ふみたけさんの評価レビュー

ようやく録画していたものを見終わったので、今更にはなりますが、個人的なレビューを書こうと思います。

序盤から中盤にかけては、多少テンポの悪さはあるものの概ね満足でした。
特に、『selector』シリーズが好きだった身としては、るうやタマが出てくるだけでもテンションが上ったものです。
それに、終盤でのるう子とすず子が邂逅する展開は最高だと思いました。

しかし、それだけでした。
最終回まで見終わった時の率直な感想は、「別にやる必要はなかったよね？」でした。

『selector』シリーズにおいて、るう子が繭という少女を苦しみから救う事によって、戦いは終結した。
なのに、『Lostorage』では"何故か"再び戦いの幕が上がってしまう。
よくある続編の定番だとは思いますが、大事なのは"何故か"という部分。

その"何故"という部分が本作の『Lostorage』シリーズで明らかにならなかったのは、非常にいただけない。
「戦い続けたかった」という理由はありましたが、何故なのかは分からなかった。

夢幻という少女とは何だったのか？
何故、清衣が選ばれたのか？
カーニバルはどこから来たのか？
晶だけ消えてしまったが、"消える"とは何なのか？

最終回では『selector』シリーズと同じく、『皆元に戻りましたよ』的なエンディングで体裁を保とうとしているが、『selector』と『Lostorage』では全く価値が違っていて、前者はるう子が勝ち取った『願い』でありテーマに沿ったものだったが、後者は夢幻を倒した副産物であり確証はなかった筈。それにテーマである『記憶』とはまるで関係がない結末である。

良かった部分は、シリーズキャラクターが総登場という部分。
悪かった部分は、物語として非常にいい加減に作られていた部分。

それにしても、どうして『記憶』を掛けたバトルで敗北すると存在が『消えた』のか不思議でしかない。
他人の記憶からも消えたのかと思ったが、清衣は覚えていたし…
そもそも晶って何でセレクターに選ばれたんだろう。
それなら伊緒奈も選ばれてないと説明が…

と言った具合に、考え出すとキリがないくらい疑問点で溢れた物語でした。

第1期は悪くなかっただけに本当に惜しい作品。