ヒメキヌゲネズミさんの評価レビュー

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結末には賛否有るけれども、私は好きです

観賞手段:ビデオ/DVD
ネタバレ
ジオン軍の側から描かれている外伝。
MS同士の戦闘、というよりも、それを操る人間たちの物語、と言う感じです。
なので、一度の出撃で5機も6機も撃墜してしまうようなエースも、飛び抜けたMSも出てきません。(MS-18は量産機を蹴散らしましたけど)
最後に登場するガンダムも、「ガンダムだから強い、やられない!」みたいな無敵さが無くて良いですね。
ジオン側のMSと比べれば、遥かに強力なMSですけれども。
新米兵士の乗った、改修型とはいえ、(初代では)やられメカのMS-06にテストパイロットが乗っていたガンダムがやられてしまう。
○○合金なので、無限に弾を弾きます、的なロボットアニメを見ていた人間としては、衝撃的でもありましたし、リアルだな、という感想もありました。
また、バーニィとクリスが、お互いの立場を知らないまま、知り合って、淡い思いを抱きながら、戦場でお互いを認識することなく戦うという残酷さが、戦争の悲惨さをコンパクトに伝えていた気がします。
アルだけが、二人が殺し合って、バーニィが死んだことを知っている。
そして、それを自分だけの心にしまって、クリスに嘘をつく。
凄く切ないエンディングシーンです。
唯一の救いは、バーニィの身元が分からない状態で亡くなった事かな。

ちょっと、脱線しますが、小説版のポケットの中の戦争も読んだことがあります。
文章での描写も素晴らしくて、良作と言えるかもしれないかな、と思います。
が、気になる終わり方をしています。
それは、OVAではコクピット直撃で即死、身元不明のバーニィが、意識不明の重体、後に意識回復する、という結末です。
中立コロニーに潜入した上に、戦闘行為をして、機密機体を破壊する為の破壊工作までした兵士が、生存した状態で収容されて、その後、どの位の間、生きている事が出来るのでしょうか?
そして、その兵士と接触して、交流していたテストパイロットがどのような処分を受けるのか。
また、死闘を繰り広げて、殺そうとした相手が、恋心を抱いていた青年だったと知ったら?
小説版作者のあとがきによると、そういう意図では無く、「知らないうちに好きな人を自分の手で殺していた」というのは可哀想だったから、との事ですが、OVAよりも不幸で残酷な結末にしかならないんじゃないかな、との感想を持ちました。
ヒメキヌゲネズミ
ヒメキヌゲネズミ
ストーリー
5.0
作画
5.0
キャラクター
4.5
音楽
5.0
オリジナリティ
5.0
演出
5.0
声優
5.0
5.0
満足度 5.0
いいね(0) 2014-10-31 15:03:32

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