宮崎駿マジックで印象が変わったファミリー向けルパン
観賞手段:テレビ
最初に劇場公開してから30年以上経つにも関わらず、
今見ても全く色あせない。
当時の興行成績としてはヒットしなかったが、
その間に何度か地上波放送されて徐々に人気を博し、
今はルパン三世シリーズの傑作として、
また宮崎アニメの代表作として定着している。
TVシリーズ版のルパン三世と比べて、キャラクター達の毒が抜け、
ファミリー向けに分かりやすい内容になっている。
何よりBGMと相まってストーリーのテンポの良さが心地いい。
無駄な説明を省き、その後のキャラのセリフ、シーン、立ち回りで
見る側にストーリーを補完させる。
そのテクニックは後に製作された宮崎アニメ全般に受け継がれているように感じる。
原作のルパンと言えば殺人、強盗なんでもやり放題の悪党だが、
本作のルパン(というよりTVシリーズのルパン)は
人は殺めず、悪党以外から盗みはせずのキャラクターを貫いている。
ちなみに、作中でカップ麺をすするシーンがあるが、
原作者のモンキー・パンチ曰く、ルパンはカップ麺を食べないらしい。
その様な庶民的なキャラ要素を取り入れていくのは
宮崎監督のエッセンスと言えるだろう。
声優、島本須美さんと言えばナウシカの役として有名だが、
私の中では本作のヒロイン、クラリスだ。
いわゆる80年代のアイドルを連想するような雰囲気で、
今のアニメでは見られない清純系キャラだ。
その健気っぷりはルパンだけでなく次元、五右衛門すら心動かされるほど。
そして、ラストで銭形がクラリスに言う粋なセリフは、
ルパンが世界一の泥棒であることを銭形自身も認めているように感じられる。
TVシリーズと違って中だるみが無く、見終わった後は清々しい。
ちょっと時間が空いた時に見るアニメとしては最適だ。
- ストーリー
- 4.5
- 作画
- 4.0
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.0
- オリジナリティ
- 3.5
- 演出
- 4.0
- 声優
- 4.0
- 歌
- 3.5
満足度
4.5
いいね(1)
2011-11-28 01:58:19
[2011-12-08 17:06:46]