感覚で音声の合成を経験できるアプリなどによって、制作に参加する敷居を低くすることで、今後、音楽制作を楽しむユーザーが増えていく可能性がうかがえた。

 

◆東京工芸大学芸術学部インタラクティブメディア学科教授・久原泰雄(専門分野:サウンドアート)コメント
歌声合成技術は昔から研究されていて、決して目新しくはないですが、ボーカロイドの社会的影響は音楽産業の構造を変えるほどのインパクトがあります。ボカロ曲は動画投稿サイトで誰もが自由にアップロードやダウンロードして広がっていきます。権利で縛られた窮屈なコンテンツではなく、自由に二次利用できる作り手と見る人に優しい環境で創造がリサイクルされていきます。「XXに歌わせてみた」や「XXを歌ってみた」などの二次創作は作り手だけでなく、見る人の意欲を刺激し、創作の連鎖反応を誘発します。誰でも音楽を聴くことは好きですが、作曲となると敷居が高くなります。ボーカロイドは歌詞とメロディを入力し、歌声ライブラリに歌わせて曲を作っていきます。音楽理論を知らなくても、メロディは誰にも心の中に育まれており、この心のメロディをボーカロイドという新しい音楽語法によって表現し、作曲するのです。ボカロ曲が作曲を始めたいという動機付けの要因になっていることも不思議ではありません。今後、作り手層が拡大し、個性的なコンテンツが続々と創作・発信されることが期待できます。

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