思春期モラトリアムアニメ
観賞手段:テレビ、動画サイト
よく見ないと全く分からない、よく見ても良く分からないアニメ。けど、ちゃんと「何か」を感じ取れるアニメです。好き嫌いはキッパリ分かれそう。
このアニメ面白そう!と見始めるアニメではないですが、暇つぶしに見始めるのとも違う不思議な作品でした
漂流教室をモチーフとしていますが、限られた資源を巡る醜い争いや、生き残り問題などは「能力」によって全く存在しません。
能力は重要な要素ですが、異世界・なろう系とは全く異なります。少年的な世界平和・自己犠牲精神と、大人の利己的な能力の利用をする算段の狭間を見るような感じでした。
一言で言えば、「思春期モラトリアムアニメ」です。静止によって引き起こされた永遠に続く中三という時間をどう悩むか、考えるか、そして誰もが最初に抱いたはずの戻りたいという気持ちが、どう変化するかというアニメです。何千年も過ごせば当然変わっていくものです。
見ている側としてもある意味、それなりの長い時間を生きているのは同じで、終盤のラジダニの言葉は視聴者にも語り掛けているようですべてが心に刺さりました。
全体を通して謎が多くあります。物語が進むにつれて明かされるものもありますが、多くが謎のままです。これがこうじゃないとおかしい!みたいな視点では見ない方がいいです。
個人的に11話は印象的でした。見た後は、この世界のしくみなんてどうでもよくなりました。この世界はそういうもんなんだと。悪く言えば妥協、でも寛容こそがリアル・「この世界」を楽しむコツの一つなんだと思います。
- ストーリー
- 4.0
- 作画
- 3.0
- キャラクター
- 4.0
- 音楽
- 3.5
- オリジナリティ
- 5.0
- 演出
- 4.5
- 声優
- 3.5
- 歌
- 3.5
満足度
4.5
いいね(0)
2021-12-04 00:06:42