にゅまさんさんの評価レビュー

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全力全開魔砲少女伝説の起点

観賞手段:テレビ、ビデオ/DVD
後に「まどマギ」で知られる事になった新房監督が、初めて手がけた魔法少女作品。PCゲーム「とらいあんぐるハート3」からのスピンオフ企画が原点とは言え、物語的には直接の関連は無い。
 序盤はオーソドックスな「キーアイテム収集を目的とする魔法少女」と体裁で始まるが、主人公:高町なのはの前に敵対する魔法少女:フェイト・テスタロッサが立ち塞がることによって、物語の本筋が浮上する。
 以後シリーズとして展開する高町なのはの物語は、一貫して「なのはが誰かを救うために全力全開で戦う」事を描き続けている。そしてなのはの放つ魔法は相手との対話のための手段であり、それは従来の魔法少女には無い「拳と拳で語り合う」熱い世界である。
 異なる世界に生まれ、全く異なる出自と経緯をたどる二人の少女が、魔法との出会いをきっかけに巡りあい、諍いの中で競いあい、正面からぶつかり合い、その末に生まれる二人の物語。それこそが物語の本筋であり、その結末がもたらした感動こそが、これだけの長期シリーズとなった原動力である。

 また従来の魔法少女との差異として、この作品世界では魔法は人類の技術の1つであり、属性や系統が存在し、魔法も包括した科学技術の発展を遂げた世界が存在している。高町なのはの魔法も万能ではなく防御と砲撃に特化した資質であり、使い手による個性が存在する。魔法少女どころか、大抵のアニメでも長射程砲撃が主力の主人公と言うのは珍しい。
 そして従来は単なるアイテムである魔法の杖を、意思あるインテリジェンスデバイスとして対当のパートナーとしている。喋るアイテムとは、どちらかと言えば古典SFファンタジー系の流れである。このデバイスとマスター間の交流もまた、物語を彩る要素の1つである。

 なお、当作を元にリメイクした劇場版が「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 1st」http://akiba-souken.com/anime/1976/ である。なのはらしさを即味わいたいのであれば、そちらがおすすめである。
にゅまさん
にゅまさん
ストーリー
4.5
作画
3.5
キャラクター
4.5
音楽
3.5
オリジナリティ
4.5
演出
4.5
声優
5.0
4.5
満足度 4.5
いいね(1) 2015-06-30 02:41:02

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