二日酔い＠引きこもりさんの評価レビュー

ハードのクオリティが高い一方で、ソフトがどうしようもない作品。

ここで言うハードとは、すなわち作品を構成する、キャラクター、作画、音楽、声優などの諸要素のことで、もう一方のソフトとは、ハードをつなげるためのストーリー（脚本）や見せ方（演出）であったり、それらをマネジメントする監督のこと。

この作品は、物語り（ソフト）が動き始めると、とたんにゲシュタルト崩壊を起こす。全体がチグハグとしている。それも回を重ねるごとに深刻化し、めまぐるしくかわる展開がストーリーにぽっかりと穴をあける。正直言って、視ていてチンプンカンプンだったところも少なくない。

本編が始まる前に公開されたPVは本当に秀逸で、あれだけで期待に胸をふくらませた。今期の神アニメは「これかな」とさえ思った。しかし、ふたを開けてみれば、やけに気合が入ったきらびやかな表紙だけの同人誌と何も変わらないのである。

個人的には好きな放送回もあったし、友達を武器にして戦うというテーマはすごく興味深かった。とはいえ、いろいろなものを盛り込みすぎて、作品の芯が終始みえなかったのは本当に残念。

PVのようにいらないところはざっくりと省き、必要なところを要所要所入れて、世界観を再構築してほしい。2期というわけではないが、次があれば見てみたい作品。