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自分と主人公を同一視し、感情移入して虚勢を張りたい人向け

観賞手段:テレビ
ネタバレ
作品全体の内容の要点
1.主人公はウザい。…要点1
2.幼女を侍らせる。…要点2
3.承認欲求が強い視聴者向け。…要点3
4.物語は視聴者に成長を齎さない。

要点2は、アニメ公式サイトのトップページの画像から予想出来る。要点3は、なろう系なので疑う事が出来る。これらに対して要点1は、作品の中身を知る前から気付くのが難しく、大きな欠点だ。
要点2により、主人公は現実世界の、成功した家庭を演出する為に子供を作る人達の様であり、要点1が強くなる。また、幼女が子供らしくかつ従順であり要点3が強くなる。
他の異世界転生転移物語と同様に主人公がやたら周囲の人間に讃えられるが、この物語では、主人公が解決して讃えられ尊敬される為に作者が準備した様な問題が露骨に存在する。特に、幼女の母の体調を二段階の回復で治した時は。そうやって幼女に尊敬され抱きつかれもした。…要点2 …要点3
要点3により、主人公が誰かを助けるのは讃えられて承認欲求を満たすためであるのかと推測する。孤児院を助けたのも、周囲の人の賛同があったからこそ、正義の味方として讃えられる承認欲求を満たせたからではないか。例えば、現実世界に同性愛が悪であるというキリスト教徒の常識があったが、主人公がその様な問題にその様な状況で戦う事は、周囲の人の賛同を得られず、正義の味方として讃えられる事はなく承認欲求を満たせないのでしない。したがって、要点1が強くなる。
原作とアニメは登場人物が妙案を披露して驚かせる様な場面がなく、問題解決は熊装備の性能を利用するだけ、発明は現実世界の物を作るだけ。
原作を何話か読んで上記の要点が覆る事はなかった。

自分と主人公を同一視し、感情移入して虚勢を張りたい人や、子供らしいかつ従順な幼女を見たい人向けの作品である。物語を俯瞰する人には、要点1と要点3が特に不快になるので向かない。


他作品の「私、能力は平均値でっていったよね」と似ている。

共通点の一覧
・登場人物が可愛く、男も登場するが主要人物は女。
・戦闘があり、主人公が非常に強い。
・舞台が異世界で、見た目が中世欧州の様な場所である。
・物語は視聴者に成長を齎さない。

私能力平均の原作者FUNAはインタビュー http://labo.over-lap.co.jp/runner-03-funa/ で、注目しているなろう作品を聞かれ、くまクマ熊ベアーを挙げて、
「こちらは私が執筆活動を始めるための、最後のひと押しをしてくれた作品なので、思い出深い作品でもあります。」
と語る。

大きな相違点は、私能力平均が平等で、この作品は不平等である事だ。前者は、オープニングで主人公が強さと活躍を見せつける事はなかった。主人公は強かったのに仲間が従属せず、仲間の離脱の時助けても主従関係は生まれず、最終話で主人公へ仲間が付いてきた時でも自主的なもので平等だった。
その一方で後者は、オープニングの時点で主人公が強さと活躍を見せつけ、主人公だけが尊敬されている事をはっきりと示した。主人公は強い為仲間の弱い幼女が依存して従属し、雇っている事もあって、主従関係が生まれ離れられなくなり、更に経済格差を見せつけるので不平等である。…要点1 …要点2 …要点3


第二話の感想。最初に観た。

主人公は幼女の一人の得意分野な獣の解体ができないから、幼女に仕事を与えて侍らせる事ができた。…要点2
主人公はやたら豪華そうな料理を幼女と食べ、経済力を見せつける。幼女はパンの持ち帰りを要求して、経済力のなさを見せつける。アニメ制作陣は、主人公と幼女の大きな経済力の隔たりを見せつけて、主人公優位である事を示したいのかもしれない。…要点2


第三話の感想。

主人公は生態系が壊れそうなレベルで獣を狩るが、受付嬢から注意された様にも迷惑である。後に賢さを見せつけ様とするが、これと他の失敗の為に賢そうな印象はない。作者は主人公の常軌を逸する狩りの強さを見せつけたかったんだろう。…要点1 …要点3
主人公が殴って倒した冒険者のいるパーティの別の一人に恨まれて絡まれても、そのパーティの他の二人に擁護され、高い能力を見せつけてクエストを助けた後に謝られている。主人公が多数派に属するので、視聴者が主人公に感情移入するなら、承認欲求の強い人向けの場面だろう。…要点3
主人公が洞窟でゴブリンを窒息死させる賢さを見せつけて、作者は主人公が賢いという事にしたいのだろう。
主人公が解体を拒むのは、解体の技術を会得したら幼女に解体の仕事を回せないからだろうか。そうであれば、幼女を侍らせたい主人公の自分勝手である。…要点1 …要点2
そうではなく、助っ人の主人公は不要な労働を無理に頼まれ、本来は相手パーティの役目であるから、助けなくても出来る事は助けなかったのだろうか。
土地を買う時に少し権威のありそうな人から社交を求められる。…要点3
家を建てた時に幼女用の解体の場を作るが、それは主人公の家の中にある為幼女へ譲渡せず貸す。経営者が労働者に所有する生産手段を貸す事によって労働者は経営者に依存する様に、主人公が幼女に所有する生産手段を貸す事によって幼女は更に主人公へ依存する事になる。…要点2


