坂本夏樹さんの評価レビュー

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第11話ED

観賞手段:動画サイト
2023年は、世界的にもアニソンというジャンルが
また一つ次のフェーズに躍進した年でした。
単に人気アーティストが歌うOP/ED曲ではなく、
アニメ主題歌であることが、
楽曲制作のポテンシャルを更に引き出した、
相乗効果や化学反応の大成功が感じられた曲がとても多く、
ミュージシャン、音楽ファンとしても本当に楽しめました。

と、きれいに締めくくろうとしていた年の暮れに
この曲が世に放たれたのです。
100カノ第11話でのみ流れる特殊ED曲
「今日のエンディングは私が買い取ったから好きにしていいわよね♡」

2023年 アニソン ランキング
で検索してもらえればわかると思いますが、
普段アニメを見ないような方でも、タイトルを見ただけで
メロディが思い浮かぶであろう曲が沢山ランクインしています。
そんなこれからも永く愛され、語り継がれていくであろう
まさに名曲と呼ぶにふさわしいアニソンの数々を
「今日のエンディングは私が買い取ったから好きにしていいわよね♡」
は、トラウマ紙一重なぶっちぎりのテンションとインパクトで
軽々と飛び越えて行きました。

名曲、という括りには個人差があるし、
20223年で言えば、紅白に出た、とか、
お茶の間でどれだけ話題になったかも
もちろん関係してくることは理解しています。
でも、一旦とりあえず全部置いといて
「今日のエンディングは私が買い取ったから好きにしていいわよね♡」
を、聴いてください。
聴けばわかる、という言葉がこれほどまでに
ハマる曲はありません。
可能であれば、アニメ第1話から順に追って
11話EDで出逢うことで、
より深く突き抜けた世界観に浸ることが出来ます。
Youtubeに公開されているノンクレジット版も
素晴らしく力のこもったアニメーションを
じっくり堪能出来て素晴らしいです。
花園羽々里(上坂すみれ)楽曲としてリリースされている
フルバージョンも必聴です。

曲タイトルをサビ始まりのサビ頭に持ってくる
アレンジは王道ですが、
まさか、この曲タイトルを曲頭にフルで持ってくるとは。
こんな王道は聴いたことがありません。

そして、上坂さんの演技力。
怪演という感想が散見されるその振り切れ度合いに
注目が集まるのもよくわかりますが、
真の凄味を味わえるのは、
フルバージョンで聴くことの出来る2番Aメロ。
この4小節だけで、
ストーリーと羽々里のキャラクター性を
完璧に表現し切ってしまう声の表情の豊かさと、
感情の切り替えの鋭さから伝わる表現者としての懐の深さ。
その底の見えぬほどの懐の深度にこそ
本当の「怪」を感じずにはいられません。

作詞曲、アレンジも、上坂さんの演技力に負けず
攻めに攻められまくっていますが、
あくまでも楽曲のスパイスとなるように
緩急が綿密に編まれていて、
ここにもただ事ではない「怪」を感じ
クレジットを見たところ、納得しました。

なるほど、攻めに攻めているわけではなかった。
ただただこのチームでの音楽愛を突きに突き詰めた結果
だったのです。
しかもこのチームであれば、
それを楽しんでやられていることが容易に想像出来ます。
そんな常軌を逸した音楽愛が、
突き抜けた作品の世界観と
高次元で融合出来たからこそ生まれた楽曲なのです。

「今日のエンディングは私が買い取ったから好きにしていいわよね♡」
は、名曲やランキングなどという括りを薙ぎ払って
僕を貫きました。
曲には人それぞれ好みがあって当然です。
でも、
「今日のエンディングは私が買い取ったから好きにしていいわよね♡」
は、確実に全人類の脳奥深くに
とにかく印象的に刻み込まれるでしょう。
プロレビュアー
坂本夏樹
坂本夏樹
ストーリー
-
作画
-
キャラクター
-
音楽
5.0
オリジナリティ
-
演出
-
声優
-
5.0
満足度 5.0
いいね(0) 2024-02-25 23:28:33

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