にゅまさんさんの評価レビュー

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異種間での寛容さの美徳 #maidragon

観賞手段:テレビ、動画サイト
異なる種族、異なる寿命の竜と人間が家庭を築いていく、基本他愛もない日常劇っぽく見せていながらも、テーマとして「コミュニケーション」を中核に据えた、単なるコメディとして観流せない深みがある良作。
 小林さんが女性ながら大黒柱として仕事に出て、トールとカンナが当初は異分子的に入ってきながら程なく家内を取り仕切る立場、擬似的に娘的立場として、表層的には一方的に小林さんが想われているように見せながらも、回が進むに連れて互いに無くてはならない存在になり、家族としての縁が深まっていく様が伝わってくる感じは、さすが京アニ作品である。
 また、人間嫌いの気難しい竜であるファフニール氏が小林さんの同僚・滝谷との縁を深めていく様や、コミケの好意的な描写などに、黎明期のファンダム界隈にあった「好む作品は違えど我ら同好の士」と言う仲間感覚が見られる様は、「売り手と客ではなく全員が参加者」と言うコミケ本来の理念とも合致し、コミュニケーションと言う本作のテーマにも沿っている。国籍のみならず、本作の様に異種族があるがままの姿で羽を伸ばせるコミケであって欲しいと思う。
 最終回は「親離れ子離れ」と言うテーマとともに、小林家で互いに築き上げた物の重さを思い知らされる描写が続き、実に良い締め括りだった。
にゅまさん
にゅまさん
ストーリー
4.5
作画
4.0
キャラクター
4.5
音楽
4.5
オリジナリティ
4.0
演出
5.0
声優
5.0
5.0
満足度 4.5
いいね(0) 2017-05-03 06:21:58

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