アキバcmd 第6回「Fusion」

2011年03月11日 13:000

※本コンテンツはアキバ総研が制作した独自コンテンツです。また本コンテンツでは掲載するECサイト等から購入実績などに基づいて手数料をいただくことがあります。

アキバcmd 第6回「Fusion」



AMDのGPU統合型CPU「Fusion APU」を搭載した製品が、各ショップで好調な出足となっている。

Fusion APUは、IntelのAtomのような、小型マザーボードや組み込みに向いたGPU統合型CPU。DirectX 11対応のGPUと動画再生支援機能「UVD3」の内蔵し、小型ながら高いビデオ性能と省電力性をあわせ持つ製品だ。2月に登場した初の製品となるASUS「E35M1-M PRO」は、今でも入手しにくい状況が続いている。

そこで今回のアキバcmdでは、これまで発売されたFusion搭載製品をまとめてご紹介! 各店の店頭売価や売れ筋もあわせてお伝えする。

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まず、これまで発売されたFusion搭載製品は、マザーボードとベアボーン・自作PCキットの2種類に分けることができる。マザーボードはASUS(2モデル)、ASRock、GIGABYTE、SAPPHIREの4社5モデルで、ベアボーン・自作PCキットがZOTACとGiadaの2社2モデル。

現状で7つのFusion搭載製品が発売されており、いずれにもFusion APUとして「AMD E-350」が、チップセットに「A50M」(Hudson M1)が搭載されている。


●マザーはMini-ITXがメイン、PCI×2構成のMicroATXも
各社フォームファクターはMini-ITXを採用。2機種をラインアップしているASUSのみ、MicroATXモデルも用意している。

人気が高いマザーボードは、MicroATXを採用するASUS「E35M1-M PRO」。Fusion搭載製品としては、2基のPCIスロットを装備する唯一のモデルとなっている。手持ちの拡張ボードや、チューナー・キャプチャーカードを活かせる構成が、店頭で人気を得ている理由と語るショップも多い。

各店で再入荷後も品切れになっており、パソコンハウス東映やテクノハウス東映では、並行輸入して対応する状況となっている。

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ASUS「E35M1-M PRO」
価格は14,480円~[toei-t,toei-p,ark,cl199ex,sof_ka,TT,DP]

次に人気を集めているのがASRockやGIGABYTE。両モデルともシンプルな構成となっており、ASRockは低価格、GIGABYTEはFusion搭載マザーの標準モデルという印象。各店での売れ筋はASRockがややリードしており、GIGABYTEはそれに追随している。

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ASRock「E350M1/USB3」
標準的な構成を採用するマザーボード。だが実売価格は1.2万円と、他のモデルと比べて2~3千円ほど安い
価格は12,280円~[toei-t,toei-p,TT,DP,ARK,99ex,sof_ka]
GIGABYTE「GA-E350N-USB3」
価格もスペックも、Fusionとしては標準的な構成のマザー
価格は13,980円~[toei-t,99ex,sof_ka,TT,DP,cl1]

そして注目を集めているのが、SAPPHIRE「IPC-E350M1」やASUS「E35M1-I DELUXE」などの小型/多機能タイプ。いずれもMini PCI Expressスロット(ASUSは無線LANが占有)やBluetoothなどを搭載しており、豊富な機能が特徴だ。

また、ASUS「E35M1-I DELUXE」は、Fusion搭載Mini-ITXマザーボードのなかでは、現状で唯一のファンレスモデルで、その点も注目を集めている。

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SAPPHIRE「IPC-E350M1」
BluetoothやMini PCI Expressスロットを装備する。対応メモリはSO-DIMMとなっている
価格は16,800円~[99ex,toei-p,ark,TT,Cl1,sof_ka]
ASUS「E35M1-I DELUXE」
マザーボードを覆うサイズの大型ヒートシンクを装備する。ファンレス動作も可能
価格は18,480円~[toei-t,toei-p,99ex,sof_ka,TT,DP,Cl1,ARK,ZOA]

このほか、ECSからもMini-ITXが登場予定。1基のPCIスロットを装備しながらも、ASRock並みの価格を実現したモデルという。店頭価格は、とあるショップによると「ASRockよりいくらか安い」とのこと。なお、搭載チップセットが「AMD A45」(Hudson D1)となっているため、SATAは3Gbpsのみをサポートする。


●ブルーレイ内蔵のベアキットや3万円台の自作PCキットも
Fusion搭載のベアボーン・自作PCキットは、記事執筆時では2モデルが登場している。メーカーはZOTACとGiadaで、前者がブルーレイドライブを搭載した薄型ベアボーンキット、後者がHDDやメモリなどをあらかじめ内蔵した小型自作PCキットとなっている。

ZOTACであればVESAマウンタの対応、GiadaであればOSを用意するだけですぐ使える構成がメリットだ。

各店での反応は、マザーボードと比べると、あまり動いていない様子。ZOTACは5万円台と高価で、Giadaは高くもないが安くもないという具合。このため店頭での反応は、薄いという意見が多かった。

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ZOTAC「ZBOX-AD03BR-J」
価格は53,800円~[99ex,ark,DP]
Giada「Giada A50」
価格は35,800円~[sof_ka]
※ショップ名
99ex=ツクモeX.、Cl1=クレバリー1号店、Cl_net=クレバリー インターネット館、P東=パソコンハウス東映、T東=テクノハウス東映、DP=ドスパラ 秋葉原本店、ARK=パソコンショップ アーク、TT=TWOTOP秋葉原本店、sof_ka=ソフマップ 秋葉原リユース総合館、ZOA=ZOA秋葉原本店


現状でFusionマザーの購入を予定しているのであれば、性能も価格も標準的といえるGIGABYTE「GA-E350N-USB3」を基準に考えるとわかりやすい。

たとえば、機能・用途別に考えた場合、手持ちのPCIカードやPT2を組み合わせたいときはASUS「E35M1-M PRO」、ノート用メモリを流用したいならSAPPHIRE「IPC-E350M1」、コストパフォーマンス重視ならASRock「E350M1/USB3」、無線LANやBluetoothを搭載し、さらにファンレスをしたいのならASUS「E35M1-I DELUXE」と、各社ともに色分けされている。

今後は、MSIやECSのマザーボードも登場予定となっており、ベアボーンを含めラインアップはますます増えていくことだろう。この1か月でAMD初のGPU統合型CPU製品は、順調な滑り出しを見せている。


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SAPPHIERIPC-E350M1」製品情報
□ZOTAC 「ZBOX-AD03BR-J」製品情報

【取材協力ショップ】:ツクモeX.&クレバリー1号店&パソコンハウス東映&テクノハウス東映&TWOTOP秋葉原本店&ドスパラ パーツ館&パソコンショップ アーク&クレバリー インターネット館&ソフマップ 秋葉原リユース総合館&ZOA秋葉原本店

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