第四話の感想。

相変わらず主人公がウザい。
主人公がその日初めて知ってから会う、会う前は不信感を持っていた領主に対して、人柄が良さそうだからという理由で心を許すのがいけない。現実世界の政府議員や中世の権力者などの支配者の大抵は主人公が貴族や王族について語る事と同じ事をする一方で、人柄の良さそうな感じを当然演出するのだが、しかし主人公は支配者についてゲームの世界での印象しか持ってないから、軽い気持ちでそんな事が出来るのではないか。…要点1
したがって、性格のみならず知能面でも劣り、熊の着ぐるみを着けなければ戦闘と魔法の能力もないので、無能な人が有能な装備を着けているだけだ。この事がここまでの話でわかる。…要点1
領主に剣を無料で渡して後で何か頼み事を聞いてもらう為に信頼のない口約束をしたのは、もし頼み事を聞かなかったら武力で領主を簡単に倒す事やアイテム収納で屋敷の物を盗む事ができて、領主は約束の反故ができないと考えたからだろう。作者がそれについて何も考えてない可能性もあるが。
自らが思う一般的な領主の印象を話して領主からの依頼を断ろうとした後に、その領主に逆らうなら街から出て行く覚悟があるのかと脅された時依頼の話くらいは聞こうと言ったのは、幼女好きな為に、恐らく同居している幼女の事が心配だったからである。…要点2
幼女は母の病気が悪化した時、家の前で立ったまま落ち込み主人公に泣きついたのは、子供らしさを見せる為だろうか。その幼女はしっかりしているので、子供らしさを見せなければ主人公から独立できて依存する必要のない人間だと視聴者に思われてしまう。…要点2 …要点3
この事が後述の理由(・幼女が金貨を貰い街の外へ行かないよう〜)で、主人公は幼女から悪人として見られていた説が生まれる。…要点1
主人公が幼女の母の病気を魔法で治した場面で作者は、主人公の行いが金を払われるぐらい凄い事であると伝えたかった様な気がするが、その様には受け取れなかった。


第一話の感想。第四話を観た後に初めて観た。

一話から観た人にはとても分かりにくく、異世界ではなく現実世界にある仮想現実ゲームの世界の様に見える。
主人公の為に少年が命をかけた。…要点3
村を襲う怪物と戦う依頼を聞いた地域と怪物と戦った地域が離れている為、二箇所の地域で二回も喜ばれた。…要点3


第五話の感想。

熊装備のスキルが増えて幼女を驚かせた様に、圧倒的な力でも変わりない同じ力であれば驚かれないので、スキルを増やしたのではないか。…要点3
主人公が鶏卵の生産を提案した。前述の理由より、賢そうな印象はない。
腐敗した役人が見るからに悪人で醜く孤児院以外の面でも腐敗していたので、不正を調査し恐らく追放した事は、主人公が善人側であるよい場面であったが、もしこの役人が孤児院以外について善人であれば、領主が主人公の指摘で追放しても喜ぶ人は減るので、簡単に主人公が善人側にはならず良い場面にはならなかったからこそ、悪人らしい悪人だったのではないか。…要点3
原作で、領主は人を襲って即日処刑した。もし、誰かがこの領主の腐敗を指摘したなら、その人は現実世界のカショギ氏の様に殺され事件が揉み消されるのではないか。だから、アニメでこの場面を消したのは良かった。恐らく、作者は主人公が世界を動かしたという物語にしたいので、それがわかりやすくなる様直ぐに殺したのではないか。…要点3


第六話の感想。

作画と発声で制作のミスらしきものを、それぞれ一箇所見つけた。
全体的に要点2である。…要点2


アニメ制作陣のミスと受け取られているらしい事について反論

・アクリル板らしい物はアクリル板と確定してないので、石油化学がなくても、製造には現実世界にはないが異世界にある物を使って造れるのではないか。もしかすると、景観条例で街全体を中世の様な外観にしていて、建物内のアクリル板は景観条例の対象外ではないか。これらの理由があっても、残念な事に中世の雰囲気は消え失せるが。
・街が綺麗なのは、清掃用の魔法や景観条例、異世界の血液型では綺麗好きな性格の人が多い、街が綺麗なほど国税が免除される等の理由があり得る。この様な理由が他の街にあってもおかしくない。
・街は賑わい商業ギルドもあるのに外に舗装路がないのは、狩猟が盛んだから獣が繁殖出来る様に、環境保護をしているのではないか。
・幼女が金貨を貰い街の外へ行かないよう注意された後に街の外へ行ったのは、その時金貨の価値を知らず、他の人に薬草取りをさせて負担をかけたくなかったからではないか。または、主人公の性格の悪さ感じたので、後でやりくるめられて、貰った金貨が借金になるのではないかと、その時は恐れたのではないか。だからこそ、第四話で主人公が幼女の母の病気を治した時周囲の人は主人公を貸金業者の様に見て、誰かに借金の負担を押し付けない様に、自ら金を払うと言ったのではないか。…要点1
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ストーリー
1.0
作画
4.0
キャラクター
1.5
音楽
1.5
オリジナリティ
-
演出
1.0
声優
4.0
1.5
満足度 1.0
いいね(0) 2020-11-12 14:23:57

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