shige-vaioさんの評価レビュー

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恋がしたくなる悶絶アニメ

観賞手段:テレビ
ネタバレ
久々に、鑑賞していて清々しい作品でした。とにかく見て欲しい!!
「月がきれいロス」。私を含め、恋愛したいのに出来ていない皆様には悶々とした日々を送り続けることになります(笑)
それほど心に残る、いや突き刺さる作品です。

中学生という多感かつ、やや子供寄りの年齢を設定したからこそ、毎週悶絶するほど、その身に覚えのある行動一つ一つに共感しました。
作りこまれた構成や細かい演出、どれを取っても今期では文句なしの最高作です!
特筆は、音楽の繊細さと挿入歌の選曲、そのタイミング、そして丁寧な背景描写です。
アラフォーの私にはどれも懐かしい、直球的な歌で、東山奈央の澄んだ歌声と、基本ピアノの優しい編曲により、改めて歌詞の奥深さ、旋律の素晴らしさを再認識しました。この名曲達が、まるでその歌詞を脚本にしたかのように「ここぞ!」というタイミングで優しく奏で始めます。

特に10話は、ヒロイン茜の表情とともに、旋律が最高潮を迎えます。このラストのシーン、作画(表情)・音楽・演出と類を見ない破壊力で私の涙腺を破壊して行きました!
爆音も激しい戦闘やキラキラした演出もない。こんな演出は反則です(笑)!!

音楽ブチ切り、「大好きだー!」。
最終回。小太郎の描いた小説のレビュー「この先はどうなるんですか?」と茜からの投稿に気づくシーンから♪「月がきれい」が奏で始めます。二人は付き合って半年以上は経過しています。小太郎はいわば内気な少年。正面切ってはこの言葉を口にしていませんでした。
ここまで溜めてのこの演出。ここまでの破壊力は久しぶりです。またも涙腺が壊されました。

そして、あのED。一時停止しながら、二人のLINEのやりとりを見て、一喜一憂。縁結びの社である川越氷川神社の「結い紐」で〆る演出にノックアウトです!伏線を最後の最後までとっておき、縁が結ばれるところまで魅せる。もう、文句ありません!!

この作品は2人に焦点を当てつつ、サブキャラも大切にしているところに好感が持てます。Cパートももちろんのことですが、11話の両親の件(くだり)、厳しさの中に温かさがある二人の描写に、思いを馳せてしまう自分がいました。特に、ラストの親父のウィンクと優しい表情でその行く末を見守る両親の表情に心を打たれました。いい両親です。
背景描写はもう、素晴らしいに尽きます。小江戸川越の情緒ある風景を、四季の景観を織り交ぜて美しく描き、特に川越まつりの山車や舞いの迫力は素晴らしかったです。隣町の住民としては有難い限りです!実写ではあの美しさは出ませんので・・・(笑)

息遣いで「魅せる」シーンも数多くあり、主役のお二方の演技の深さに脱帽です。あえて音楽を挿入しない。このヤバい演出に何度心を持っていかれたか・・・。特に茜役、小原͡͡好美さんの演技の幅の広さに感服しました。

表題の「月がきれい」を始め、サブタイトルの字体も、現役中学生の字体をサンプルにしたとか・・・。メッチャ凝ってます!

岸監督を始めスタッフ・キャストの皆さんがアニメの新たなる可能性を魅せてくれた「月がきれい」。確かに一部作画が不安定な回もありました。でも、総合的な評価がそれを相殺してくれます。
今後も、このような悶絶アニメを期待しつつ、最大限の称賛を送るとともにBDの「べにっぽ」付きを予約させて戴きます!!
shige-vaio
shige-vaio
ストーリー
4.5
作画
4.0
キャラクター
4.0
音楽
5.0
オリジナリティ
4.5
演出
5.0
声優
4.5
4.5
満足度 4.5
いいね(0) 2017-07-07 00:28:09

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