にゅまさんさんの評価レビュー

終末感あふれる荒涼とした機械化文明下で、主の座を追われ散り散りに潜み細々と生きる人類。細かなディティールを積み上げた絵柄に、世界の全容が見えない閉塞感と隔絶感。名作SF映画『ブレードランナー』以降の各メディアで広がった暗雲たる未来世界観のSF作品が、80年代を彩っていた。
　本作は実にそんな80年代でのマニア向けSF漫画の味わいに満ち溢れ、当時を知る者にとっては実に懐かしさを覚える雰囲気だった。あの頃の俺達の夢に、ようやく映像技術が追い付いて来たというところか。
　昨今の何から何まで説明されないと理解を拒絶する様な浅い客層には敬遠されるかもしれないが、このくらいの歯応えが無いと物足りない層もまだ現役である。
　キャスト陣も実に豪華で、櫻井孝宏や山路和弘、花澤香菜、早見沙織を始めとして実に隙きが無い。
　テーマ曲はangelaが他のタイアップではあまり見せない引き出しをみせて、懐の広さを感じさせている。