lostnetさんの評価レビュー

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日本人に馴染み深い要素かつ今この国で欠けているものが多々ある

観賞手段:テレビ
非常に良かった。その要素は主に2つに集約される。

1.ジャンプ漫画の王道とも言える要素をほぼ全部押さえている
2.大正時代が舞台ではあるが、日本昔話みたいな分かりやすく親しみのある要素を多く取り入れている。鬼を仲間を集めて退治するとかまさに桃太郎みたいなものだし。

これらを総合して言えるのは分かりやすくシンプルな物語になっているということだ。加えて個性的なキャラクター達。キャラクターもそれぞれバラバラに動かしてしまうと分かりにくくなってしまうところを隊という形でそれぞれ集める。そしてそれを率いる隊長達の存在。現実に例えると新選組みたいなものであり、これもまた日本人にしは親しみやすい。

アクションは属性にあたる柱と技にあたる型。この2つに集約されているのも、この属性のこの技といった感じでシンプルで理解しやすい。個人的には属性と技の組み合わせはナルトを思い出したし、呼吸に関してはジョジョの奇妙な冒険の波紋を思い出した。少し違う見方をすると刀というのはアクションシーンが魅せやすい特徴もある。少なくとも現実世界に存在しない武器よりは分かりやすい。刀が武器でジャンプというとブリーチよりはるろうに剣心の方を思い出した。

各隊の隊長達が主人公を含め自分達より若い隊士達に隊の長とは何か。力とは何か。剣士としての生き様とは何か等、様々な面で手本を見せているところが良いと思った。現実社会でも大人が子供達に対してもっと手本となる行動を見せるべきだと思う。情けない姿を見せてはいけない。それはこの作品も現実世界も同じだ。大人がこの作品に魅かれるのはそういう要素も大きいと思う。

敵がちゃんと強いのもこの作品の良さだと思っている。隊長クラスが戦っても簡単に倒せないレベルの敵がいるのはとても良い。この作品に限らず良い作品はかならず主人公側だけでなく敵にも魅力があるものだ。敵の魅力は個性的な性格とかもあるが、1番はやはり強さだと思う。主人公達を追い詰めるその強さこそ敵の最大の魅力であると思っている。

今の日本人が忘れているかつて昔に持っていた気概。大袈裟に言えば武士道精神みたいなのが詰まった作品であり、日本人がこの作品を見て魅かれるのは当然とも言える。加えて最初に書いたようにジャンプ漫画の王道の要素。昔話的な親しみやすさも相まってこれだけ人気なのだと思う。単にストーリーが良い、キャラクターが良いだけではここまでの人気は出なかっっただろう。

この国の現実世界は閉塞感があり先行き不透明であり多くの人が不安を抱いてる。この作品はそんな人達に日本人がかつて持っていた生き方を示してくれたと思う。主人公のように幾多の困難にぶつかっても色々なことを経験し、その経験を糧として己を成長させ困難を乗り越えていく。その姿に多くの人は感動したはず。そしてそれは現実世界で自分自身に必ず必要になることだと思う。

この作品の1番の魅力に家族愛をあげる人もいるが、それも現実世界でそれが大きく欠けているからではないだろうか。上記した要素の数々も含めてこの作品は今この国に欠けている物の多くを描いている。それが多くの人に受け入れられる要素となると同時に私も現実世界でこの作品の要素を取り入れ大人として次の若い世代への生き方の手本を見せないといけないと思った。
lostnet
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ストーリー
5.0
作画
5.0
キャラクター
5.0
音楽
4.5
オリジナリティ
4.0
演出
4.5
声優
5.0
5.0
満足度 4.5
いいね(0) 2020-11-12 21:34:34

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