K2Kさんの評価レビュー

【全体の感想】
このままではガンダム史上一番の駄作

―理由―
＜真似でしかない点＞
　「ＧＥＡＲ戦士電童」や歴代のガンダム作品で似ている。今までのガンダムの要素(赤い機体、3倍の速さ、仮面などなど)を色々詰め込もうとして内容が希薄になり、真似（＝ありきたり）でしかなくなっている。親子3代という世代をテーマに内包した点は今までのガンダムになかったので良いとは思う。だが、ドラゴンクエストの真似にしか見えない。
　レベルファイブ代表取締役社長である日野晃博氏がストーリー・シリーズ構成担当してしまったことに原因があると思われる。なぜなら、第1にゲームのシナリオに関しては上手いと思う。だが、そのやり方のままアニメを作ってしまった。第2に、日野氏の作品をやる限り、作品に深みも感じられなかった。そのため、日野氏本人の深みや厚みのなさを感じた。それが、アニメというゲーム以上に創り手の深みや厚みが重要な要素となる分野で、顕著に表れたと思うため。

＜キャラが薄く、魅力がない点＞
　上記のように過去の人気作品を自分達でパクっているため、制作サイドのキャラへの思い入れもなく、キャラを一個体として存在させられていない。他にも登場人物を描く期間自体が短く（3世代を描いているため）、急に主人公が大人にもなっている。また、いつの間にか死んでいるキャラも多すぎる。これでは深みのない、人柄がにじみ出ない人物表現しかできず、感情移入できるような期間もなく、子供の心にも残らないのではないだろうか。
　関連することとして、フリットとエミリー、アセムとロマリーがすんなり結婚し、エミリーとロマリーが何事もなかったかのようにのほほんと暮らしている。だが、エミリーなら、フリットの心には自分はいないことへの嫉妬やそれでも愛により、全てを包みこんでいること。ロマリーなら、アセムとゼハートへの恋心でアセムと結婚した後も苦悩する姿などこそ、人間らしいので描くべきだと思う。


＜疑問だらけの設定＞
　マーズバースディ計画によって火星へ移住を試みるが失敗。連邦政府は調査不足の責任から逃れるため居住者は全員死亡したと発表し、多くの生存者が火星圏に取り残された。その中さらにマーズレイの影響で死の病に苦しむ人々。だから、地球圏の人間を「地球種」と呼び、憎悪し、イゼルカントの元で地球種を滅ぼし、地球圏を自分達だけのものにしようという設定。
　だが、長距離航行ができるコロニー・宇宙船があるなら、マーズレイの影響下の火星にいる必要もない。また、死んだと言われても、何もしていない？。コールドスリープが可能なのだから、死病に罹った人々に特効薬ができるまで眠ってもらうことをなぜしないのか。
　
　イゼルカントは安寧に過ごす地球種に祖国に蔓延する「死の恐怖」を戦いを通じて伝えるとともに、地球種が生きるに値する存在かを生き延びるチャンスを与えることで試してきたという設定。
　だが、戦争での死の恐怖と病気での死の恐怖とは死の質が違うし、生き延びるチャンスを与えることと生きる価値がある存在かを試すこととは関連性がない。これは単に平和への一歩を築くというストーリーエンドを迎えるために無理やり作った感が否めない。
→39話にて、今までの発言は嘘っぱちで、真の目的は戦争のない世界を築くための優良種を探すことだった。だが、これも脚本家陣がナチスの考えをうわべだけをなぞって構築しているにすぎない。だから、優良種なら、エデンを構築できるという論理性のない設定になっている。そのため、チープな話にしかなっていない。

【フリット編感想】
演出でも３話目のプロローグではＵＥと遭遇する前だったのに、Ａパートでいきなり戦闘シーンになっており、何か私自身が見落としたのかと錯覚してしまう場面があり、また、戦闘シーン自体も分かりづらい、見づらいものにしている。これでは制作者側にもうオリジナル作品を作る創造性が乏しくなっているが、「ガンダム」とつけておけば多少ありきたりでも売れるだろうという意図があるのではと勘ぐってしまう。フリット編を過去と位置付けるなら、エンディングの古めかしさも納得できる。

【アセム編感想】
作画面では全体的に良くなっているとは思う。だが、エンディングのアセムが走っているシーンは下手すぎる。

【キオ編感想】
アセム編でのフリットの性格などからすると、キオ編でのフリットの年の取り方に違和感がある。主役級のキャラを簡単に、しかも安易に殺しすぎている。色々話を引っ張った割にあっけない終わり方だった。これではテコ入れできるように3部作にした意味がない。