YOU44さんの評価レビュー

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菊池風花という女神

観賞手段:テレビ
「弱キャラ」という言葉を知らなかった。
読みも「よわキャラ」だと思った。
「じゃくキャラ」だった。
反対語は「強キャラ」。
「つよキャラ」じゃない。「きょうキャラ」。
冒頭「人生はクソゲー」というセリフに
『神のみぞ知るセカイ』の桂木桂馬を思い出した。
彼はギャルゲーの達人だが
この友崎は「アタファミ」、バトルものだ。
もう一つ、友崎が屁理屈を言うシーンは
『俺ガイル』の比企谷八幡を彷彿する。
全体を通して『俺ガイル』の流れを感じる。
『神のみぞ知る』『俺ガイル』と違うのは
友崎がリア充を目指すところだ。
「弱キャラ」とは「冴えないキャラ」というより
コミュ障,ヒッキー、リア充でない、
自分に自信がないという意味のようだ

ヒロインの日南葵は逆に
「人生は神ゲー」と言い切る。
「アタファミと同じくらい」とその後
付け加える。ここで友崎のスイッチが入る。
「神ゲー」「アタファミと同じ」と聞いて
ゲーマー魂が覚醒するのだ。
神ゲーという「人生」と真剣に対峙しようと
決意する印象的なシーンだ。
「人生ってゲームをちょっと真剣に
プレイしてみることになった」
後に友崎が泉優鈴に言う」
「ゲームと人生が同じベクトルで語られる」
これって画期的なことだろう

「こいつプロか」友崎が日南を評する。
確かにコミュニケーション能力、人間観察、人物評、
心理分析、人生哲学と造詣が深い。
「すごくガンコというか、素直でね。
場が『こういう空気だから』みたいなのに
従わないのよ」
「その場の空気を動かして
コミュニケーションをとるタイプ」
「あなたはどうやら自分の考えを
そのまましゃべるのが得意みたいね」
「会話の経験値」
「会話での役割分担」
「会話が上手くなるには
①新しい話題を出すこと
②話題を広げること」
人生、生き方のノウハウ、マニュアルとしても
勉強になる

一番を目指すみみみの込み入った
感情と思考の描写が巧い。
その話を聞くたまも
わざとらしくなくていいい

日南の太もも越しの景色がいい。
太ももを入れたアングル、構図。
映画『卒業』のポスターもそうだし
「ゴルフサバイバル」の隠れた魅力もそこにある。
「文脈」を感じるという点で
小津映画に通じる気がする

個人的に当初から菊池風香に惹かれた。
声優が大好きな『リライフ』日代千鶴と同じ
茅野愛衣だと後で気付いて驚く

花火大会で結局風花に告白しなかった友崎。
「誰と仲良くするとか、誰かに告白するとか
そういう人とのつながりを
課題とか目標で判断しているのが
そもそもおかしいんじゃないのか」
救われるのは葵というオチでもある。
ラストが安易なマッチングでないのもいい。
含みのある良質な作品だ
YOU44
YOU44
ストーリー
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作画
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キャラクター
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音楽
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オリジナリティ
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演出
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声優
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満足度 4.5
いいね(0) 2021-04-23 06:41:00

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