YOU44さんの評価レビュー

「いかがわしき人間共め
わが苦しみと憎しみを知るがいい」
冒頭祟り神になったイノシシが言い残す。
終始探し求めるのは人間と自然の落とし所。
でもそこにあるのは
映画『シン・レッド・ライン』のような
累々とした屍。
収拾がつかない。手の施しようがない。
救いはアシタカにヒイ様が語った言葉か。
「くもりのないまなこで
ものごとを見定めるなら
呪いを断つ道が見つかるかも知れない」

ダイダラボッチは『エヴァンゲリオン』の
使徒に見える。
どうしても現在のコロナ禍を想起する。
祟り神もダイダラボッチも使徒も
自然破壊を繰り返して止まない
人類への警告と読める。
コロナもそれに連なる。
『ナウシカ』の腐海はまさに
コロナそのものだった。
腐海の胞子を人間が吸い込めば肺が腐る。
人間はマスクなしでは暮らせないのだ。
でも実際は腐海は自然再生をしていた。
環境汚染をし更に再生する腐海まで
燃やそうとする人類。
コロナも自然再生のプロセス、
人類の奢りへの警告と読むことも出来る。
このところ「世界の終わり」が
現実味を帯びてきた印象がある。
人類は大きな岐路に立っている