あにわんさんの評価レビュー

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劇場版で完結してくれて本当に嬉しかった

観賞手段:テレビ、劇場
ネタバレ
 この当時のアニメは、1年にわたる3~4クール設定の作品が多かった。おもちゃを売るためにはムーブメントを作らねばならず、長期間の放映が求められたためだ。対して、現在のアニメは、小説やゲーム、漫画などですでにムーブメントがある状況から制作され、目的はメディアミックス展開による人気の底上げである。ゆえに、放映は1クールが主流であり、人気が続けば第二期以降に続いていくという形となっている。オリジナルアニメの方が貴重な存在となりつつある。
 70年代後半から80年代前半は、ガンダムやマクロスなどロボットアニメブームを迎え、また子供向けおもちゃ主体のスポンサー態勢が崩れ、長期放映タイプのアニメが衰退に向かった時期でもある。マジンガーやヤマトで育った世代が高校/大学に進学し、おませになって重厚な設定とストーリーを求めたのに対し、おもちゃ会社や文具会社は、子供向けの格好いい合体ロボットや明確な勧善懲悪、派手な戦いなどを求めた。ゆえに、実際にアニメを見る層とスポンサーがおもちゃや文具を売りたい層に壮大な乖離が生じ、会社が傾いてスポンサーが外れ、打ち切りの作品が頻出した。本作もそうである。
 バッフクランと地球人、二種属のファーストコンタクトの様を描くこの作品は、愛憎と生死がテーマである。とにかく死ぬし、生きている人間同士は憎み合う。愛情が生まれても死がそれを分かつ。それを救うのがイデだ。だが、TV放送版では3クールで打ち切りとなり、イデの発動で2種族共に全滅、イデの謎(救い)は明らかにされないまま終わる。このまま終わっていたら、イデオンは未完のとんでもアニメという評価であったと思う。
 イデがなぜ、2つの種族を悲惨な戦争に駆り立てるのか、無慈悲な死を演出するのかその理由は、劇場版2部作で語られる。その理由が、そのまま救いにもつながっている。劇場版で完結して本当に嬉しかった作品だ。
あにわん
あにわん
ストーリー
4.5
作画
3.5
キャラクター
5.0
音楽
4.0
オリジナリティ
4.5
演出
4.0
声優
4.5
3.0
満足度 4.5
いいね(1) 2013-10-20 20:29:27

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