YOU44さんの評価レビュー

大泉実成は本の中で

「ハーレムアニメである『ネギま！』は、
思想的には古くなりつつあると思うが
かわいいキャラを作り、
萌えさせる技術にはやはり見るべきものがある」
「美少女ゲームは基本的にハーレム的だった。
男性主人公に対する女性ヒロインの数が増え、
妹とか双子とかメガネとかいったふうに
キャラクターが類型的にカタログ化しいく。
典型的なのが『ネギま！』」

と語っている。
2005年の作品だがハーレム、萌えアニメの
一つの完成形だと思う。
2年A組31名全員がヒロインって
前代未聞だろう。
オヤジ好き、ショタコン、セクシー系、ロリ、
清楚、才女、双子、バカレンジャー、体育会・文化会系、
魔法使い、忍者、吸血鬼に地縛霊、
火星人にロボット、他にもいる。
葬式に再生、片想いに横恋慕、裏切り、
漂流教室に謎解きもある。
神楽坂明日菜はまさかのオッドアイ、芸が細かい。
明日菜と綾瀬夕映は終盤存在感が増し、
思わぬ展開になる。
夕映とネギが並んで立つシーン、
夕映の脚のシルエットが美しい。
ちなみに人気投票上位は

①宮崎のどか（前髪っ娘・本好き）
②桜咲刹那（剣士・木乃香の従者）
③長谷川千雨（メガネ。コスプレ）
④エヴァンジェリン・A・K・マクダウェル（吸血鬼）
⑤神楽坂明日菜（メインヒロイン・オヤジ好き）
⑥綾瀬夕映（バカレンジャー・勉強が嫌いなだけ）
⑦近衛木乃香（学園長の孫）
⑧相坂さよ（地縛霊・昔の制服）

嫌なキャラは一人もいない。
好みの女の子が必ずいる。
癒やされ胸がキュンとする。
秋元康ワールドってこれか。
悔しいくらい完璧だ

注目すべきは、
第1話に31名全員が登場するのに
その後キャラの紹介なく物語が進んでいくこと。
さながらハイデガーの「世界-内-存在」。
観る者は、生徒の見分けがつかないまま
何だか大勢でなにか楽しそうにやっているという
雰囲気を感じとることになる。
そして何かが蘇る。
それは誰もが忘れているであろう
この世に生まれ出た時のこと。
気付けば、世界は既に出来上がっていて、
自分は「遅れてやってきた」存在だった。
人間存在の基調にある「よそ者」である自分。
それを想起させるのだ。
この感覚は新鮮で貴重だ。
世界（自然、言語、文化、社会）は
自分が生まれる前から続いていて
自分は既に存在する世界に後から参加する。
それを理解し継承するカタチでしか
生きることは出来ない。
心に立ち上がってくるこの感覚に、鳥肌が立つ。
無限空間と永遠の中で
陶然と立ち竦む一個の自分を感じるのだ