大人たちが間違えると、子供たちも間違い続ける
観賞手段:テレビ
純愛ストーリーと呼ぶにはベクトルが斜め上を走りすぎて、理解できない恐怖が物語への興味の源泉となっています。
評価すべきは恐怖という核と共に、登場人物たちの多くは、歪んだ大人に「加工」された悲しい子供たちという設定にあります。
ひたすら愛を渇望するのは、今まで虐待を受けた過去の負債を取り戻したい執念に思え、違った一面「悲しさ」を感じさせる奥深さを感じさせます。
声優さんの演技も素晴らしく、ヒロイン(さとう・しお)二人は特に突出しています。
洲崎綾さんのしょうこは視聴者と同じ視点で描かれているキャラで、しょうこの演技が安定しているからこそ、胡椒のようなスパイスで、さとうの狂気が際立ってきます。
あさひを演じる花守ゆみりさん、この方がゆるキャン△のヒロイン・なでしこを演じているとは信じられない、影のある男の子を熱演しています。
作画も丁寧で終始安定しています。
難しい、人間の二面性の作画・演出も声優さんたちの熱演に負けていないクォリティーの高さを維持しているのには感嘆してしまいます。
OPのナナヲアカリさん、EDのReoNaさんの楽曲も、作品の世界観を引き立てる重要なファクターとして十二分に成立しています。
心配な点で言えば反社会的な問題を描いている以上、現実で類似の事件が発生すると大きなダメージを受けることです。
制作スタッフにとってはギャンブルのようで、アニメ化を進めた英断には素直に称賛したい気持ちです。
この作品をどのように着地させるのか、スタッフの手腕が問われる難しいオーダーですが、最終回に期待したい作品です。
- ストーリー
- 4.5
- 作画
- 4.5
- キャラクター
- 4.5
- 音楽
- 4.5
- オリジナリティ
- 4.5
- 演出
- 5.0
- 声優
- 5.0
- 歌
- 5.0
満足度
4.5
いいね(0)
2018-08-26 22:59:14